ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

相対性理論 @ 中野サンプラザ


昨日のゴー!チームのライブの後に会った友人が「明日の相対性理論のライブのチケットが余ってるんだけど、興味あります?」と言っていたので、「あんまりちゃんと聴いたこと無いけど、興味はある!」と言って譲ってもらい、急遽行くことになった相対性理論のライブ。「流行りものは避けたい」天邪鬼ぶりによって、実は相対性理論はあんまりちゃんと聴いたことが無かった。まあでもそれじゃいかんなと思って、最新アルバム(“シンクロニシティーン”)と、渋谷慶一郎さんとの作品“アワーミュージック”は聴いたし、特に“スカイライダーズ”は昨年の再生回数10位以内には入ってるかもしれないんだけど、いわゆるブレイク作である“シフォン主義”“ハイファイ新書”はまだ聴いたことがない。多分今日のライブはソールドアウトしていて、涙を呑んだファンが居ると思うと僕なんかが見れて(しかもPA上の視点ど真ん中。見易かった)、申し訳無い気持ちもありつつ、すごく面白いライブだったし、色々思うことがあったので思ったことを書きたいと思います。

前述の通り、僕は相対性理論のことを良く知らない。作品を聴いていないわけではないし、どんなライブに出ているか、どういったアーティストと絡んでいるかの情報がゼロなわけではない。けどやっぱりライブを見るのが初めてだと知らないことも一杯あって、例えばやくしまるえつことギターの永井聖一以外の二人についての予備知識が殆ど無いこと(2人はFishmansのライブにも出ていたし、SCLLの作品に参加していたりしたから何となく触れたことがあったのだと思う)、あとはファン層・支持層を良く知らないというか――例えばカラオケで“LOVEずっきゅん”を歌う年下の女の子も相対性理論好きだったし、チケットを譲ってくれた友人は邦楽は殆ど聴かない海外のインディや古い音楽を好きな人間だったりする。支持層が分からない、イコールどういうことを期待されているバンドなのか、というのがわからない。だからどういうライブパフォーマンスなのかも割と予測がつかなかったし、結果目の当たりにした今日のパフォーマンスがどう評価されるのかも良く分からない。

そんな僕の感想。今日のバンドメンバーはサポートに勝井さん(!)とキーボードの人が居た。女性だったけどあれ誰だったのかな。やくしまるえつこは楽器をさわることは無かった。予備知識が無い二人(ベース、ドラム)にまず目が行く。ユニークな楽曲の屋台骨がこの二人なんだなあというか、これが相対性理論ライブなんだなというか。奏でている音と、若くてそしてごく普通の大学生みたいなルックスの組み合わせが、すごく不思議な気持ちにさせられる。そうした音に乗っかる、やくしまるえつこの存在感。このバンドが、中野サンプラザみたいな広い会場を一杯に埋めている。僕はどこか引いて見てしまっているから、音楽的な不思議な世界へひきこまれることは無いんだけど、バンドの存在感と、こういうバンドがこの広い会場を埋め尽くし、そしてそれ以上に広く支持されていること、色々なことに対して「不思議さ」を感じた。そう、セールス的にはメジャーシーンに足を突っ込み、ボーカルがファッション誌の表紙を飾っているのに、なお漂うアングラ感についても。

周りを見渡しても、やっぱり相対性理論の支持層がどういった層なのか――というのはよくわからなかった。相対性理論が絡んでいるアーティストを考えれば、比較的年上の層の心を掴んでいるような気もする(一昔前のロキノン層、渋谷系層とかそういう)気もするし、それでも音楽シーンの中での配置としては「若いロック・バンド」的な立ち位置としてカテゴライズされていて、そういった層を掴んでいるような気もするし。サブカル、アングラ層の心も掴んでいるし、でも一定のセールスを記録している通り、現在の若手ロック・バンドの中でも上位に来るオーバーグラウンドな支持を得ているような気もするし。よくわからない、けど、ライブを見て思ったのは、ロック・シーンとか、音楽シーンとか、そういうんじゃなく、ポップ・カルチャーにおいての相対性理論という存在なのかなぁって。バンドの構成自体はロックバンドかもしれないけど、このバンドの存在や目指しているところは“ロック”ではないんじゃないか。ロックからすり寄ろうとしたって、違うんじゃないか。

たとえば先週ももクロのライブを見たのと比較して、やくしまるえつこの存在というのが(当初はどういったものだったのかわからないけど)“音の上に乗っているアイコン”としては、個人的には通ずるところがあって。上手く言えないんだけど、それはネガティブな意味じゃなく、相対性理論を(いわゆるタワレコやツタヤのレコメンド的な)ロック・シーンに括るのには無理があるんじゃないかって思ったところの理由として。でもそれで居て楽曲や演奏のクオリティにおいて、ロック層に寄せたくなる気持ちは、僕も感じる。簡単に言うと、フェスに出るかなあとか(笑)昨年エゾに出てたから、今年はフジとか出るかな、とかね。でも絶対昼間じゃなくて夜のRED MARQUEEとか。普段の相対性理論のライブがどうなのか全く分からないけど、今日のライブは(席有りなのもあったとは言え)誰も一度たりとも立ち上がらなかった。開演前とかにそういうアナウンスがあったのかもしれないけど、それでも(ジャズとかを除いた)バンドのライブで誰も立ち上がらないライブは初めてだったと思う。だからやっぱ、このバンドの立ち位置は、ロックではないんだと思う。1時間半程の短いライブだったけど、そんなことを考えました。面白かった。

今これ書きながら丁度シャッフルでスーパーカーの“333”が流れてきて、もしやファン層かぶっていたりするかな?とちょっと思った。ライブ後、青葉に行った。僕が行った時点ではガラガラだったのに、出てくるのを待っている間に一気に行列の出来るラーメン屋になっていた。しかも右も左も待っている人もサンプラザ帰り(会話や持ち物から)。行動パターンが同じ。今日の一日の話。JFLへ行こうかなとか、ジュビロアビスパをどこかで見ようかなとか色々思っていたんだけど、眠くて夕方まで眠っていた。だから会場が近場の中野で本当に良かったと思った(笑)家から駅に向かっている途中、いつも通り掛かる家の前でとある貼り紙を見つけた。暑い日の朝、よく玄関前で眠っていた猫についてだった。今年はまだ出てこないのかな、なんて思っていた。15歳か。実家で飼っていた猫と同じだ、多分。今思えば、自宅で最後を看取れたのは恵まれたことだったのかもしれないし、ちょうど残留争いで(笑)よく帰省出来ていたというのは、良いことだったのかもしれない。