ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

東京ヴェルディ-ジュビロ磐田 @ 味の素スタジアム

10人になった苦しい試合、ゴール裏を埋め尽くした水色サポーターと掴んだ勝ち点3。

東京ヴェルディ-ジュビロ磐田味の素スタジアムへ行きました。ジュビロを見るのは前週の熊本戦以来ヴェルディを見るのは結構久しぶりで2年ぶり。昨年も味スタで同カードがあったけれど昨年はアラバキへ行ってて見れなかった。なのでこのカードを見るのは遡ったらこの時以来だった。ジュビロの今年の関東アウェーは千葉も大宮も、北関東の群馬も栃木もかなり入っている印象があった。今回もジュビロサポは大集合という感じで、現地で色んな人と会ったけれど、久々に見たヴェルディもサポ増えてるのかなと思った。ヴェルディのホームゲームで1万6千人はだいぶ多い数字だったはず…。

試合は3-0で勝利。3-0というスコアだけ見ると快勝だったように思えるけど、全くそんなことは無い。苦しい中、良く耐えてもぎ取った勝ち点3。試合の入りからヴェルディの方が中盤でのプレスや切替がとても早く勢いがあって苦しい試合だった。前半20分ぐらいに森下俊が無人のゴールを手で防いでしまい一発レッド+PK。遠目から見ても手で止めたように見えたから一発赤で仕方無かった。「ビデオ判定ー!試合を壊すなー!」って野次も近くで結構聞こえたけど、後で映像見直しても手。ビデオ判定しても一発赤だった(笑)そもそもこのシーンも中盤での奪われ方が悪く、相手の切替の早さが勝っていた…。

試合を通じたらヴェルディが7:3ぐらいで押してたと思うけど、10人になる前からヴェルディの試合だった――ただでさえ相手の方が試合を押していたのに、ここで10人になった時にはまさか勝てるとは思わなかった。まずはここでPKをストップしたカミンスキーが神としか言いようが無い(試合を通じてビッグセーブはPKだけじゃないけど)。5月のムルジャのPKストップと言いこの人で何点防いだんだ。外国人頼みのクソサッカーですサーセン。ここからはまず、10人になるから守るしかなくなった。

さてどこまで耐えられるか――そんな後半、先制点はジュビロだった。先週の熊本戦そしてU-22の練習試合と何回川辺を絶賛するんだって話だけど、いやもう川辺の先制ゴールが素晴らしかった…!あの苦しい流れで…今週のジャイキリで代表帰りの椿がしれっとすごいゴールをぶっ込んでたけど、完全にそれとシンクロした。あそこから自分で縦へ行って自分で狙うって、ジュビロではあんまり無いシーンなんだよね。今のところ自分の中では今年のベストゴールと言っていいし、あの興奮は、人生のベストゴールの一つである、2002年2ndの鹿島-磐田での西の右サイドからぶっ込んだゴールを思い出す。

ここからヴェルディが更に前へ出てきたところで、アダイウトンのスピードがよりハマった。3点目も川辺とアダイウトンの2人で崩したゴール。この2人が来年居ない可能性があるなんて考えたくない…。勿論守備に攻撃にいつも以上に走ってくれた祐希も、前線で身体を張り続けたデカモリシも、豊富な運動量でスペースを埋め続けた宮崎や康太も、耐えた伊野波も藤田も、皆素晴らしかった。02年の完全優勝した時、天王山のガンバ戦で10人で逆転した。03年は優勝できなかったけど、首位に立ったホーム最終戦、ガンバ戦で10人で逆転した。あの時の前田の神ターン→PKと、河村の覚醒したヘッド。強いチームは10人で勝てる。その時誰かが皮を突き破る。興奮冷めやらぬ、とにかく大きい勝利――!

3-0というスコアではあったけど、相手のヴェルディは本当に良いサッカーをしていた。ドリブル、ショートパス、欠かさない正確なサイドチェンジ…。10人だったとは言え、ここまでパス回しに翻弄された試合は久々だ。降格した年のレッズ戦以来ぐらいの記憶。そのヴェルディを構成しているのは若いユース出身の選手たちというのも、なんかちょっと応援したくなる(最近のヴェルディは別にそんな嫌いじゃない)。ここに中島や祐希や河野が居たら――って当事者サポは思っていないだろうけど、そう思わせる小気味良いサッカーだった。この試合結果だったけど、試合後ブーイングじゃなくチャントを歌い続けたサポも良かった。ヴェルディプレーオフ進出に向けて残り3戦、まだわからない。

んでジュビロ。試合後、アウェーで“勝利は続くよ~”を選手と一緒にやったの、今年今まであったっけ?この苦しい試合を勝ちきったからこそ「今年はいける」という気持ちにもなるし――言い方変えると今年上がれなかったらキツイ。東京での試合は強かった頃に好きだった人も多かったと思うんだけど(地元静岡東京在住、とかではない人)、その楽観的な雰囲気、「常勝ジュビロ」を引きずってる人の声は聞いていて正直しんどいなと思ってた。J2では確かに勝ち試合を多く見られているかもしれない、けどもう「常勝ジュビロ」ではないよ。「気持ち良くさせてくれる試合」を見せてくれる対象ではないんだ。俊の一発赤以降聞こえてきたトンチンカンな野次はまだそれを引きずってるのかと思う。ジュビロは強くない。だから――北陸、四国、九州に何度も行って一緒に戦ったんだ。

金銭的な原因で迷っていたけど、今回の試合を見て、ああやっぱ来週も帰ろうと思った。《同じもの見られたら それだけでいい/同じ気持ちじゃなくても それだけでいい/変わっていくのなら 全て見ておきたい/居なくなるのなら 居た事を知りたい》――降格した年にも引用した気がするBUMP OF CHICKEN“R.I.P”。だからどんな苦しい状況、ダメな試合でも地方にも足を運んだ。悔しい結末だった2001年や2003年、久々の(黄金期とは全く違うメンバーで)優勝で嬉しかった2010年のナビスコ決勝、2013年降格が決まった鳥栖戦や昨年のプレーオフでも涙は出なかった。でも今日の試合はかなりグッと来ていた。最終節の大分戦が終わったら、全国行脚したこの2年間が走馬灯のように甦るんだろうか…。