ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

ワールドカップ・日本代表戦についての感想と、東京都サッカートーナメント準決勝 横河武蔵野-FC東京U-18、町田ゼルビア-明治大学 @ 西が丘サッカー場。もう4年後への争いは始まっている

ワールドカップ・日本代表戦についての感想。またすぐ4年後が来る

関西旅行中にモトコーの古本屋で買った川端康生さんの「フットボールタイム―たとえばこんなワールドカップ」(http://www.amazon.co.jp/dp/4777906191)という本を最近読んでいる。ドイツW杯の時の取材滞在記で、その時の日本代表の3戦の描写も当然あって――消極的な選手のプレーぶりやジーコ監督の采配、中田英の後を考えないプレーぶり…などなどについて、「そういえばそうだったかな」と思い返していた。

日本代表-ギリシャ代表戦の後に思ったこと

そして日本代表-ギリシャ代表感想。グループリーグ突破の為には勝たなければいけない相手――そこでのドローは残念だけど、↑のような回顧録を読んだばかりだと「どうせまたすぐ4年後が来る」って思えて、怒りでも残念でもない、こんなもんなんだろうって気持ち。大体その前にやってたイングランドウルグアイと比べて試合として迫力不足なのは明らか。采配云々と思う所も無くは無いけど、でも活躍すべき選手、本田や香川が勝負できてない。最後は全部サイドの長友と内田に預けちゃう。

後半ロスタイムに入ってからの日本の安全なパス回しは――(普段Jリーグを見ている身として、)やはりJリーグがそういう試合を許しているからなんだろうと思ったし、ドイツの時とすら違うのは、中田英ほど腹を括った選手が居ないということじゃないかと思った。それでも「怒りでも残念でもない」「また4年後が来る」と思うのは――ギリシャが引く戦術のチームだといえ、日本がW杯において(11対11の時間帯でも)これだけボールを持てた試合って始めてだったんじゃないだろうか。それはやっぱ確実に能力が成長してるからだと思うんです。それで崩せなかった…じゃあ次はどうする?そういう一歩一歩な気がする。

正直、ギリシャが10人になって腹括って引く展開になったのは痛かったと思う。で、結局そういうチーム相手に打開する力が日本代表には無くて、そればかりか割と得点が必須な試合のロスタイムなのに後ろでちまちまボールを繋いじゃう――それは別に日本代表だけじゃなくて、ジュビロの試合でも嫌っちゅーぐらい見せられるし、ACLでのサンフレッチェもそうだった。Jリーグでそういう勝負意識しか育まれていない――から日本代表もそうなのである。

采配や戦術や積み重ねだのも当然大事だけど…それ以上にでもやっぱ「日本人が淡白」なんだろうなーと。日本代表の選手たちだけが悪いんでなく、これが日本人なんだなーと思うと、こんな時代、自分のことだってそうだしさ。選手や監督を責める気持ちには全然ならなかった。もう突破は厳しい、最後のコロンビア戦。目標云々はいいから、選手には悔いのないよう出し切ってほしい。簡単な相手ではないけど、ドイツの時のブラジルと比べればまだ…と思って。でも、もしダメでもそこからまたW杯が始まる。ロンドン世代、リオ世代がどんどん入ってきて、ケルンの長澤君のような選手も居る。楽しみじゃないか。

あとコロンビア戦の前だから思うけど(←この感想を呟いている時点)、コパアメリカ出場のチャンスを2度逃したことも運が悪かった。これは監督や選手の問題じゃない。何の為のJリーグで何の為の日本代表か、というところから、日程問題や大会方式の問題を一体となってメスを入れるのならいいのになあと思う。(だって、「代表よりJリーグだよな!」って言ってる人に限って、やっぱ真剣に日本代表の不甲斐なさを嘆いているんだもの(笑)やっぱ、代表って大事だし、Jリーグも大事だからこそ、日程問題はその場しのぎではなく建設的に議論されるべきだと思う)

…でもまあ、積み重ねや采配と言えばその通りで(笑)采配は難しいよね。トルシエジーコ、岡ちゃん、ザックと誰も一長一短(オシムは本番は戦ってないから除くとして)。五輪で4強に導いた関塚もジュビロではあのザマ。たとえばもし今後フェリペが日本を率いる時が来たとしても、「結局今までは選手が良かっただけ」となりかねない。…と思うと、結局選手個々の成長を願った方が健全なのかもしれないし、その為には普段からスタジアムへ足を運び、目の前のサッカーの良いプレーに拍手をし、ダメなプレー、気力を欠いた試合にはブーイングをし、そんな叱咤激励をしていくのがやっぱ大事なのでは、と思います。

(そして)日本代表-コロンビア代表戦の後に思ったこと

3戦の中では一番積極性があった。最後のカウンターからの2失点はもう仕方ない。結局実力不足だとしか言えないんだと思う。雰囲気的には8年前というより世代的には北京五輪の惨敗を思い出す。でも年齢的にはまだ4年後がピークの選手も多い。この悔しさをバネにしてほしい、それしかない。ギリシャ戦終えた時の感想とそんな変わらない。「すぐ4年後が来る。」

3戦とも1枚目の交代がボランチ。それもスイッチを入れる為というよりバランスをとる為の。遠藤の衰えと長谷部の怪我による絶対的な心臓の不在。CBもそう。今野も結局降格圏のクラブのボランチなわけで…(采配や選手を責めたいんではなく、冷静に実力不足と受け止めたいだけ)。4年後ピークを迎えるロンドン、リオ世代…それこそボランチで言ったら柴崎はすぐA代表で見たいし。忘れられてるけど先週末も今週末もJ2はやってますし。まずそれを観に行くのがサポートですよ。

今大会はポゼッションサッカーの理想形だったスペインさえ敗退した。ポゼッション幻想のある種一段落する中で日本代表が引続き「日本らしいサッカー」を目指すのか「もっと守備に重きを…」と見直すのか。個人的にはどっちが良いとかは無いから、今後の展開が楽しみだなーと。で、日本におけるポゼッション幻想の中心に居たのは、10年前はジュビロだったかもだけど、現代においては遠藤を中心としたガンバであり青山を中心としたサンフレッチェ。青山(や北京世代)も4年後は32か…と思うと絶対ではないし、誰がボランチで中心になっていくか…は楽しみ。現代表の選手か、柴崎か長澤君か。

あと今日の試合見てて本田かっこいいなと思ったのは、あれだけ何度もずっとキツく厳しく身体を当てられて来られても、あんまりファールアピールをしない。歴代の代表レフティーは割とファールをもらうのが巧かった…から、本田の性格がすごく現れているんだと思う。どっちがいいかはわからないけど。

ギリシャはすごい。奇跡を信じるってなんだろうな。こうしてみると日本戦で10人で0-0で耐えたことがこの突破に繋がったんだと思うと、ある種その勢いが残っていたのかもしれない。コートジボワールは岡ちゃんが言う通り、最後のピンチの前に前線の選手が全然戻らなかった。過信か。いやわからない。

(更にその前の)日本代表-コートジボワール戦の後に思ったこと

緒戦の日本代表-コートジボワール感想。相手のプレスがとにかく速くて、ボールを繋ぐ「日本らしいサッカー」をしたくても出来ない、そうしているうちにずるずる引いてしまった。立続けの失点は勿体無いけど、日本は守ろうと思って守り切れる守備力じゃないのはわかってるから、2失点よりそれを招くまでの姿勢が「らしくなかった」。最初の交代で遠藤を投入した意図はやっぱ「もっと繋いで、保持して、リズムを作りたかった」からだと思うんだけど、それでも前線に収めて自分たちのリズムにすることができなかった。じゃああの場面で守備固めがあったのかと言うと、今回の招集メンバーは「そういう(繋ぐ)サッカーをする」と腹を括ったメンバーだったから、そういう選択は無かった(守備のメンバーは居る。けど、チームの哲学として、そういう采配をするチームではなかった)。

まあ前回のW杯みたくドン引きじゃなく正攻法でいってこれなんだから「これが今の日本の実力」だとしか。どっちが良いのかは難しいけど、コートジボワールの面子考えれば…引いたところで守り切れたかと言えばわからない。あと、いつも以上にボランチのところで落ち着けられなかった。幾ら代表常連とはいえ、遠藤も山口も所詮J1で中下位程度のチームだもんと言えなくもない(彼らや両大阪やJリーグを責めてるわけじゃなく、相手との環境の差という意味で)。あの場面のカードの切り方は難しかった。先に前線で追える選手を入れるべきだったのか、守備的なボランチが欲しかったのか…山口が先発じゃなければ、細貝が居れば、今野を代表でもボランチ起用しておけば、なのか。

それでもザッケローニで良かった

交代失敗認めるザック監督「狙い外れた」
http://brazil2014.headlines.yahoo.co.jp/wc2014/hl?a=20140615-00000128-spnannex-socc
ザッケローニ監督が辞任表明、「責任はすべて私に」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0F02XU20140625
「本物の主将はマルディーニとお前だけだ」長谷部が主将返上翻意の秘話
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140626/wcj14062610410004-n1.htm
ザッケローニ監督が退任会見で明かした「最後に選手へ伝えたこと」
http://news.livedoor.com/article/detail/8979007/

それでも色々な面で「ザッケローニは良い監督だった」って思う。この敗退でも、個人的には98年大会以降のW杯に出場した日本代表の監督の中ではザックは最もバランス感覚を持った「まともな監督だった」という印象は変わらない。マネジメント論的に、指揮官が1戦目のタイミングで自らを省みることに対する評価は分かれるかもしれない。ただ個人的には…好意的な印象で、選手を守れる人格者だからこそ出来ることだと思った。最後まで自らの采配は責めても選手を責めなかった。ごく当たり前のようなことで、それが出来ないマネージャーは少なくない(笑)管理職になったって自分を守る言い訳の言葉を探す人は多い。

そもそも、前回の16強の時点で日本代表は「ここまで来れた。もっとやれる」という手応えをつかんでいた。その時中心選手になっていた本田、長谷部、長友、川島、(出場機会はなかったけど)内田らがまだ若く次の大会がピークであることは間違いなかった。そうした状態のチームに必要なのは、トルシエのような「上から目線」型でもなく、ジーコのような「放任」型でもなく、バランス型のだった。自信を持ち始めた日本の選手の鼻を無理矢理折る必要はない。余計な手を入れず、そのまま成長した彼らで――こういう結果だったからこそ「まだ実力が足りない」って解れたんだから。

何より、ザッケローニは人間性にとても優れていた。日本人が仕事するにあたってはやっぱそれって無茶苦茶重要なんだと思うんだよね。日本の生活だけでなく、カルチャーにも人間にもに馴染もうとし、良いところを見つけようとし、理解しようとし――桜の季節での中目黒での目撃談から大相撲からミスチルのコンサートまで。↑の長谷部に対してマルディーニを引き合いに出した言葉とか、「もう一度同じメンバーを選ぶ」って言葉とかさ。やっぱ本人の人間性が優れてないと出てこないよ。そんなこと言われたら「俺、もっと頑張らなきゃ」って思うじゃん。ま、幾ら人間性が優れていたって戦術・采配に優れていなければ務まらないのが「監督」という仕事だと思うけれど、「人間性の優れた上司」…ああ羨ましい(笑)いや、僕ももうそれを目指さなければいけない年齢です。

スクランブル交差点でのハイタッチについて思うこと

(ネガティブな意見は散々出ているので)物事をポジティブに考えると。駅前商店街の集客に苦しむ街とかで「まちなかパブリックビューイングで日本代表を応援しよう!試合後は交差点でハイタッチ!」というイベントを組んで、テレビ局(ローカル局でもいい)が各地のその模様を中継すれば――地方の中心街の活性化に繋がるんじゃないだろうか?浜松とか磐田とか。実際、昨年W杯出場決めた時に浜松のスクランブルで少人数でハイタッチしあってたみたいな話を聞いてクスリとしてしまったのが元ネタなんだけど。ああいうのに憧れてる地方民、絶対居るって。

ざっくり言うと街コンなんだけど、いいじゃんW杯ダシに街コンやっちゃいなよ。もしそこで上手くいけば(笑)多分子供はサッカーやるだろうし、サッカーW杯がどんどん文化として根付いていく。んでもし集客に不安だったら、渋谷のスクランブル交差点でスカウトして――自動車部品工場の就職も斡旋してイベントに出てもらう(笑)ま、サッカー文化云々ってよりほんと「駅前の商店街、飲み屋街が廃れている」画っていうのを沢山旅行して一杯見ているので、渋谷ばっかりじゃなく、「国民的イベント」がそうしたところの盛り上がりに繋がればいいのになって思うんだよなあ。

しかしもしセレソンが優勝して、浜松のスクランブル交差点にブラジル人が皆繰り出してきたらちょっとアガるなー見てみたい(逆に言い換えると、決勝の後にセレソンのユニ着た日本人が渋谷のスクランブル交差点に集まってきてハイタッチ、みたいなことは有り得るのかな(笑)セレソンじゃなくても、イタリアでもドイツでも。)あと去年渋谷の交差点見た時はレッズや東京やフロンターレのユニの奴等も騒ぎに紛れてた。「Jリーグサポは違う」ってそんなことはない。結局個々人の問題。…だけど、僕はこういうのに対して「私は真面目にサッカー応援してます!」みたいな態度取るくせJリーグ見ない、スタ行かないヤツが一番嫌かもしれない(笑)真面目に日本サッカー応援してるんだったら――Jリーグ行こうよ!

東京都サッカートーナメント準決勝 @ 西が丘サッカー場

横河武蔵野-FC東京U-18

ちなみにJリーグは今週末も…どころか、この日はJ3や神奈川や東京の天皇杯予選の準決勝が。ユースや大学生から4年後の代表選手が出ているかもしれないと思えば、なんか日本ダービー翌週の2歳新馬戦みたいだ。せっかくだから東京都サッカートーナメント(天皇杯予選)の準決勝へ足を運んでみた。1試合目は横河武蔵野-FC東京U-18(後半から)。横河を見るのは昨年11月のHonda戦以来。「イケイケ団ブラジル出張中」の横断幕を張ったFC東京側は少ないながらもサポーターがコールしている。横河サポも有給や早退のかたがたなど…共通して言えることは、全体的にスーツ姿の人多い。みんな愛すべきサッカー馬鹿。

試合はFC東京U-18が先制した…らしいけど、最終的にはJFL横河武蔵野が大人の貫禄を見せつけて3-2で勝利。でもFC東京U-18も11番が密集で相手交わして挙げた追撃の2点目は良いゴールだったし、終盤はゴールに迫って良いサッカーしてたし、良い試合だった(でも高円宮杯プレミアリーグ的にはヴェルディ三菱養和に次いで東京都3番手なんだね)。FC東京サポが試合終了後「ゼルビアだけには負けられないー横河の力見せてやろうぜー♪」って歌っててウケた。今朝思ったことで、この惨敗を受けて、次は誰が監督やるか――とかそれ以前にJFAが「日本が目指すサッカー像」を設定すると思うの。この試合見てて思ったのは「皆一生懸命に走る」。まずはこれが日本らしさなんだろうなあと。

町田ゼルビア-明治大学

2試合目はJ3首位の町田ゼルビア-明治大学。GKの方の高原(ジュビロコンサドーレエスパルス)、今は町田にいるのか!町田ゴール裏に「三鬼海」って段幕があって、どういう意味なんだろ?地酒?と思ってたら、選手名だった(笑)ゼルビアを見るのも昨年のHonda FCとの試合以来。開始早々に明治がセットプレーから先制。後半は町田がギア入れて明治を押し込んでいたけど、明治が少ないチャンスからシンプルにサイドからクロスの展開で2点追加し3-0で試合が決する。(シンプルなサイドからのクロスと言っても2点目のヘッドも3点目のボレーもお見事。)

2-0になったあたりから、前列に居た横河ファンの人が「(決勝の相手が)町田なら分からなかったけど、明治には勝てない気がする…」と言って町田を応援し始めていた(笑)以前はよく大学勢が天皇杯でJ2を破ってたけど、最近はそうじゃなくなってきた。けどまだJ3よりは強いのかなあ、と感じさせられた。まだまだ日本サッカーの層は厚い。明治とゼルビアの差は「決定力の差」か。ゼルビアは昨年Hondaとの試合見た時よりは良いサッカーしてた気がする。けど、「最後誰が決めるんだろう?」という感じ(でもJ3首位だから形があると思うんだけど)。細かく繋ごうとする町田を、シンプルにゴール前まで攻めた明治が撃破。日本サッカーのポゼッション幻想はこういうカテゴリからあるんだよなあ、と感じた試合でもあった。

まあ日本代表がどのような結果になろうが、そして今後どれだけ世界との差をつけられようが、多分サッカーを見にスタジアムに足を運び続けるのは変わらないよな、僕の人生は。もし今回の代表戦の敗退を受けて悲しがってる日本代表ファンが居たら、近場のサッカーに誘ってみることから初めてみよう。あ、でも今季はジュビロ見にアウェーばっか行くから無理だな…(笑)