ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

松本山雅FC-ジュビロ磐田 @ アルウィン(松本平広域公園総合球技場)と信州旅行。茅野の藤森照信作品、光前寺庭園、松本の町並みなど

アルウィン松本山雅FC-ジュビロ磐田アルウィン松本平広域公園総合球技場




フルハウスアルウィンで熱気溢れる上位直接対決。

初の松本アウェー、まずは試合の話から。松本山雅-ジュビロ磐田アルウィンジュビロを見るのは前週の富山以来、山雅を見るのはJFL時代含めて初。あ、「クラシコ」は見たよ!いやあ、こんな風に対戦することになるとはね。この日の前売りチケットは完売。昨年の松本山雅対ガンバが1万7千人ぐらいだったらしいのでそれよりも入るのかと思っていたけど、観客数としては1万5千人程だった。いずれにせよフルハウスアルウィン、2位3位の上位対決と今季ベストゲームの一つになる状況は試合前から整っていた――伊野波と駒野を欠く急造DF陣でボコられなければ…。松本駅からシャトルバスで30分程でアルウィンへ到着。まずバクスタの照明の造形が独特でかっこいい!

今日はゴール裏。この視点と雰囲気、ユアスタでの試合を思い出す。試合前に松本山雅サポの@kota56kg君と会って、「試合前の選手紹介や応援がかっこいいと思うんで見ててください」みたいなこと言われて見たんだけど、ほんと面白かった。いや、ゴール裏の雰囲気も良いんだけど、スタジアムの雰囲気作りにはメインスタンドやバックスタンドで見ている人の歓声やアクションも同じかそれ以上加担している。山雅サポはメインもバクスタも手拍子もタオル回しもして良い雰囲気で面白い。よくジュビロはゴール裏のコアサポが「つまらない」的な具合に叩かれるけれど(笑)、まあそれはゴル裏派の人に任せるけど、個人的には色んなスタジアムに行く度どうしても「ヤマハスタジアムのメインやバックの手拍子や拍手をしない人の多さ」が気になるんです(よく書いてるけど)。ま、「それでも強かった」からね。

負けたのはレフェリーや時間稼ぎのせいではなく自分たちの力不足。

試合は開始早々に先制点を許し、前半の半ばに2失点目。「急造DF陣がボコられなければ…」という不安は的中することになる。後半ロスタイムに前田のゴールで1点差に詰め寄るも1-2で終了。まあ、最初の2失点が全て。両方とも選手の足が止まって(完全にマークを外してしまって)、どフリーの選手を作らせた、昨年のような失点。守備における集中力の欠如で失点を招いた櫻内や祐希、木下の経験が足りないから招いたものと思うけど――ま、こうした経験を経て若い選手は大きくなってゆく、だからこれは受け入れなければいけない敗戦だと思う。木下については後述として、他の2人の足の止まり方を見ていると、レギュラーとして初めて迎えた連戦が響いてきたかなあ…。

特に櫻内がルーズボールに対し走るのをやめて、諦めなかった山雅の選手にライン際でボールを追いつかれたのには悲しかった。ジュビロはそんなプレーが許されるチームなのか?基本的にはジュビロはチーム全体の運動量が足りてないっていう、今までと同じ話。強くて走れるチームと当たったらこんなもの(長崎戦だって、ホームでも良く走る相手に押し込まれまくってたんだから)。後半なんかフェルジナンド一人が頑張ってボール運んでるのに、他の9人は足が止まってるっていう。ひどかった。前田の意地の一発は盛り上がるけどねえ、でも相手のCB(飯田)はとっくに足つってたんだからもっと早くとらないと…。

そしてこの試合のロスタイムは6分。山雅の選手が痛んで試合が止まった時間は、確かに長かった。シャムスカも会見でそのことを話したし、ジュビロサポも試合後そういう感想を持った人も居たみたいだけど。まあ、確かに近くにレフェリーやジャッジ、山雅の選手を出すのに遅いことにすごいイライラしていた人が居た。でも飯田が痛んだ時も、磐田ゴール裏視点からはポポの蹴りが入ってたように見えなかった?塩沢だって、担架に雑に乗せていいもんでもないじゃん(結果全治5ヶ月…)。それがあるから、ロスタイムも長くとってくれた。完全に自分たちの力の無さで負けた試合だよ。大体今までもJ2下位相手に綱渡りで勝ってるだけじゃん。レフェリーや相手に当たるのはお門違いだと思う。ジュビロの選手も足つるぐらいまで走ってみろよって正直思う。ほんとフェルジ一人におんぶにだっこの試合だった…。

大体ジュビロっておっさんが多い分、勝ってる時はプレーが切れたら割と時間使う方だと思うんですよね。駒野や松井が居る今もだけど、川口が居た頃もだし、名波や福西が居た頃もそう。大体03~04年頃から。だからそんな人のこと言えるか?「ジュビロは時間稼ぎしないんですか?」とか言われちゃってはずい。そしてシャムスカ自身が本気でジャッジや相手の時間稼ぎが大きかったと思っているのなら、ちょっと先が知れる気がする。もし今のサッカーのまま昇格は出来ても、来季は昨季の成績よりヤバイことになるんじゃないかと思うし(今年の徳島見てると)、それ以前にこのままじゃ湘南相手にどこまでやられるか心配だよ…。あ、もしシャムスカがダメでもフェルジナンドは絶対手放すなよフロント!

木下について。ラストプレーだったセットプレーで、フリーのヘディングを木下が外してタイムアップ。確か他にもゴール前でシュートを放ったけどGKの正面だったこともあったし、2失点の責任も感じて、最後に悔しさでうずくまったんだろうけど…。まあ平凡なパスミスもあったから「とても良かった」とは言えない、けど、セットプレーでシュートまでいけることがそもそもジュビロは少なかったという点で言えば(笑)、そこまでいけてるだけ能力があるんだし、守備面でもチーム全体が走り負けてる中では裏への対応もよくやってたし、結構前に正確なフィードを蹴れるし、かつ積極的に蹴る度胸を見てて、若くしてスタメンで使われるポテンシャルはあると思うので。必要なのはこういう色んな経験。こんな走れないチーム、どうせ若手が育たないとJ1での戦いなんて夢物語だから。この悔しさが糧になってほしい!

負けて残念だけど、最近スッキリ勝てた試合がない中で、急造DF陣で3位と直接対決。という下では負けるのは想定の範囲内だから(最後1点とって接戦っぽくなっただけよかった)。ボコられなくてよかった…けど山雅は2人結構大きな怪我しちゃったから、山雅サポからしたら後味は良くなかった試合かもしれない。まあでも――アルウィンはやっぱ良いスタだったし、そこでの上位対決は楽しかったな――というのが正直な感想。来年も来たいなーなんつって。正直ジュビロと山雅でもう一枠の自動昇格枠を争うことになると思ってるんだけど…信州って浜松から来やすいから(プチ旅行目線で)こんだけアウェー側も入ったんだし…。1mを争って試合前に綱引きやるような関係になれたらいいと思うんですわ(参考。こういうローカルな地方ネタで盛り上がれたらよいと思うんですよ)。アラバキで会った山雅サポも居たのかなあ。

以下は試合前後の信州観光記です。乗換え等々で信州に来たことはつい3月にもあったし、昨年もあったけど、観光的なことをしたのは松本だと5年ぶり、あとは2年前に穂高に来ました

駒ヶ根・光前寺庭園

今回松本に行くついでに行きたいと思っていたのが、飯田線沿線の飯田と駒ヶ根3月に飯田線を乗り切ったけど、途中下車は出来なかったから、今回町巡りが出来たらいいな~って(立川からバスで安く行けるのもある)。けど、調べてみたら飯田から駒ヶ根駒ヶ根から岡谷までが意外と遠い(確かに3月に飯田線乗った時の記憶がぼんやりとはあったけど)。そして駒ヶ根駅にレンタサイクルがある気でなぜかすっかり居たけど、検索しても出てこない。思い込み?うーむ、これはやっぱ2泊3日向けだったのかもしれない…。

鉄道やバスの時刻表をあれこれ眺めながら飯田をとるか松本をとるかで悩んだけど(松本は行ったことある分)、でもやっぱ今回は松本とろうと決めて飯田は断念。飯田とか木曽はもっとちゃんと時間をとって観光したい。天竜峡行きたいし。朝、立川をバスで出て駒ヶ根へ。途中休憩した諏訪PAも良い景色だった(諏訪PAは初めてでした)。駒ヶ根ICで下車して徒歩15分程で光前寺庭園。





庭園も良かったけど、お寺の雰囲気が無茶苦茶良かった。廃仏毀釈に遭ったという厳かさも残されつつ、この辺の…信州の高原の空気も気持ち良いし、人が少ない分、山の音や雪解け水の流れる音がすごく聞こえて…。本堂の彫刻もかっこよいし、お寺全体のパワースポット感がすごかった。僕は庭園はすごい見ているけど、割とお寺の本堂とかはちょいちょいっと済ませちゃったりする。だけど光前寺はそうじゃなく思わず見て回ってしまった。あと名前が良いよね、光前寺って。
oniwa.garden
ところで、このお寺に飼われてた犬が、遠州府中…磐田市の見付神社を救った的なエピソードがあるみたいで(だいぶはしょった説明。詳しくはこれを)。他にもジュビロユニの人がいたり、なぜか遠鉄観光バスがあったり、ははー磐田と信州にはそんな話があるんすねえ。

駒ヶ根高原美術館

光前寺のすぐ隣にある美術館。常設展の中に大竹伸朗さんの名前があったので入館したんだけど、良い美術館だった。穂高碌山美術館とかもそうだったけど、こういう美術館は落ち着いて作品を見られる感じがする。ちょうど「前沢知子展“私と(私)がつながっていく”」という企画展も開催中で、上の写真はそれ。

ちなみにこの美術館に寄ったが為に、「駒ヶ根駅へ戻って駅周辺の商店街を歩いて、電車で松本へ」というルートではなく、もう一度駒ヶ根ICに戻ってバスで松本へ向かうことになった。けど電車(飯田線中央本線)だと2時間近く掛かるけど、バスだと50分だからなあ…(松本のバス停から駅までが遠いけど)、どんだけ飯田線はゆっくりなんだよという(笑)

松本市内を自転車で走る。草間彌生「幻の華」@松本市美術館松本城など






松本市内の観光は4年前に割とちゃんとしたことがあるので、元々今回もそんなちゃんと観光しようという気持ちは無かった。けどまあ、試合前の短い時間だったけど松本市内もチャリで走ってみた。もちろん松本市美術館草間彌生「幻の華」は見に。常設展も前見た時と作品入れ替わってたぽいから見ればよかった…。あとその近くのまつもと市民芸術館伊東豊雄さん建築。前回観光した時はまだあんまりそういうのに興味が無かったのか、写真撮ってなかった…。そんな風に街めぐりの趣味が変わっているのもあり、なんか駅から遠い方に歓楽街があるんだなあと思ったり。

草間彌生「幻の華」@ 松本市美術館

上諏訪の「千人風呂」片倉館


上諏訪3月にもちょっと歩いているので町歩きは殆どせず。その時に休館日で行けなかった「千人風呂」片倉館へ。国重要文化財のお風呂で、600円を払って入場。「広そう」ってだけで勝手に酸ヶ湯温泉みたいなの想像してたけど、なんというかまあ、テルマエロマエ…みたいな感じのお風呂だった。僕以外にもジュビロのタオマフをタオルがわりにしてた人居た(笑)元々僕が温泉に行くようになったきっかけは3年前に上諏訪に泊まったあたりからでもあるんですが、今回は宿も温泉宿だったし、上諏訪温泉好きだわーって思う。次また松本アウェーへ来ることがあれば、その時もまた諏訪の温泉宿が良い!

茅野の藤森照信作品。神長官守矢史料館、空飛ぶ泥舟、高過庵

神長官守矢史料館

茅野駅で降りたのは3年前に藤森照信さんの「空飛ぶ泥舟」が茅野駅前で展示されていた時に見に来て以来。この時。今回はそれ以外の藤森作品である神長官守矢史料館、高過庵も見れたらいいなあと思い、駅近くでレンタサイクルして、駅から3kmほどの神長官守矢史料館へ。この神長官守矢史料館は藤森先生にとって最初の建築(ちなみに正月に見た浜北の「はま松ハウス」は比較的最新の部類に入る建築です)。美術館やギャラリーではないのでアートとはまたちょっと違うけど…中で展示されていた剥製や歴史的な史料は面白かった。ちなみに史料館の人が色々教えてくれて、高過庵と空飛ぶ泥舟のある場所は藤森家の畑であるとか、実家はあれだよとか、守矢家との繋がりとか。へえー。

あとこの方の「ひょんきんな人だもんで」という一言に、この辺の人の方言はほんと遠州弁とおんなじだなあといちいち嬉しくなったり(笑)駒ヶ根でバスを待つ間に行った喫茶店でも後から入ってきた人が「ランチまだやってるけ?」って入ってきて、ああやっぱ遠州弁に近い!と思ったりして。なんかねー、ゆってもアウェーだし決して近くないのに、妙にすごく親近感を覚えるアウェーだったんだよなあ。ま、方言もそうだけど、空気感や自然というか…地元の友人が数年前に南信州出身の彼女が出来てから(現奥さん)、すごく信州にハマっていて現在継続中なんだけど、なーんかわかるなーと思った。という余談です。

空飛ぶ泥舟、高過庵

史料館の裏の畑をうねうねと進むと、おもむろに空飛ぶ泥舟と高過庵が姿を現す。空飛ぶ泥舟は昨年のあいちトリエンナーレでも見てるから3回目なんですが、景色が違うとまた見え方が違って。ほんと好きだなあ。大体名前がいいよね、空飛ぶ泥舟って。

それ以外の茅野の町並み。茅野市民館や諏訪大社など

神長官守矢史料館の近くに諏訪大社の前宮があって、せっかくだからと思ってそれを見たので、更にせっかくだから本宮まで行ったり。茅野は古い蔵が結構残っていたりして、やっぱ自転車で走っていて面白かった。あと改めて茅野市民館は素敵な建物だなあと思った。ここでランチしてから帰ろうと思っていたら、夕方から貸切のためって早くに閉まっちゃってたのが残念だったけど…。





茅野市民館


諏訪大社前宮~本宮


この日は夜東京で用事があったので、ちょっと早いけど15時過ぎには茅野を出てスーパーあずさで帰京。立川まで2時間程度。途中、反対側の列車がシカと衝突したとかで20分程停車。僕は今となってはだいぶ色んな地方のローカル線に乗っている方だと思うんだけど、シカと衝突したあおりを食らったのは実は初めて…本当にあるんだねー。そんな初めての信州アウェーでした。次は木曽の町並み観光がしたいので(夏なら美ヶ原高原美術館も!)、来年も山雅とやりたい!それがJ1であることを願って。