ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

山陰旅行④。皆生温泉・東光園〜足立美術館〜米子・深田氏庭園と米子の町並み〜倉吉打吹玉川白壁土蔵群の町並み

皆生温泉・東光園

その3・江津〜温泉津編はこちら。この夏の旅、3泊目は鳥取県米子市皆生温泉。この東光園は菊竹清訓設計のホテルであり、伊東豊雄さんが「生涯の中で最もインパクトのあった建築」という建物。メタボリズムの展示とかで見たことあったなあ――と覚えていたんだけど、宿泊予約サイトで安い宿を検索していたらここに安く泊まれるプランが引っ掛かったので松江ではなく皆生温泉泊を選んだのでした。

大きな池泉庭園が広がり(客室のお風呂からも観れる!)、その先には日本海。建物やこのロケーションが楽しめて温泉があるだけでもう100点なのに、「余ってた部屋を当日安く提供された」には申し訳なるほど、今まで泊まった旅館・ホテルの中で一番広い客室で、各種おもてなしが行き届いていた……いやー申し訳ない!あんな温泉宿普通に泊まったら4桁で収まるはずがない。温泉津の後の皆生温泉は、塩の匂いがするいかにも海沿いの温泉という感じでした。
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そして一日一便ある(※2016年8月現在)皆生温泉足立美術館行きのバスに乗る。


足立美術館

4年半ぶり2回目の訪問。日本庭園ランキング不動の1位、日本で最も有名で素晴らしい庭園と言っても過言ではないお庭。作庭は中根金作。…相変わらず素晴らしいのは間違いないけど、4年前と比べても観光客がとにかく多くて騒がしくて、落ち着いて見られたもんじゃないなー…まあ僕も写真沢山撮ってるけど。






なので、この庭園の素晴らしさは変わりがないけど、「写真を撮る」「美に触れる」以上に、静かな中でお庭見ながら何かを感じたい場合――または無になりたい場合は、他に行くべき庭園がある――それが今回ここまでに見た山陰の雪舟庭園だったし、翌日鳥取で見た観音院庭園も誰も来ない中で一人でボーッとして見ていられたので――僕が今回この旅で欲しかったのはこの時間なんだなあ、とそこで思いました。

あと定期的に書くと、この「世界で最も有名な日本庭園」足立美術館庭園を作庭した中根金作さんは磐田市出身の方。オリンピックでなくても磐田市出身の人が作られたものが世界から愛されているのです。
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米子・深田氏庭園


米子に戻って目的の電車まで少し時間があったのでレンタサイクルして深田氏庭園へ。国指定名勝。前の日に見た小川邸のように深田氏もこの地の昔からの豪族で、庭園は鎌倉時代の作庭。重森三玲により発掘されたお庭で、同じく鎌倉後期に作られた京都の南禅院庭園と類似性があるとのこと。今はお庭の背後は林だけど昔は借景に大山が見えたのだとか――それは素敵だっただろうなあ。
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米子公会堂

米子市公会堂。村野藤吾建築。…ということで見に行ったけど気になるのは集まっている(見覚えのある色を身につけた)人たち(笑)ももクロのメンバーによるイベントがちょうどあったみたい。丁度米子で――ってなかなかの確率。だからこの日の鳥取県の宿が壊滅的だったんだろうか?

米子の町並み





米子の町並み。米子へ来るのは2年半ぶり(前回も深田氏庭園へ行った)で3度目だったけど、今まで2回は本当に駅周辺しか歩けなかった。米子のかつての中心地は少し離れているとのことだったので、レンタサイクルで戻る時に通ってみた。あと駅近くにも登録有形文化財の建築「米子専門大店」がある。

名探偵コナン列車で米子→倉吉




そして米子から倉吉に移動。とっとりライナー速い。途中コナンの町で人が降りていくのはわかる…しかし倉吉も「ひなビタ」というアニメの舞台になっているようで、古い町並みの色んなところにキャラクターの立て看板があった。この米子〜鳥取間の列車に乗るのは4年前に初めて山陰に来た時以来だったけど、倉吉で下車するのは初めてです。倉吉の旧市街は倉吉駅から5km近く離れている。駅から離れている街の中心地って各地にあるけど(たとえば名古屋の栄や福岡の天神や新潟の古町や)、でも倉吉はかなり離れている部類。勿論レンタサイクルしたけど、走ってて距離があるなーとは実感する。

倉吉打吹玉川白壁土蔵群の町並み

打吹玉川白壁土蔵群の町並み。重要伝統的建造物群保存地区。古い町並みに興味を持ち始めてからいつかは行きたいと思っていた町並みでした。素晴らしかった。








倉吉の重伝建地区以外の古い町並み

先の白壁土蔵群の町並み以外にも、旧市街は街道沿いに古い商店街が形成されていて、細い小路含め何度も行き来した。廃デパートも哀愁を誘う。昔はこの街のこの辺が栄えていたんだろうなあ…けどモータリゼーションで人が離れて行ってしまったんだな…というのをその姿が物語っている。









倉吉新地遊郭


旧市街の奥というか外れにあるのが、倉吉新地遊郭跡。今では普通の住宅街だけど大きな妓楼跡がまだ複数存在している。デカイ。隣接するJAの広場で夏祭りが行われてて、地元の子がコピーしていたKANA-BOON“ないものねだり”が聞こえていた。

倉吉パークスクエア

古い町並みが残る倉吉の現代建築・倉吉パークスクエア。設計はシーザー・ペリ。隣接する鳥取二十世紀梨記念館、通称なしっこ館は意外と欧米人の方もちらほら(倉吉は町並み含め、観光客はまあまあ居た)。梨の記念館って夢ある。梨のアイスクリームも美味しかった。Nasicco。

山陰旅行⑤・鳥取編に続く