ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

Beezewax / Gallow / etc... @ 下北沢SHELTER

今日はノルウェーの雄、スールシャール…ではなくBeezewaxのライブへ行って来ました(とか書いてたらなんか丁度前日スールシャールが得点決めてたらしいよ)。「ノルウェーゲット・アップ・キッズ」と言われたのも今や昔。ギターロック/ポップ〜オルタナシーンの重要バンドである…と信じつつもなんか全然一般的にはそうなる気配がなく、最新作の日本リリースも本国リリースから1年経った後のリリースだったりして。その最新作、"Who To Salute"が7月にしてようやく今年僕が初めて「今年リリースの新譜」を買った盤であり、同じ日に買ったSwedenのRadio Dept.以降、やっぱり新譜買ってないんだよねえ。

Beezewaxを知ったのは4年前の2002年の初夏、HMV新宿で試聴して。当時は国立でサッカー見た後HMV新宿店で試聴して帰る、と言うのがコースだったんだけれど、「お金無いしなあ。」って言ってCDは買ってなかったんだよね。Beezewaxはその当時一番試聴で気になったけれど買えなかったバンドの1つだった。もう何度も試聴してた(笑)(なんか、僕は15の頃から今でもずっと「お金無い」って言っている気がするな。「もう、その言葉言わない方がいいよ。」って会社の人に言われているんだけれど(笑)んー、2年前ぐらいはそうでもなかったか。)

その後ネットで試聴出来る音源を色々落としたりして、プレイヤーで聴いたりしていたんだけれど…そういう一番悪かった時期に聴いていたBeezewaxが02年にリリースされた前作"Oh, Tahoe"時の来日公演から4年ぶりの来日。そういう当時の状況もあって、今は平日こうして仕事帰りにこのバンドのライブを見に行ったりするだなんて、…どうにか生きてみるもんだな、って(笑)本当になんか普通にそう思った。しかもこの日サマソニのスタッフ打上げがあったらしくてですね。それを知ったのが当日昼だったのでそれも行けなくて残念だったんだけど…4年かぁ。色々変わったようで、変わっていなかったり、でも年を取ったね。

仕事は19時にもう終わらせて、でも日曜から体調が悪くてこの日もまだだるかったので、ゆったり寄り道などをしてシェルターへ。最初対バン決まってたのは1組だったんだけれど、Gallowの出演が決まり、Opening ActとしてTotosの出演が決まり。Beezewax前に3組も出ることになったので、ゆっくり行っても大丈夫だろうなって。それにしてもこの日はSOLD OUT。今回シェルターは初めてで思ったより狭かったなとは思ったんだけれど、それでもSOLD OUTしたのはGallow効果かな。因みにこの日はQUEではカスタネッツがやってた。そっちもいい。

20時半に到着。ちょっと思ったより遅くなったかな、もうGallowも終わり頃かな?と思ってたら全然まだ2番手のSkybeaverが終わったところ。待ち時間があってGallow。周りからヒダカヒダカと聴こえてくるので、やっぱりGallow目当ての人が多いのかな、と。Gallowビークルのメンバーを擁していると知ったのはでもまだ僕はかなり最近で、今年のRIJFの本を読んで。でもサマソニ等でのビークルの人気っぷりを見た後だったから…別ユニットとは言っても、効果が大き過ぎるよ!って思ってたら本当にその通りだった。後日あって先に書き終えたライブのミスチルじゃないが、でもやっぱこんな近くでヒダカを見られるのもあまり無いのかもね。

Gallowはヒダカがサイドで、中央にカトウタロウ。でもなんか格好がビークルの時とは全然違う感じ。音も超ギタポ、ネオアコって感じで…なんで今更こんな音やってるんだろ(笑)ぺセラケセラインってこういう音だったよね。モテないはずのビークルの音が何故かモテ始めてしまったから、逆に原点回帰したと言うことなのかなんなのか。7曲ぐらい、40分ぐらいやってたと思う。

Beat Crusaders始めた頃に、普通にゼペット・ストアをQueにチケット買って見に行きながら、シェルターに出てたんだよね」なんて話したりしてた。Gallow終わって出る人も結構居たけど(笑)、まぁ逆にそれでよかったかなあ。Gallowの後は前から人が減った感じがしたので、(それまではスペースの無い感じで後ろの方に居たので)、逆に前の奥の隅の方へ。待ち時間があって、21時半頃からBeezewax開始。スピーカーの真ん前。以下曖昧なセットリスト。

The Cosmonaut
When You Stood Up
I'm Not Where I'm Supposed To Be
She'd Be A Damond
So Young Still
In The Stands
Sign Of Relief
Your New Town
The Brighton Concorde
Paint'Til You Die
Big Bad Car
...And It's All About You
Shinjuko Park
The Snooze Is On
Dead End Kids
Play It Safe
Let The Future Be A Stranger
あとはBeezewaxが最初に書いた曲という曲を披露。全18曲?

やっぱ北欧の人は背が高い。メンバーの顔は実はボーカルしか知らなかったんですが、ベースとドラムが思ったよりも男前で、しかも背が高いわリーチ長いわで演奏に物凄い迫力があった。指弾きかっこよすぎ、コーラスの声もきれい。ひっさびさに「このベーシスト最高だよ」ってベーシストを見た気がします(なのに日本で全然知られていないバンドだと言う…)。あんな指長いと楽だろうなあー。

リズム隊に本当に迫力があって、ボーカルは勿論僕の大好きなあのウィスパーボイス、ギターの人はKeyも扱っていて。演奏も上手くて、さすが来日するだけのバンドはレベルが違った。このバンドを3,000円で見れるなんて、絶対安い!序盤は新譜から曲が続いたと思ったら、過去の作品から曲もどんどん披露。"She'd Be A Diamond"とか"In The Stands"とか、本当にかっこよかった。最高。

しっかし序盤は客の反応が悪くてねえ。こう、ビークル好きでヒダカ目当てで来ました、って女子の反応が悪いのなんの。腕組んでなんだよ、音楽通のつもりかよ、みたいな。なんか攻撃的な言葉を思ってた(笑)もうほんと福西が誰にも見えない肘打ちかましてそのメガネ割らんものか、とか(笑)

でもね、Beezewaxファンの多さってこんなものなのかなあ、って。多分この3年で日本で5番目ぐらいに僕はBeezewax聴いているのかもなあ、なんて。すごいのかそうじゃないのかわからない(笑)本当に良いバンドだと思うし、気合の入ったパフォーマンスを見せてくれていたんだけれど、距離が近いから反応が悪かったのは感じていたのか、「Very Quiet?」みたいな感じでギターの人が言ってた。

でも徐々にキッズが後ろから前に出てきて、それがまたすごいテンションで(笑)終盤へ行くにつれて、どんどんお客さんもバンドもテンションが上がっていったかなって思います。"And It's All About You"は、ライブ中カメラで写真を撮っていたスタッフの女性の人(丁度隣に居た)に捧げます、的なことを言って、その隣の人が「もう何言ってんの」みたいなことを言ってた。サビが「My Best Friends〜♪」みたいな曲なので。なんか、こんな良いバンド呼んでくれてありがとうって言いたい。

15曲ぐらいやって、アンコールで3曲ぐらいやったと思うんだけれど…"Play It Safe"の前に、とにかくそれまでどんどん前に身を乗り出して、お客さんにギター触らせたりはしてたんだけど、なんかマイクスタンドをフロアへ降ろそう、降ろそうとしてて。結局マイクスタンドを下に降ろして、フロアの真ん中で1曲歌った。いやー、曽我部恵一を静岡SUNASHで見た時のことを思い出したなぁ。距離的にも規模的にも。しかもフロアで寝転がって弾いたりしててね。熱演。

後日のミスチルのライブで「ファンが歌うとき声大き過ぎ」的なことを書いているんだけれど、思えばこの日の"Play It Safe"はね、歌ってた(笑)「イエー!」って言うシーンとか声振り絞ってイエーって言ったもんなー。もうこんな距離が近いと、声出しちゃうよね(笑)はるばるノルウェーからこんなライブハウスへ来て、これだけの素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたBeezewaxに、もう本当に最高だったって。伝えたいなあって思ったし。長いようで短い1時間半でした。

また来てほしいなー。次は何歳年を取った後だろう…。一番好きな"All The Overseas"とか"Dying To Hit That Note"とか、あとは勢いのある"That's Not Here"とか、新しいアルバムだったら"Oh My Turns"とかも聞きたかったかな。でも、本当に良いライブだったので…本当に行ってよかったと思います。ここ最近見た中でも演奏に安定感と迫力のあるバンドだったと思うし、曲や声も勿論良いんだけれど、なんでこのバンドが評価されないのか本当に不思議。やっぱり、良いレーベルに運良く引っ掛かるかなのかな(笑)

Death Cab For CutieCopelandは比較的近いバンドだとは思うんだけれど、この辺のシーンが現在さほどメジャーではないのはあるにしても、ノルウェーってのがやはり弱いのか。良くも悪くも運も実力のうちで、でも人間の心理的に、誰かが選んだもののほうが「良いもの」って刷り込まれるものだと思うんだよね。僕が幾らどんなに「良い」って言ったところで、いざ聴いたらきっと「別に○○の方がいいじゃん」って思われる気がするんだけれど、それがもし仮にメジャーなバンドだったりしたら「いや、でもそれは違う」って言いたい感じ。

音楽音楽だとか言うけれど、でも音楽の半分以上の要素はやはり「情報」だと思う。僕も周りが音楽を聴き始めていたから聴き始めた人間だけれども。以前…昨年ぐらいかな、「邦楽のインディーバンドは自分の足で探そうと思えば探せるから逆に信用出来ると思うんだけど、洋楽のバンドは大抵誰かに選ばれて、誰かが情報を発信して、そうして知る率が高いでしょう?だから信用出来ない」みたいなことを書いた気がするんだけれど、今もそういう気持ちは変わってないなぁ。

別にそういう音楽が悪いんじゃなくて、情報メインのリスナーに届かないのが結局悔しいな。情報が小さければ、所詮そこまでってなっちゃうものだしさ。それはきっと人の心理として。音楽にまつわる情報は本当にありふれて居るけれど、でも所詮CDだって情報じゃないか。ゴミみたいなレンタル落ちのCD一杯持ってるし、300円の輸入盤を買い漁ったりするけれど(笑)でも、その中で外れだと思ったのがたまにメジャーのレーベルに拾われてたりするんだよね。わかんないものだなぁと思うし、でもそれぐらい音楽ってフラットなものだと思うんだ。

このサイトでも殆どCDの感想は書いていないと思うけれど、僕にとって多分CDはカードダスとかガシャポンとかプロ野球チップスとか…そういうのを集めていた子供の頃の延長線上なんだろうね。男子にありがちなコレクター気質ではあると思うんだけど。そういう感覚であって…だから好きなアーティスト自体よりも、試聴もせずにジャケ買いやレーベル買いが一時期多かったし。

アーティスト自体も、日本人の場合は基本的に「こいつ良いこと言ってるな」ぐらいの感覚だからね。なんかそこまで深いものではなくて。僕の生活の中で「サッカーを見に行く」というのがコアな部分で、足を運ぶ時に…ガムやお菓子のように携帯に必要なものなんじゃないかな。または色鉛筆や絵の具のような、僕の白黒の生活に色を塗るような、または服のような「気分」によったもの。

野外フェスにハマったのも、音楽が好きってのが先行してたんではなく、元々スタジアムの環境が好きで、野外フェス行ってみたらそこにも空があって緑があって…生/LIVEの環境で、イベントだっていう。みたいな感覚が最初だったからね。だから今もライブの話は…書かないと記憶からいつか忘れちゃいそうなことだから記してるんだけれども、CDは売らなければなくならないからね。音がデータになっている以上、CD-RもCD-DAも(そりゃ音質・品質は違うけど)作品としては同じだと思ってる。CDという作品より、楽曲と言う作品が重要だと僕は思ってる。

ただそもそも結局のところ、「ロックはこうあるべきだ。音楽はこれがよくてあれがああだ。」っていう話に疲れちゃって。しかもそういうこと話すリスナーはリスナー自身でプライドがあって。それが嫌になって、音楽好きに対してアンチテーゼな姿勢で居た事もあったし、そういうのがあったから時代に逆行して渋谷系ネオアコギターポップ聴いてたんだけどさ(笑)好きな音楽の為に海外へ、っていうのはかなり高い確率でないと思うんだけど、ジュビロが欧州の強豪チームでやるって言ったら幾ら掛かるものかってかなり計算しまくると思うな。

なんか支離滅裂な文章を書いているんだけれど、そうして現行のシーンから外れた頃に出会ったのがこの日見たBeezewaxであって…決して古い音をやっているわけじゃいのだから、やっぱもっと評価されて欲しいな。本当に良いバンドだと思いますよ。Phoenixを帰りに聴いてて、僕がPhoenix好きもBeezewaxも好き、って言うのは多分通じるものがこの両バンドにはきっとあるのだと思うし、Phoenixサマソニであんなに大人気だったからね。Beezewaxももっと日本の多くのファンに聴いてもらえるようになればなって願って、クアトロとかでやれるようになってほしいなぁ、って思いながらこの日は帰宅。雨は上がっていた、そんな日でした。

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