ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

音楽と人の上

ちょっと前に「なんで音楽好きは人を見下すの?」みたいなことをつらつらと書いているけれど、どうもそれがここ数日自分の中に引っ掛かっている(タイトルはなんとなく“人の上に人を造らず、人の下に人を造らず”的みたいなイメージ)。なので引き続きちょっとそれについてぐだぐだ書いてみます。なんで自分の中に“信者”という言葉を見下して言うニュアンスに反発心があるかと言うと…たぶん、自分の中でなんとなく、その対象にミスチルも入ってくるというイメージがあって。

5年後はともかく10年後には「地元・静岡に帰って、音楽業界なんてものは雲の上の普通の生活をして。でも、その頃もミスチルが好きで。1年に1回、いや、数年に1回のつま恋でのミスチルのコンサートを楽しみに暮らしている」自分が居ることが想像出来なくない。別にそれは全然ネガティヴなニュアンスじゃなく、普通で子供が居て幸せな家庭を築いていて――みたいな想像の上ね(笑)相変わらずミスチルが好きで、"I'll be"の歌い出しで鳥肌が立って…みたいなね。でも、そっちの方が大多数だと思うの。それは僕がここ3年のap bank fesで目にしてきたもの。

まあ勿論10年後も東京に居るかもしれないし、今より思った以上にすごいことになっているかもしれない。いや、5年も10年も迎えずに居なくなっているかもしれない。そんなのは分かんないけど。でもやっぱ僕はマインドが地方の人なんだよね、きっと。ap bank fesでも、Rock On The Rockでも、フジロックでも、RIJFでも、色んな年代の色んな笑顔を見てきているはず。それが桑田圭祐だったらくだらないもので、それがレッチリメタリカやスペアザやbonobosだったら素敵だなんて、そんなことは全く無いでしょう(ちなみに全部、2006年に見たアーティスト)。

チケット代が高くて高品質である洋楽なら“痛い信者じゃない”のか?距離が近ければ、東京で沢山見られれば“痛い信者じゃない”のか?かっこいいバンドなら、“痛い信者じゃない”のか?そんなの、関係無いでしょう。痛いかどうかは置いておくとして(だってそれは人それぞれだもの。洋楽聴いている熱烈な音楽ファンや、インディーのバンド見る為に小さなライヴハウスに通っちゃうようなファンを“痛い信者”と思う人だって、一杯居るでしょう。)、大きかれ小さかれ、どんなアーティストにも信者は居るだろう。じゃなきゃこんなにCDなんて売れないよ。…DOESのシングルがオリコン3位だったのはビックリしたけど(笑)なんだ、まだCD売れんじゃん。と思わせられました…。(マジで、なんでそんなに売れてるの?)

洋楽のライヴにしろ、ライヴに沢山通うにしろ、共通してるのは“お金が掛かってる”ということだけど、お金を沢山貢げば偉いってもんでもない。そんなものでリスナーとしての上下が決まるのなら、地方の中高生なんて音楽聴いちゃいけなくなる。地方でさ、何年かに一度のドーム・ツアーとか待っている音楽ファンに差があるかって、そんなこと絶対無いよ。バンドや音楽に対する熱意なんてそう変わらない。アーティストの近くに居ることが偉いだなんて、そんなこと無いはず。(まあ、地方にも地方妻って人種が居るということは植えつけられてきたけど(笑))

やっぱ自分は地方の高校生でライヴも多く行けなかったわけだけど(でも、行ってた方だと思う。)、今東京に来ていてライヴに沢山行ける、小さなライヴハウスとか行けばアーティストを近くで見れる立場だからって、あの頃の自分を見下すような存在かって言うと、全く、1mmもそんなこと思わない。むしろ、あの頃の方が絶対音楽に対する情熱もあったし、音楽を信じていたよな。神なんてものは信じちゃいないし、人だって信じられない時期もあったけど、でもその頃だって音楽は多分信じていたはず。音楽と、曲に込められた言葉は。信じることの何が悪いのか?

"名もなき詩"を客席で全力で歌うのと、"Don't Look Back In Anger"を全力で歌うので、痛さに差があるのか?"夏色"と"No One Else"を全力で歌うのとで、痛さに差があるか?"ジターバグ"と"Creep"を全力で歌うのとで痛さに差があるのか?"WINTERLONG"、"Banquet"、"パープルムカデ"、"マイ・シャローナ"を全力で歌うのとで差があるか?無いと思うよ。…いざ見たら、どっちが痛いと思うか…、場合によって無くは無いと思うけどさ(笑)うーん、でも僕はなんか元々ライヴ見てそう思うことって全然無いからなあ。人が“痛い”って言うバンド…エルレも、ビークルも、アート・スクールも、アジカンバンプもホルモンもダチャンボも、ついでにこの間のPerfumeだって、どれも「良いなあ」って思って見ちゃってるからなぁ。

ロキノンで山崎さんか兵庫さんかどっちか忘れたけど、「ロックは、ティーンエイジャーのものだ。」とかそんなことをちょっと前に書いていて。その一言に対しては、「そうだなあ」とも「そうかなあ」とも思うことはあるんだけど、…でも今回人から他の音楽ファンを見下すニュアンスの言葉を聞いて…「東京で洋楽やインディーのロックを聴いているのが偉いのかよ、バンドと近い位置に居るのがそんなに偉いのかよ」って考えた時に…音楽、ロックってもっと純粋に良いものじゃん、って思って。絶対、RIJFやエゾやフジやサマソニに行きたいのに行けない地方の中高生とか山ほど居るわけじゃん。たぶん自分が今高校生だったらきっとそうだよ。

本気でさ、それ行きたくて(東京行きたくて)受験勉強するわけでさ。まあ僕はしなかったけど(笑)友達はそうだったと思うもの。いや、フェスじゃなくても、B'zやミスチルコブクロのコンサートへ行けたくても行けないとか、中高生の頃はあるでしょ。なんかさ、ちょっと音楽知ったからってそんな憧れすら軽々しく見下している大人が居るなんて、悲しくなってくる。初心忘れるべからずというか…そんな不純に音楽聴いている人を相手にするより、純粋に初期衝動を求めているティーンを相手にしたいと思う気持ちはわかるなあ。少なくとも、他人の音楽の趣味を見下す為に音楽は聴きたくないし、音楽の知識を積み上げたいとは思わないね。

しかもタチが悪いのは結局その“上から目線”的なものって、ネットの大衆性によって育てられたものだったりするから嫌なんだよなあ。僕もネットを通って人格形成されているから人のこと全然言えないけど…でもさ、「地方の音楽ファン」にも届くからインターネットが面白いんじゃないか!でも多分ネットが無くて、他人がそう思っているかわからないことだったら、そういうこと言えている人ってグッと減ると思うんだよ。結局“他人がそう言っているから自分もそう思い込んでそう言っている”のがすっごく嫌だなあと思った。集団意識が嫌ってのはまぁサッカーでもなんでも僕は言っていることだけれど。鵜呑みにするな、それが本当に信じられるか?って…あれ、信じる云々言っておいて「疑え」になっちゃったけど(笑)

でも言っとくけどこれは逆にも言えるっていうかさ、たとえばマイナーなバンドが弱い立場であれば(要は僕の高校生時代ですよ)、別にB'zやGLAYラルク黒夢みたいな有名バンドじゃなくたって、ミッシェルだって、トライセラだって、GRAPEVINEだって、バンプだって、POTSHOTだってBRAHMANだってかっこいい!って主張するわけです。Shortcut Miffy!だってそう。で、確かにそれらのバンドは最初は不遇だったけれど、立場が逆転したからって…強気には出ないと言うか。だってそれしたらさ、同じじゃん。やっぱ自分がされて嫌だったことはしたくないもの。

でも、今この年になっても、初めてCDを買ったアーティストのライヴへ行って楽しいと思えるのって、すごくダブルスタンダードとしても重要でもあったり…「見る目は間違っていなかった」というか、やっぱ後悔するような選択はしないできている、ということだよ(笑)それは流されず、自分で見たものを、疑って、信じて。来ているから。僕にとって、他の音楽ファンを訳なく見下す感覚は、すっごく不条理なものだと思ったから。逆に僕はそれを全力で見下すまでだ(って、結局“目には目を”なのね(笑))。“気が狂いそうで泣き出した僕がまともなんだよ”だって感覚を僕は信じるまで。“時代が望んだヒーロー、目の前で倒してよ”って。

…そうやって僕は無駄に世界を敵に回して生きていくのかな(笑)ほんとね、こんな感覚のままじゃ5年後どころか2年以内…高校生の頃に思っていた通り、27の頃にノイローゼになって死んだりしてもおかしくないのかな、とか思ってしまう(笑)だってこんな性格で何が救われたかって、何が報われたかって、別に無いもんなあ。…それでも、それが多数派だろうが、違うと思うもの…本当と思えないものには違うって思うしさ。本当はすっごく平和に生きたいけどさ。「世の中の皆が死ねば世界は平和になるのに」じゃなく、本当に早く平和な性格になりたいと思う…。でも、僕みたく違う色を好む人間が求められないのも分かっているから、やっぱりいつでもまた新しい居場所を探す覚悟ってのが、常にあるのも、ずっと変わらないこと。

世界的なバンドの人のインタビューだってした。でも僕が特別な人間なわけではない。確かにそこに居たのが僕でなかったら流れていたかもしれない。となると“僕だったから”のことかもしれない。でも、別に僕は特別じゃない。代わりなんて幾らでも居る。いつだって地元へ帰られる決断は出来るだろうし、そうして音楽とは何の関係の無い仕事をする。元々そうだったわけだから何も想像出来ないことじゃない。半年後にそうなっていることなんて、全く有り得ない話じゃない。変化がある時はそんなもの。そして、地元でたまにあるコンサートを、頑張ってチケットをとって見に行く。アーティストなんて遠く遠くの存在だ。取材だなんて言うメディアの方たちだって遠くの存在だ。でもそうであっても、僕は音楽を大好きだし、音楽を信じているし、僕のこの目で見る、オーディエンスの笑顔や、僕のこの耳で聴く、オーディエンスの歌声を、僕は信じる。きっとそれはウソじゃないし、それに上下なんてものはない。

まあ今年のap bank fesでは、"ストレンジカメレオン"で第一波が来て(実は、ピロウズのはまだ生では聴いたことない気が)、"ゆりかごのある丘から"で第二波が来る予定ですよ。…さすがに"ゆりかご"はやんないか(笑)そんな、痛いミスチルピロウズ信者の僕です。ちなみに今自分のMP3プレイヤーに入っている痛そうな曲は、SOPHIAの"ビューティフル"かな。“ロックは詳しいぜ”ってとこで…最後にそれ以外の話。EURO2008。決勝見るべく、前日21時に起きるという生活リズムだったもの(どんな生活リズムだ)後半で寝ました。前回は色んな試合見たのになあ。当時もう社会人だったのに。若かったのか…。U-23代表候補発表。カレンも上田も外れた…。そういえば水野も選ばれていない。にしても、本当にこれで戦える…?まあ期待していないっちゃしていないんだけれど、…結局固まらなかったなぁって。