ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

ぼくらが旅に出る理由は大体百個ぐらいあって【福井〜一乗谷・朝倉氏遺跡〜敦賀〜長浜〜浜松〜静岡〜吉祥寺編】








北陸旅行3日目。福井に泊まったのは前日の理由の通り「もう少し北陸に居よう」「風呂が良くて高くない宿があるところ」というのが主な理由でもあるけど、もう一つが「長浜よりも手前であること」だった。よって3日目の一番の目的は福井よりは長浜。まず朝早く8時半にチェックアウト。福井城跡を眺めつつ、名勝の養浩館庭園の入り口を外から眺める。この庭園は庭園の人気ランキング3位とか外国人が選ぶ庭園ランキング1位とか(どこで行われてるんだそんなの)、なんかすごく良さそうだったので是非行きたかったんだけど…この日の一つ目の目的地に向かう為の電車が9時08分発だったので(庭園は9時開場)、外から眺めるしか無いのでした。でも後でどっかで知ったんだけど、昨日の夜20時半までライトアップして無料開放していたみたいなんだよね。それを先に知っていれば来たのに…。悔しい。是非また来たいと思う。前日の日記の続きだけど、三名園に劣らない素敵な庭園はあると思うんですよね。特に昨年行った九州での水前寺成趣園仙巌園は良かったなぁ。

9時08分に九頭竜湖線という名前がやたらかっこいいJRのローカル線に乗る。この路線の終点の先に九頭竜湖という湖がある。そういう伝説があったんだろうか。福井から約15分、一乗谷駅で下車。無人駅。車内には鉄ちゃんっぽい人が結構居たんだけど、ここで降りたのは僕含め2人。この駅で降りた目的は“朝倉氏遺跡”。戦国時代の武将・朝倉義景の館跡です。前日にWiki福井県の名勝の一覧を眺めていて、そこの4つもの庭園が名勝として指定されていること、そして3月頭の甲府遠征でも書いた山城がここにあること、更に一乗谷に行く為のアクセスが…JRだと2、3時間に1本しかないレベルであること、その1本がこの時間の列車でそれに乗るには福井に泊まらないとほぼ不可能な気がすること、そして次福井に泊まる機会なんていつあるかわからないこと、そんな色々から行ってみようと決めたのでした(一応帰りの電車も1時間20分後、それ逃しても1時間後にあることを確認した上で)。直前に観光案内所で「雨降ってなければレンタサイクルがあるんですけどねー」と言われていて。元は歩くつもりだったけど、一乗谷に着く頃には晴れ間が見えていて…限られた時間での往復だったので自転車があってほんと助かった。

自転車で走る道ばたがもうずっと遺跡。すごいなー。そして復元町並は後回しにして朝倉氏遺跡から見る。誰も居ない。お金も取られない。雪が積もっていて普段の様子はわからない…けどこれはこれでまたなんか良いかなと思いながら。庭園と言っても完全に遺跡の一部。街中にあるような庭園と違って手入れもそんなにされていないんだろうけど、でも湯殿跡庭園も諏訪館跡庭園も良い感じだった。ある程度の道は雪かきされていて歩けたのだけど、山城への道は雪が積もったままだった。英林塚に登ったところで「熊出没注意」の立て札を見つけて、マジでびびって(笑)こんな人気の無いところで熊と遭遇なんかしたら…と思ってそそくさと退散。比較的高い位置にある南陽寺跡庭園は断念…。ここは武田神社と比べても圧倒的に人気の無いところなので、ほんとに山城までなんて行けるのか?と。でも資料館の人に聞いたら「今は雪が残っているから無理だけど4〜10月頃が見所」なのだそう。んー、興味をそそる。復元町並もそこそこに、駅方面へ戻って自転車を返す。

10時49分の上り電車で一乗谷を出る。越前花堂北陸本線へ乗換え、敦賀へ。これまでの北陸の旅は殆ど雪景色に出会わなかったけど(道端にあったりはしたけど)、一乗谷にかなりの雪が残っていたように福井の道中は結構な雪景色だった。敦賀に近付くにつれて白くなり、今庄でも一面の雪景色だったから「これ敦賀も雪景色なのかな」と思ったら、約10分間に及ぶトンネルを抜けたその先は――雪が一切無かった(笑)なんだよ期待したのにー。敦賀では約20分の待ち時間。敦賀気比の松原も名勝の一つ。駅から歩けそうだし時間があったら行ってみたかったな。まあ、時間なんて無い旅だけど(笑)駅弁の鯛寿司を買う。湖西線経由の新快速で敦賀を出る。近江塩津米原方面へ乗換え。ここでも約20分の待ち時間。近江塩津はそういう乗換えの基点駅みたいなのだけど――何にも無い駅だった。でも待合室に長浜観光の資料がいくつかあったのでそれを見ながら長浜での行動の計画を立てる。新快速に乗換えて、13時28分に2つ目の目的地・長浜着!













長浜へ来たいと思った理由はよく憶えていないけど、これも年始の休みでどこか行こうって考えた時に思い浮かんだ一つの候補。長浜では今年の大河ドラマ“江”に合わせて様々な展示を展開中だった。けど、それは全く影響してなくて来て初めて今の大河ドラマを知った(笑)そういえば福井駅でもそういうキャンペーンしていたなあ。長浜での目的もやっぱり名勝・庭園。そしてやっぱり駅でレンタサイクルをして、慶雲館と長浜城跡(博物館)、大通寺と回る。
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当初の予定では東京までの終電の一個前、15時には長浜を出ようかなとか考えていた。自転車があれば1時間半で回れるだろうと。でも思った以上にどの建物もどの展示も街並も面白く、結局東京までへの終電になる16時までの滞在になった。長浜城に居た人なつっこい猫に時間をかけるべきではなかった。長浜も新しさと古さが同居した良い街だと思った(裏路地とかも面白い!)。人が多いのも頷ける。街中は歩いただけで殆ど建物の中には入れず…(美術館含め)、他にも良い庭園があるみたいだしまた来たい。


長浜を16時に出て米原で乗換え。今回の旅でJRの色々な車体を見たので、JR東海の車体がなんかすごい懐かしい感じがする(笑)米原からは新快速・浜松行き。名古屋で下車しないのも不思議な感じだったけど、豊橋での乗換えも無くて楽。明るかった景色も暗くなって、19時23分に浜松に到着。「あー着いたー!」感もあったけど、今日はまだ途中。東京の家に着くにはまだ5時間掛かる。福井から考えてもまだ半分ぐらい!待ち時間のうちによく知る駅をわたわたと行動。何も知らない駅だと行動を取りづらいけど、浜松は安心。静岡に20時50分頃到着。ここで熱海行きに乗換え…のつもりが、「計画停電により運休」だという。なにー。東京への本当の最終・21時13分発の熱海行きも富士行きに変更になっている。同じ境遇の人も多いのか、色んな駅員さんが旅行客っぽいから質問を受けていた。「富士駅で東への電車に接続するのか?」。駅員さんも歯切れの悪い返事。「富士では接続するけど、熱海より東はわからない」っておい。迷ったけど、このまま東海道線で移動。

んで、富士駅でちゃんと熱海行きに接続し、ダイヤが乱れたけど熱海でも品川行きの最終に乗り換えられた。良かったー。あとは品川、新宿と乗換えて、0時58分に吉祥寺着。金曜夜に出てから73時間ぶり!今回辿った都道府県で言うと、東京、山梨、長野、新潟、富山、石川、福井、滋賀、岐阜、愛知、静岡、神奈川、東京…と、中部地方をまるごとぐるーっと回った旅になった。中でも北陸3県は足を踏み入れたのも初、滋賀も乗換以外で下車するのは初めてだったから色々良い体験になりました。今回初めて乗った路線は、大糸線北陸本線城端線九頭竜湖線。今後18きっぷがいつまで続くかわからない…というような記事を見掛けたりするので、あるうちにこういったローカル線に乗れてよかったと思う。今回の旅の2日目に18きっぷを使わなかったおかげで、18きっぷはあと一回余った。4月10日までにジュビロもチャリティーマッチやらんかな…。その際には今回を教訓に帰りの電車に気をつけなければ。これで、震災後の暗い気持ちが少しは晴れたかな。


「ぼくらが旅に出る理由は大体百個ぐらいあって」というタイトルは2年前に関西に旅行した時にとりあえず何かタイトル付けようと思って、小沢健二の曲名とくるりの歌詞を合わせてつけたものだったと思うのだけど、この2年間、アウェー遠征に味を占めて、それまでの僕の人生には無いぐらい色々なところへ行ってみて、ぼくが旅に出る理由は大体いくつぐらいまで達したんだろう?今後もサッカーやフェスを中心に、アートや庭園や18きっぷ…といった旅は続いていく…予定。そして最後に。この旅の一つの目的でもあったDCPRG。ライブの感想、菊地さんのリトクリに対するMCはかなり削ったつもりだったのに、本人が更に過激なことを書いている(笑)菊地さんらしいなあ。面白い。でもそういったこと含め、土曜日のDCPRGのパフォーマンスは「痛快だった」と言える気がします。東京で大きい音でライブが見られる日はあとどれだけ待ったら来るかな。そして、東北の会場で届く日はどれだけ待ったら来るかな。そう思いながら、とりあえず僕は細々と募金をしている。