ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

映画『クラシコ』を見ました @ 吉祥寺バウスシアター (たぶんネタバレあり)

先月『ソーシャル・ネットワーク』で十年以上ぶりに映画館で映画というものを見ました。その感想もこの日記の後半に貼るとして、勢いに乗って映画『クラシコ』を見て来ました。ともに現JFLであり長野県のクラブである、松本市松本山雅FC長野市長野パルセイロACによる“信州ダービー”を中心に描かれた、地域リーグ北信越リーグを追ったドキュメンタリー。音楽は長野県出身、そして今また在住しているんだったか、OGRE YOU ASSHOLE(たしか諏訪だから松本寄りですね)。オウガ好きで地域リーグ好きという人間がどれだけ居るかはわからないけど…(松本市内にまとまって居るかも…)、オウガのライブを何度も見ているしJFLの試合にも通う、僕はそんなマニアックな人間の一人です。そんな僕にとっては萌えポイントの多い映画で本当に面白かった。なんかとにかくニヤニヤしてしまった。出てくる色んな立場の人物、全員にとって「自分のチーム、自分たちのチーム」なんだよね。色んな立場でそのクラブの愛情が語られている。それもすごく近い距離感で。

僕が最も応援しているクラブはそこんとこ距離感がある。…いや、それは僕自身が距離を取っているとも言えるけど。試合は見に行くしグッズも買うけど、ゴール裏へ行ったことはないし、サポ仲間が多く居るわけでもないし――ってそんな話はいいや(笑)まあ既にJリーグにあって一定の位置に達しているクラブって、もう組織として大き過ぎて距離感があるのは仕方無いとは思うんだよね。「自分のもの」という感覚は薄くなるし「自分が何かをしなければ」という使命感もそこまで必要とされるわけではない。正直僕ももう出来上がりつつあるものに乗っかっているだけなわけです。だからこんなスタンスでも成り立つ。が。この映画にはもっと根底の、何故地元クラブに熱狂してしまうのか、その為に自分に何か出来ないか?そういった初心の気持ちを思い起こさせる物語が描かれている。上を目指す為に、監督、選手、スタッフ、経営者、行政、スポンサー、サポーター、それもゴール裏が、ゆったり派が、飲み屋のおっちゃんが、ライバルクラブが、何を思っているのかが。

まずは今Jリーグ中断していてもやもやした気持ちで居る人に、是非見て欲しい。そして次にJリーグ関係者・クラブ関係者・もし望めるのなら選手にも見てほしかったりする。そう、サポーターはこんな風にクラブを愛しているんだって知ってほしい。そして、どのクラブにも物語があるということを。…まあでも、ジュビロも少しずつ距離が変わっているのかなという気はします。首都圏等の県外スポンサーが減り地元中心になったこともポジティブに捉えるべきな気がしている(外へ向き過ぎていたのも、近いのに距離を感じていた一つの理由なのではないか?)。そして2年前に入替戦もあって、それを経て愛情を感じてくれた大学No.1選手がジュビロに来てくれた。入替戦を経て変わった部分は少なからずあると思う(出て行ってしまった選手も居るけど)。今はもうメジャーのメーカーが全てじゃないと思うよ。音楽だってね。オウガのサウンドがまたより映画のインディー感を増幅させていた…それが良いことかはわからないけど(笑)個人的には元から好きな曲たちなのでいちいちぐっと来たんだけど、もし「オウガが音楽使われている映画、見てみよう」という人が居たら…きっともうちんぷんかんぷんで終わる内容な気もする(笑)

内容について掘り下げると。上記両チームのうち先にJFL昇格を果たした松本山雅がメインと言っても過言ではない流れ。これはスタジアムの規模やサポーターの数、そしてJFL昇格決定が締め括りとなっている点からも妥当なんだと思う。でも今となってみると、長野パルセイも一年で後を追ってJFLに昇格した。制作期間的にもう致し方なかったと思うのだけど、そこまで描かれていたらドラマチックだったのになあ(でも、JFLでの信州ダービー、楽しみだなーって思う!)。あと全社の前に天皇杯アルウィンに2万人集めたことももっと大きなトピックとしてあっても良かったのに。あくまで地域リーグメインだってことかな。あとは同時にJFL昇格を果たしたツエーゲンの扱いが地味過ぎ(笑)上田ジェンシャンの扱いの大きさを考えるっとあくまで長野中心ということだったんだとは思うけど。リアルでは今季JFLでの両チームの再会、そこに松田直樹といった有名選手が居ること。なんて面白い物語かと思う。行政視点での長野・松本の関係の話は面白かったな。浜松・静岡も本来は近い関係性があると思うんだけど…。今はまだ同地域の対戦も、正直理由をつけているだけに見える。けど、今後歴史が出来て自然なものになってゆくんだな。

さて、JFLJリーグと同じく中断中。ソニー仙台の事情はベガルタとほぼ同じだろうから、再開時期はJリーグ合わせかな…。今週末、26日はヤマハスタジアムジュビロ磐田×Honda FC、味スタでFC東京×横河武蔵野という、ともにその地区のJ×JFLという練習試合がある。遠州ダービーと、武蔵野三鷹ダービー(って言うのか?0422ダービー?)。どっちも行きたいなーと思ったけど、この映画を見て余計その気持ちが強くなった(笑)18きっぷの残り1回で日帰りで往復しよっかなーと考え中。前者の試合だけ見て実家で一泊しても良いんだけど、後者の試合も是非見たい。それはこの日記の冒頭の“音楽×JFL”って部分で僕にとって一番縁の深いのは毎年フジロックでも会う横河武蔵野サポの方々なので。僕はちゃんと読んでないけど『GIANT KILLING』的ファンにも面白い2試合になりそう!あとそういえば映画の最後に出てくるJFL昇格の弾幕、あれ昨年初めに松本に行った時に駅に飾ってあったやつかな。今年はJ2やJFLを見に行く機会を増やしたい。という物好き。


んで、3月の頭…地震の前の日に同じくバウスシアターで見た『ソーシャル・ネットワーク』。人から散々薦められたので、映画館というものにおそらく10年以上ぶりに足を運んだのがこれ。何せ久々の映画、家でも普段DVDとかドラマとか殆ど見ない人間なので「退屈だったらどうしよう」ということが不安だったけどちゃんと物語に入り込んで見れた。面白かったのは面白かったけど、普段映画を見ないから他と比べてこの映画のどこが優れているかはわからない。事前に見た人々に「お前を思い浮かべた」的なことを何人からも言われていたので、そういう先入観ありきでの感想。/まあどこがそういう風に感じられたのかわからないけど…。/僕はこんなに天才じゃない(笑)高卒だし理系でもない。/技術者なところを「お前みたい」と言われたわけじゃなさそうなので、たぶんウェブの上で人がどう行動するかっていうのを動かすのが仕事っていうかそれ以前好きだし趣味で遊び、みたいな感覚がそう見えるのかな。他の人が言うように「Facebookやってみたくなった」とは思わなかったけど、なんて言うんだろう…ネットは当たり前にあるものであり、手段たるものでもあり、でもツールというものよりは、もっと自分自身であるもの。/

あとは仕事への没頭の仕方。19〜23の頃(高校卒業して、二度目の上京まで)をばっさり抜いて最終到達地点が今だとしたら、自分の人生を投影出来ないこともない。ウェブが名を売る手段だというか。「見返してやる」モチベーション。何らかのコンプレックスが導火線になっていること。/それで仕事での成功は手にしているけど、何か手に入ったっけな?っていう。最後の、リロードを繰り返すシーンで、うるっと来た人ってどのぐらいの割合なんだろ。あのシーンに関してはすごく胸を締め付けられたなー。「今の自分なら…」みたいな、すごくあっちいったりこっちいったりする感情。映画では「後に残る虚しさ」なんだけど、毎日その「虚しさ」を首からぶら下げながら過ごしてる。という。/更に細かい部分で言うと、当時のナップスターとか超あがるよなあ、とか、当時は今と比べればセキュリティってゆるかったよなーとか、セキュリティが甘い穴を指摘して何が悪いとか、色々面白いポイントはあるんだけど、この映画を見た9割以上の人にとってはどうでもいい部分だと思う(笑)/時代感とかも近いわけだから「わかるわー」って部分は色々あって当たり前なんだけど。なんか冒頭のパーティーのシーンとかも、そういえば僕の時代はスーパーフリー事件とかあったもんなあ、それを僕はネットでニュースを見ていたわけだもんなあ、とか思い出した(笑)/そういう視点からの面白さ…苦笑いしてしまうような感じだった。