ガーデン・シティ・ライフ・ログ

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ぼくらが旅に出る理由は大体百個ぐらいあって【東日本パス編】/ マイケル・リン“ミングリング ーふれあいー”展 @ 十和田市現代美術館









10,000円でJR東日本の全線(新幹線・特急含む)が1日乗り放題という「東日本パス」がこの週末から利用開始。新潟や仙台が大体片道9,500円ぐらいなので、それを往復するだけでもかなりお得なこの切符、利用しない手は無いと5月の東北旅行の時から思っていた。けど、利用期間内にジュビロの東北アウェーがあるわけでも無いし、フェスとかがあるわけでも無いし、更に5月に東北行ったばかりだし、いざ考えるとそんなに積極的に使いたい理由があるわけじゃないことに気付く…。なので一時期は何も考えなくなっていたのだけど、10日金曜日に仕事を早く上がることをなんとなく決めてから、これ早寝早起きしてどっか行けばいいんじゃね?と思い始めて。丁度この週、アートにふれたい気分だったのもあり、5月に「行けばよかった…」と思った十和田市現代美術館へ行くことを決める。それプラス同じく5月に行けなかった松島――海岸沿いに行くことも決める。元々色々考えていたけど、前日みどりの窓口で1時間ぐらい時刻表・路線図と睨み合っての決断。優柔不断。

朝4時半に起床。雨の中5時に家を出て、吉祥寺を5時22分に出る。こんな朝早く家を出るのなんて今までフジロックの時ぐらいしかない(笑)6時に東京駅着。前日の時点で6時40分のはやての指定席が一杯だったので、始発の6時12分のやまびこ盛岡行きに乗ってスタートしようと決めて来たものの、僕が着いた頃にはやまびこの自由席ももう立ち席が出るほど!2時間立つのは辛いわーと思ってこの電車は諦めて、そのすぐ8分後、6時20分発のやまびこに乗る。ホームが違ったからかこっちの方が停車駅が多いからか割とガラガラ。駅弁のハンバーグ弁当を食べた後、眠る。仙台を前に目覚める。当初の予定では(当初の新幹線では)仙石線に乗換えて松島海岸に9時35分…というところだったのだけど、その乗換えが出来る時間はもう無く。その後の仙石線がだいぶ空く(10時着)から、9時17分の東北本線・松島行きにでも乗ろうかな、と考える。でも新幹線から在来線の改札まで行くのがあまりにスムーズに行き、8時57分着⇒9時発の小牛田行きに乗り換えれた。

松島着が9時25分頃。仙石線に乗り換えられなかったのが功を奏したのか、結構早く着いてしまった。松島駅から松島海岸方面へ歩いてゆく。昨年も立寄った瑞巌寺や五大堂にも寄る。5月の時点で仙台駅周辺は爪痕があまり無い印象を植え付けられたけど、海に近い松島では色々爪痕を感じた。まだまだ閉まっている店も多いし、通行禁止の道も多い。遊覧船乗り場の待合室も閉まっていたし、観瀾亭の下の海沿いの道も木が折れて転がっているままだった。これでも松島は被害が少ない方なわけなんだけど、こういった現実を少しでも目の当たりに出来ただだけでも良かった。それでも松島が素敵な景色であることには変わりないけど。松島海岸を10時35分に出て、西塩釜へ。ここからタクシーで「菅野美術館」。今回参考にしたサイトで紹介されていて、松島行くのなら仙台への行きか帰りに立寄ろうと思っていたのでした。駅から遠いわけじゃないんだけど、僕の旅行は節約に方向が行きがちなので(笑)塩釜ならタクシー使うことに意味があるんじゃないか、と思った。

塩釜駅からの坂を登っていって住宅街をうねうね進み、その中に現れた菅野美術館。建築もかっこいいのだけど、この小高い丘から塩釜の町を見下ろせるロケーションがまた良い。建物内部もかっこよかった。エントランスの三角の窓から光が射していて、その先から塩釜の町が一望出来るという。ついでに言うと美術館の周りの芝生も良かったし(入れないけど)、更に言うと美術館に繋がっている(丘の下にある)豪邸がまたなんかかっこよくって。さすが個人でこんな美術館開くだけあるなあー…。塩釜駅へ戻り、11時37分の東北本線で仙台に戻る。11時54分着、12時04分のはやて・新青森行きに乗換え。はやてなので指定席。今回の目的地・十和田市現代美術館ですが、僕みたいな遠方から来る、そして車運転しない人間にとっては、アクセスが良いとは言えない。最寄り駅の十和田市駅に電車で行くには青い森鉄道との接続時間が空いたり本数が少なかったりするし、八戸や青森駅からバスが出ているものの、これも本数が少ない上、なかなか時間が掛かる。

で。当初は八戸まで行ってそこからバスの予定だったのだけど、新幹線の中で改めて調べ直したら、その先の七戸十和田駅から出ているバスの方が早い。しかもちょうどこの新幹線の到着(14時18分着)からすぐ(14時37分)バスがあったので、そっちにしようと計画変更。こういう計画変更を思いついてすぐ決断出来るのが今回みたいな切符の大きな利点(ついでに言うとGALAXY Tabに機種変したメリットだと思った(笑)PDFで時刻表見たので)。七戸十和田駅からのバスも決して本数が多いわけじゃなかったので、気付いて・タイミングがあってラッキー。結局今回も青森の北の方の新しい駅まで来てしまったなあ。バスは十和田市駅などを経由し、十和田市中央に15時08分頃着。ここから徒歩数分で今回の目的地・十和田市現代美術館。周辺の人出は決して多くない、普通の(賑わっていない)地方都市なんだけど、突如現れる屋外の現代アートの幾つかが景色を彩っている。少なくとも遠くから来ている僕みたいな人間は心躍ったし、美術館はそこそこの人出があった。













常設展と、企画展のマイケル・リン“ミングリング −ふれあいー”、そして美術館周辺のアート広場をひとしきり見て1時間半ぐらい。おもしろかったー。前述の通り、普通のにぎわっていない地方都市の景色の中に、カラフルな草間弥生作品が突如現れること、“ファット・ハウス”“ゴースト”“ヒプノティック・チェンバー”みたいな作品が点在している風景の異様さがまたすごく面白い。この美術館の顔は“フラワー・ホース”なんだと思うのですが、美術館前の通りにはそれ以外にも幾つか馬の彫刻があった。郵便ポストの上にも馬。馬が十和田の象徴なのかな。また機会があれば来たいなー。場所的になかなか来られる場所では無いけれど。今回の旅の目的としては大満足でした。今度は美術館前から出ている16時47分の八戸駅行きのバスで駅へ戻る。17時半頃八戸駅到着。指定席の予約に時間が掛かって駅の外は殆ど歩けなかったのだけど、でも八戸の中心街は新幹線の駅ではなく「本八戸駅」の方らしい。18時01分にはやてで八戸を出る。かにいくら丼を食べた後眠り(今日の新幹線はこの繰り返し)、仙台着が19時55分。指定席の関係でここで一度途中下車。少し駅の外を歩く。この間来たばかりだし、何があるわけでもないけど…。

20時36分のやまびこで仙台を出て、大宮、新宿と乗換えて23時半に吉祥寺着。吉祥寺を出てからちょうど18時間とちょっと。通常の料金に換算すれば約40,000円の行程でした。冷静に考えると強行軍で行きたい程のことだったかはわからないけど(笑)、とりあえずせっかくだから東日本パスを使いたい欲、「片道5,000円で青森まで行ったんだよ?」みたいなお得感、あとは「十和田市現代美術館行きたい」っていう一度思ったら思い続ける気持ちがさくっと解消出来たということで意味があったのではないかと。今回もう一つ迷っていたルートが「いなほを新潟〜秋田まで乗る」というもの。個人的に、(東海道線沿線出身者ってことで)新幹線は当たり前のように乗るものだけど、特急って殆ど乗らない。在来線なのに18きっぷじゃ乗れないって言う割高感みたいなものがあるからか(笑)だから長距離の特急とか乗ってみたいな、と思って思いついたのが日本海沿い(まだ未到達区間)を駆けるいなほだったのでした。それプラス十和田市現代美術館というのを最初ずっと考えたんだけど、時間的にどうしても無理で今回は美術館を優先した。特に見たい試合の無い7月9-10日の週末あたり、またどこかへ行こうかな。