メッセージ・ソング?

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2011 @ 国営ひたち海浜公園





遅くなったけれど今年も行ったROCK IN JAPANについて記そうと思います。ハイライトは初日のヘッドライナー、ASIAN KUNG-GU GENERATION。アジカンかよ、って思うかもしれないけど。このブログを長く読んで頂いている人、僕のリアル知り合いならば、別に僕がそんなアジカンとか聴いてきていないことは知って頂いている(笑)と思うし、今まで何度か見た中でも、最近のロック・バンドの旗手――ぐらいの感じでしなかった。好きな曲もあるしかっこいいとは思うけど、その存在感の評価というのが僕の中には無かった。けど、今回のひたちなかでのパフォーマンスを見て、今更ながら、このバンドは“ロック・シーン”の中で、一つ上のフェーズに足を踏み込んでいること。現在の日本のロックを代表するバンドであること。それは例えば2000年に「フジロックでトリを飾れる日本のロック・バンドはブランキー、ミッシェル、ハイスタ」と評された時代があって、その後、わかりやすくそう言えるバンドの存在が居なかったと思う――けど、その領域に足を踏み入れたこと。そういったことを感じました。個人的に今年はミスチルだったりCOLDPLAYだったり、そんな“スーパーバンド”のパフォーマンスに弱いモードもあると思うけど。

フェス前に公式サイトでゴッチが発したメッセージもその伏線の一つ。「やはり放射線物質が心配だ、子供は来させるべきではない」なんて、主催者に喧嘩売っている以外の何者でもない。そのメッセージも決して気分で言っているわけではなく、色々なことを考えた上で発しているのが、また…主催者側にしてみれば厄介だったと思う(笑)それでも、その上で「NANO-MUGENより今年はこっちの方が大きい/ASIAN KUNG-FU GENERATIONを代表するステージにする」という覚悟。それは決して建前とは思わなかったし、立場的に言って何の得になるのかと言うことを表明して、それでも立つステージ。気の抜けたステージになるはずはない。“HOPE”“LOVE”“MUSIC”“LIFE”という文字が順々にビジョンに映し出されメンバーが登場。いきなり“リライト”“Re:Re:”といった代表曲でありキラー・チューンから始まり、“ループ&ループ”“君の街まで”“未来の破片”“フラッシュバック”“ソラニン”“君という花”…などなど、やはり全編代表曲で押しまくるパフォーマンス。

何らかのことによりそういった物質が舞い上がって――内部被爆したとして――と日記では言いながら、ステージではそんな弱気一切無しの、グラス一面を跳ねさせるセット。そのパフォーマンス自体も、現代のロック・バンド代表、ASIAN KUNG-FU GENERATIONだと思った。そしてアンコール。リズムトラックに合わせてビジョンに映し出されるメッセージは“THINK”“NO NUKES” “(!)CAUTION(!)”。これだけ電力使ってそうなステージ、電力そのものを多く使っているビジョンに、このメッセージ。いや、そういった見え方さえも受け止めて、それでもメッセージを発した。ここまで大きな“NO NUKES”の文字は3/11以降でも初めてだ。福島第一原発から最も近いであろう日本の大型フェスで、そして原発事故の起こった東海村に近いこの場所で。…よく出せたよね。止められなかったのかな。フェスとしてゴーを出したのかな。どちらであれそれには“ロックであること”の意義を感じたし、様々な意味、想いがあって、そして“THINK”、考えさせられた、そんなメッセージ。しびれた。やっぱ“ロック”は本当が何かを問うものであってほしい、結果的に反体制的になったりするとしても。この時点でも今年ベスト級のライブだったけど。

そして最後に鳴らされたのは“新世紀のラブソング”。“愛と正義を武器に僕らは奪い合って 世界は続く 何もなかったように ほら君の涙 始まれ21st 恵みの雨だ 僕たちの新世紀”“確かな言葉が見当たらない 言い当てる言葉も見当たらない それでも僕らは愛と呼んで 不確かな想いを愛と呼んだんだ”――前述の「2000年に――」で挙げた3バンドのような今のロック・シーンを切り開いた存在とは違う。その3バンド程、例えばフジロックサマソニ客にとっての青春かといえば違うかもしれない(まあフジやサマソニでも沢山人は入っていたけど)。それでも。メジャー・シーンに居ながら、そして影響力のある立場として、政治的なメッセージを発せられる使命感というものを背負ったこと。これは生半可なことじゃない。それがASIAN KUNG-FU GENERATIONが現世代を代表するロック・バンドと言われて然るべきと感じた様でした。そういった存在は今までのメジャーのロック・シーンには無かったこと。それがパイオニアとしてのASIAN KUNG-FU GENERATIONではないかと。

娯楽・カルチャーやビジネスとして“ロック・ミュージック”をやっていただけの今までの“ロック”とは違う。これは2000年代、音楽業界、レコード会社や事務所というものが徐々に力を失い絶対的な存在ではなくなったこと、インターネットの普及でアーティストが自分のメッセージを発せられるようになったことも大きく影響していると思うし、今後より音楽はよりメッセージ性を増していく…ことも期待している。この2011年、「音楽の力ってなんだ?」と、一リスナーとしても考えさせられたことはあるけど(ap bankの時も書きましたが)、それでもやはり音楽には多くの人の身や心を動かす力があると、被災地であったひたちなかで思った。それは何もロックばかりでなく、YUKIキッチュで圧倒的なステージにも、ひとりを失って、それでもまた立ち上がったフジファブリックのステージにも。たとえ今後もこのまま音楽業界が力を失っても、アーティストとリスナーが集える場所として、野外ロック・フェスが有機的に作用し続けるよう、微力ながら願っています。

最後に。森のキッチンで見掛けたエスパルス18番とジュビロ23番の後姿の写真、これは個人的に今年のベストショットなのだけど(笑)この茨城=アントラーズユニが多い中でこの姿(静岡ダービーアベック!)は貴重。福西ユニの人、昨年フジロックで写真撮らせてもらった人かなあ?僕も誰かとこんな風に歩きたい…という願望を語ってひたちなかの話は終わり。…なんか一生懸命アジカンだったり音楽の力、メッセージを発すること――について書いたのに、最後締まらない終わり方(笑)その他もレイソル、水戸ちゃん、サンフレッチェ、レッズ、東京、ガンバ、セレッソなどなど色んなクラブのユニの方を見掛けた。フジばかりじゃなく、ひたちなかにも色々なユニのかたが集まっているのはうれしいもの。個人的にはアラバキにはユニ持参でいこうと思っています。次のフェスはアラバキ。27日に大宮で試合を見て、そのまま(宇都宮あたりで一泊して)28日に仙台へ。この1年で4度目(そしてまた10月にも…)。アジカンもまた出ますが。初のアラバキ、楽しみです。