ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

いしがきミュージックフェスティバル2011 / “アートのチカラ、いわてのタカラ IMA(いま)ここで”展 @ 岩手県立美術館 / ぼくらが旅に出る理由は大体百個ぐらいあって【北上〜盛岡〜宮古・浄土ヶ浜〜盛岡〜平泉〜吉祥寺編】

東北旅行後半。前半はこちらミスチルの感想も補完しました。

北上〜盛岡

25日。ホテルをチェックアウトし北上駅周辺を散策。アーケード街とさくら野百貨店が駅から離れた位置にあることを知ったけど、人通りはまばら。展勝地まで行く時間は無かった。駅の観光案内所でもらった「南いわて観光マップ」によると北上市自体にそんなに観光スポットが無いっぽい…。その観光マップを見ていると、それでも展勝地は(僕みたいな電車+レンタサイクル派としては)徒歩圏内なだけマシっぽい。それ以外に駅から近そうなところは…花巻のイギリス海岸ぐらいかな…?と思い出したところでイギリス海岸が気になり出す(ここも「イーハトーヴの風景」として名勝)。12時頃盛岡着。

いしがきミュージックフェスティバル2011 @ 盛岡城跡公園など

5月以来の盛岡。あの時は青森の中継地としてでしか無かったけど、一度来ていると距離感、土地勘が身についていて良かった。いしがきミュージックフェスティバル、昨年は9月11日の開催。今年開催が遅かったのは震災の影響や他イベントとの兼ね合いもあったんだろうか。このイベントのことがずっと気になっていたわけはなかったんだけど、この3連休に東北に行こうと考えた時、メンツが良かったこと(AIR JAMから一週間で、AIR JAM組が多い)、「浄土ヶ浜へ行きたい」という欲望の上で、乗り換え地点である盛岡に行くことは理にかなっている、とかそんな理由で行くことに決めたというそんなノリ。あと5月に盛岡城跡公園歩いて、あそこでフェスってどんな風になるんだろう?ってことにも興味あったし。

12時30分からのバックホーンに間に合うように到着。僕みたいにとっちゃ良いメンツなんだけど、果たしてどれぐらい人が集まっているんだろう?というのも興味としてあった。けど、思った以上に多くの人が集まっていた!客層もさまざま。いわゆるロックファン層は普通に多かったんだけど、街中でのフリーライヴ形式ということや、地元のバンドも小さなステージに多く出ていることもあって、「ロック・フェス」で見掛ける層とはまた全然違う層が肩肘張らずに参加している印象があった。なんかその雰囲気がすごく良かったな。アラバキとはまた全然違う“おらが町”感というか――「東北、元気だぜ」感というか。それに引っ張られるようにアーティストも熱演していたし、もうまとめ書いちゃうと本当に楽しかった(笑)ピンポイントに県内の大槌の復興ブースとかがあったのも、何かすべきことがわかりやすくてよかった。

さて、出演アーティストにAIR JAM組が多いのもあってAIR JAM Tの人が結構居たのだけど(あとはARABAKIとかRIJFとか)、GG11Tシャツのやつはすごいなと思った(笑)確かにそことも結構メンツかぶっているかもしれないけど…。そういやARABAKIでもSLS T着てた人とか居たなあ。どれぐらい東北じゃない人居たんだろう?

THE BACK HORN / 抱きしめるズ / 10-FEET



バックホーンは結構見ている気がするんだけどまともに見るのはいつ以来かわからないぐらい(いつかのライジングサン以来…?)。相変わらずかっこよかった。抱きしめるズは名前だけ知ってる東京のバンド。小さなステージ、大船渡の復興やきそばと地ビールを食らいつつ眺めていたのだけど、滅茶苦茶盛り上がっていた。50回転ズが出てきた時の勢いみたいなものを感じた。10-FEETは石垣の上から客席を眺める。AIR JAMもそうだったけど、元々サッカーでも上段席派なのでこの視点好きだ(笑)ダイバーが転がっている景色とか見るのは楽しい。無茶な泳ぎ方するなーって人とか。10フィ、AIR JAMでは殆ど見てなかったのだけど、この間は“RIVER”から始まったのが今回は“STONE COLD BREAK”で始まり“RIVER”で終わるという順番。

その後公園をうろうろしていたら、ちょうどキセルがラジオのゲストに出ていた。パーソナリティの人が会話噛み合ってなかった気がするけど(笑)今回、Ken Yokoyamaキセルのかぶりというところが僕の最大の悩みの種で。でもAIR JAM見たばっかりってのがあって、Ken Yokoyama選ぼうってのがそれまでの時点の僕の考え。だけど、この放送見ながらやっぱキセル見たいなあ…と迷い出した。この時点でメインステージが10分ぐらい押していたので(元々キセルの方が始まりが5分早い)、15分あればハシゴ出来んじゃね?とか思い始める。

“アートのチカラ、いわてのタカラ '70、'80年代生まれの美術家たち、IMA(いま)ここで”展 @ 岩手県立美術館




ハワイアンやイッソンは見ず、プラザおでってでレンタサイクルをして岩手県立美術館へ。自転車はベルマーレカラーだった(笑)盛岡城跡公園とは駅の逆方向。多少時間を食うのはわかっていたけど、行ってみたかったのです。そして評判通り曲線のきれいな素敵な建物だった。周囲の公園もなんかモエレ沼公園風でいい感じ。(そしてそこへ向かうまでの北上川の景色も良かった)

企画展「アートの力、いわてのタカラ」、無料の展示だったから一体どんなんだろうと思って見たけど、すーっごく面白かった。岩手出身・在住のアーティストの作品を集めた展示。入り口の文が「震災の復興支援のため今年度の企画展はすべて中止になった」という文章は少し考えてしまったのだけど、予算をすべて復興の方に移したということかな。この一環、エントランス、階段にあった「ユメノマチ」。岩手の子供たちの作った建物に模したパーツが並べられたこの作品。なんだかすごく見入ってしまった。大槌と書かれた看板の建物も。ほんと夢の街というか、でも子供の一つ一つのメッセージを見ていると、夢物語じゃ無く、現実的に達せねばいけないことなんだろうねえって。子供の創造力はすごい。なんだか、ドキッとさせられた。(現実的に…とか考えちゃうのは、もう大人になってしまったからなんだろう)

キセル / Ken Yokoyama / おおはた雄一、そして宮古

戻ってきて、街中のステージでまずキセルを見る。も、思ったより始まりが押す。15分ぐらい押したかな…?リハでも1曲やってくれたけど、本編2曲目、“夜の名前”が聴けたところで公園へ自転車をかっ飛ばして移動。キセル昨年のSense of Wonder以来でした。Ken YokoyamaKEN BANDとしてはアラバキ以来。ちょうど“How Many More Times”〜“Ten Years From Now”!この時点でどれぐらいだろう?と思ったんだけど、MCがもう終盤。逆にこっちはオンタイムで終わってしまった…(「もう一曲OKって言われたんで」と言って“Believer”)。“STAY GOLD”やったみたいだし、“WALK”もやったみたいだし。うー、見たかったなあ。今回の僕の〆はおおはた雄一さん。めちゃくちゃ久々に見た気がする。検索したらこの時以来4年ぶり!キッズがサーっと引いてしまった分、多分キセルから駆けつけた人たちが居たんじゃなかろうか。「音が大きくてビックリした」というMCにはちょっと笑った。確かに天神蔵の時とか生音・生声だったっけ…。今日は流れがね(笑)“おだやかな暮らし”はこれはこれで鳴らされた意味がある曲だと思うのです。




SIONさんのライヴの音だけ聴きつつ、最後の会場散策をしたり(敷地内の建物に山車の展示があった!)、慌しくじゃじゃ麺食べて(美味しかった!)山田線で盛岡を出発。健さんもそうだけど(あとイッソンバンドのドラマーで出ていたツネさんもそうなんだけど)、トリのBRAHMANもちょうど一週間前のその時間に横スタのステージに立っていたんだよなあ。そう考えても見たかった。エアジャムから一週間か…早いなあ。しみじみ。盛岡の街は今回も慌しくしか過ごせなかったけど、今日はこのイベントのおかげか5月の時と比べても人が賑わっていたように感じた。今度はせめて一泊するぐらいの感じで立ち寄りたいな…。21時26分、宮古駅到着。宮古駅は海から多少距離があるということもあって、この近くにテレビの中で映っていた壮絶な風景があるとは思えない、静かで穏やかな、普通の田舎の夜だった。

宮古浄土ヶ浜

前日、いや正しくは今回の東北旅行を計画する段階から、「山田線の終電で宮古着いて一泊するのは良いけど、翌日9時半の快速に乗らないと東京帰ってこれない…」というのが悩みの種だった。宮古〜盛岡の高速バスとか、新幹線使っちゃうとか、方法はあるんだけど「それじゃあ北海道&東日本パスの意味が無い…」という(笑)その電車の時間から逆算して、宮古駅から浄土ヶ浜までのバスの時刻表とにらめっこしても、(始バスに乗ったとしても)浄土ヶ浜への滞在時間が30分ぐらいしか取れない…それじゃさすがに意味無いだろう…とか色々考えた末、結局行きはタクシーにした。たとえ高速バス使うのとそう変わらないぐらい掛かっても、まあ早く起きて一日長く行動するのは良いことかな!とか考えて。





宮古駅から10分ぐらいで浄土ヶ浜ターミナルビルへ。看板を撮ろうとしたら、ちょうどウミネコが看板の上に!これがウミネコかあ。初見です。坂を下って、朝早いまだ誰も居ない浜へ(マリンハウスの方には漁師さんとおぼしき人が居たけど)。今こうして来てみると、海は透き通っていて、波の音は落ち着いていて。すごくふわーっとさせられる風景なんだけれど。それでもやっぱり、津波の強大さを物語る景色もあって。海に面する遊歩道は通行止めだし、マリンハウス横のトイレは海に面する側だけが半壊している。奥浄土ヶ浜レストハウスはマリンハウスと比べても損傷が激しい。木のベンチが設置されていたところも、本当はきっと何かここに建物があったあんだろう(土台があるんだから)。浄土ヶ浜から少し坂を上れば高台だから――被害のあったところ、無かったところ、波の向きによっても、割と分かれていたというのが駐車場の係員さん談。



帰りはバスで駅へ。行きのタクシーの中でも沿岸部の景色は見ていたけど、最初見た時は正直ピンと来なかった。なんか、初めから何も無かったように見えてしまう。家を建てる前の土台だけ。帰りのバスで景色を眺めて、ようやく「そうか、ここには全て家があったんだ…」って実感できた。結構そのまま残っている家もあるのだ。この差は何だったんだろう?とも思う。海沿いの堤防は高く、もし何も無い時なら、「海が見えないのが勿体無い」と思ってしまう程の高さ。あれを乗り越える津波が来るなんて悪夢としか言いようが無いんだろう。駅前のターミナルは平和な景色。盛岡行きの高速バスの乗り場には普通に行列が出来ている。仕事の出張だろうか。なんて考える。
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宮古〜盛岡〜平泉


JRのホームから隣の三陸鉄道のホームに停車中の車両を写真に収めて、9時半の快速リアスで宮古を出る。ほんとあっという間の滞在で「そんなんでいいのか」って感じだけど、十分に浄土ヶ浜周辺を回れたわけじゃなかったし、また来たい。

山田線からの景色を眺めながら――早起きだったからかなり寝ちゃったけど――2時間程で盛岡まで。盛岡で40分近く乗り換え時間があったので、昨日食べられなかった冷麺を食べる。12時11分の一ノ関行きで盛岡を出る。あとはこのまま帰ってしまえば22時半には吉祥寺に着くのだけど、せっかくだからどこか寄り道したいよなあと考えて。最終電車で帰る為には所要時間は1時間。猊鼻渓とかには行けそうになかったので選択肢は仙台か平泉。仙台だったら幾らでも時間潰せるけど新しい発見は無い。平泉も去年行ったばかりだけど――昨年行けなかったところと、北上川を眺められるところに行きたくて、平泉に決定(そしてここなら駅近くにも見所が多い)。途中下車。




駅は改装中だった。世界遺産に見合う駅舎にするのかな。昨年と同じく駅前でレンタサイクル。今回行ったのは柳之御所遺跡、高館義経堂、観自在王院跡。義経堂は昨年も行ったけど、北上川のあの景色をもう一度見たくて。あとの2箇所は昨年行きそびれたところ。駅近だし毛越寺ももう一度行こうかなと思っていたけど、案外時間が無くて行けなかった。柳之御所は昨年スルーしちゃったけど、ここに平泉の政庁があったんだなんて思うと夢があるよなあ(他のどの史跡もそうなんだけど)。同じようなこと武田神社行った時も書いていたかもしれない…。
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平泉〜一ノ関〜仙台〜福島〜黒磯〜宇都宮〜(略)〜吉祥寺

14時34分の電車で平泉を出る。ここからはひたすら帰ってくるだけ。一ノ関、仙台で乗り換え。先週末の仙台〜白石間の不通の影響はまだ残っていて、岩沼まで激混み。福島で黒磯行きに乗り換え…のつもりが、この福島行きの列車はそのまま黒磯行きに変貌した。ってことは仙台から黒磯までノンストップで行けるってこと(待ち時間はあるにせよ)。ずっと座ってるのも退屈だから駅に買出しに行ったけど…。人の乗降が多い駅、そうじゃない駅なんてのを見つつ、黒磯、宇都宮、赤羽、新宿と乗り換えて、0時11分吉祥寺着。疲れた(笑)12時間前は盛岡に居たなんて不思議な気持ち。新幹線なら3時間なんだけど…。

さてこれで今週末も山形遠征を目論んでいるのだけど、当初考えていた東北ローカルパス+新幹線ではなく、1日から鉄道の日きっぷが使えるとあって「それ使おうかな…」とか少し迷い出している(笑)今回の旅は昼間に2度通ったルートは北上〜盛岡だけだったりで景色に飽きなかった。のだけど、来週も仙台〜黒磯〜東京を帰ってくるのか…とか考えると、約一ヶ月の間に3回はちょっと飽きる(笑)山形の後にどこ行くかとかもまだちゃんと決めていないので、また平日考えよう。