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メッセージ・ソング?

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか。

晴れたから、ちょっと市原行ってみた。「中房総国際芸術祭 いちはらアート×ミックス」を自転車で巡る

『晴れたら市原、行こう』がこのイベントのキャッチコピーのようなのですが、確かに晴れた日に自転車で駆け回るには気持ちの良い場所だった。「中房総国際芸術祭 いちはらアート×ミックス」(公式サイトはこちら)――瀬戸内国際芸術祭や越後妻有 大地の芸術祭と同じく北川フラムさんが総合ディレクターを務めるということで、イベントとして割と力は入っているんだろうけど――いまいち盛り上がっている感じがしないというか、情報が無い。

その上、行く最中にこんな痛烈な記事を見つけて読んで「千葉クオリティwww」とか思ってた(けど内心は楽しめるか不安だった)けど、まあでも実際は行ったらすごい楽しめた!ただ、当然悪い点、改善してほしい点も色々と感じたので、それを中心にこのエントリは書いてみたい。(アップしている日が、足を運んだ一週間後の4月4日なので、その時から改善されたり変わっているところはあるかも)

いちはらアート×ミックスの良かったところ

(1) 風景が良い

菜の花がとてもきれいな季節。自転車で走っていると(いや別に自転車で走っていなくても)、こんな菜の花がきれいな場所にとっても沢山出くわします。廃校作品の食堂でスタッフさんと話していたら「今週、撮り鉄の人がすごく多い」と言われていたのですが、この日もまさにそうで、駅周辺だけではなく、景色が良く電車が映るところに必ずカメラを構えた人が。小湊鉄道の車内でも鉄道の話題で盛り上がっているグループが居たりして――撮り鉄の勢いに押されてるよ、アートミックス!

(2) 作品が良い

好みはあると思うし、物足りる/足りないはあると思うんだけど。鑑賞パスポートが3,800円で――でも小湊鉄道乗り放題だから、五井駅から高滝駅や養老渓谷駅への往復約2,000円分がその中に含まれていて、実質鑑賞する為に掛かっている金額も約2,000円。それで美術館と廃校数箇所を中心として色々な作品が見られると思えば、初回としてはまあ十分じゃないかなー?と思いました。そして東京近郊から五井までの交通費も大体往復2,000円程度で行けると思えば、「プチトリップ」としては十分なのでは、と。

(3) レンタサイクルが便利

「良くないと感じたところ」でもレンタサイクルについてあれこれ書いていますが、越後妻有と比べれば全然平坦が多い道のりなので(養老渓谷付近はアップダウンが多くてきついけど)、普段自転車乗り慣れている人や男性なら全然余裕なはず。越後妻有が大人向けならこちらは全然小中学生レベル。で、僕の借りた場所なんですが…高滝駅で降りて湖畔美術館まで歩こうかなと思ったところで、駅に小湊沿線レンタサイクル「100円チャリ」というものの案内があって。これアートミックスのサイトでは案内が無くって、100円なんでアートミックスのレンタサイクルより安いですね。

これを利用させてもらったんですが、このレンタサイクルのすごい・ビックリしたところは「無人レンタサイクル」なところ――いや、京都とか横浜とか最近は無人で(機械で)レンタサイクルできるものもあるんですが、このレンタサイクルは「100円をポストに入れる」という形式なところ!野菜の無人販売と同じ形式。そして自転車に鍵がついていない!逆に途中で盗まれないかが心配…。こんな人の良心に委ねられたレンタサイクルは初めて見たので、これは是非紹介したいと思いました。でも案の定高滝駅には「11台が行方不明になっています」という案内が(笑)ひどい。

いちはらアート×ミックスの良くないと感じた/改善して欲しいところ

(1) お客さんが少ない?

僕が行ったのは一週目の平日の、しかも割と早い時間だったから、単純にそれで人が少なかったのはあるんだけど。でも湖畔美術館のトイレの個室に入ってたら、外で「これ大丈夫かな?心配になってきた」「平日でも新潟はこんなんじゃなかった」というような声が聞こえた。それが他のお客さんかアーティストさんかスタッフさんかは分からないけど――他の会場でアーティストさん、スタッフさんと少し話した時も、やんわりとした表現で「思ったよりは少ない」と言うようなことを言っていたので、それをもう少しリアルに受け取れば、「集客が厳しい」ということでしょう。

で、以下の項目は「なぜお客さんが少ないのか?」を分解していった項目たちでもあります。「初回だし、始まったばかりだし――」というのはあるにしたって、なんていうんだろう…アーティストさんやスタッフさんにはプロモーションの責任も権限も無いと思うんだけれども、やっぱその場に居る以上は盛り上がってほしい/人に多く来てほしいだろうし、少しずつ改善されることを願って。

(2) 公式サイトが見づらい

先にあげたエントリにもあるけど、「公式サイトが見づらい、使いづらい」というのは僕も思っていた。PCでもそうだけど(Chromeでちゃんと動かない時がある――でもブラウザの問題より、ページ遷移無しでこの情報を集約することに無理があるのでは)、僕のAndroidスマホタブレット?)で見ると崩れる。イベントで動いている予算規模を考えれば「予算的にスマホサイトは厳しいっす」というのはダメだろうって思う。情報も十分に出ていない。先のエントリの人も「WEBの仕事をしている立場から、この出来には納得がいかない」みたいなこと書いているけど、全く同じ気持ちだ(笑)

(3) 電車の本数が少ない

このイベントのメイン会場である小湊鉄道上総牛久養老渓谷区間の電車の本数は1時間に1本あるかないか程度。まあ瀬戸芸もフェリーは1、2時間に1本あるかないかの世界だしほくほく線だって本数多いわけじゃないので、この本数が悪いわけではないんだけど、結局その「1時間に1本あるかないか程度」という情報に辿り着きにくい公式サイトの構造が悪いというような気もする(笑)案内の問題で、時刻表無しに“会期中、小湊鐵道の列車と会場内を循環する芸術祭周遊バスが1日限り乗り放題”とか書かれると、なんかサクサク循環できるような気がしてしまうというか。まして、瀬戸内海とか新潟とかじゃなく、千葉だもんね?そんな不便だという想像に辿り着きにくいと思うんです。

で、僕なんかの場合は「電車やバスの時間に縛られたくないから、片道10km程度ならチャリで走っちゃえ」とか思うんで、そういう時間に縛られず行動できたから「楽しめた」というのもあると思います。

(4) メイン会場、メインの駅が分かりづらい

このイベント、てっきり市原湖畔美術館がメイン会場と思っていたんですが、「中核施設」であってメイン会場ということではないらしい。だから、まず最寄の高滝駅で降りても、無人駅だしスタッフも居ないし湖畔美術館への案内が無い。駅前にたむろしていた地元のおじさまがたがとても親切に道を教えてくれたりしたので、難なく辿り着けたものの。それに対し、周辺の作品数が決して多いわけではない月崎駅に友人のレンタサイクルがある(旧里見小学校/IAAESへの距離は飯給駅の方が近い)。でもその駅にレンタサイクルがあるって情報も公式サイトに無かったような…。

こういう周遊系のイベントの時って、まあ「メイン会場」に行ければ10のうち半分以上は満足したりする。だからもっとちゃんと「メイン会場」をはっきり打ち出してくれた方がよいと思う。「結局どこを回るのがセオリーなんだろう?」というのがモヤっとした状況よりは。

(5) レンタサイクルを高滝駅に置いてほしい

↑の流れに続きますが、でも僕以外にも「市原湖畔美術館がメイン会場と思っている」人は少なくないと思う。だって正直このイベントが終わった後にも普段稼動する施設ってこれでしょう。なんていうか、ある種この美術館のPRの為にこのイベントがあるのでは?と思う。キナーレや農舞台やベネッセハウスミュージアム的な存在っていうか。なので一応仮にメイン会場を市原湖畔美術館だと設定した場合、高滝駅から歩くと20分ぐらいはかかる。歩けない距離じゃないけど、まあ遠い。

高滝駅が(上総牛久駅を除いた時、)今回のイベントの最南に位置し、入り口となっている駅であるように思える。自転車で湖沿いを走れば水上飛行機やIAAESあたりまでは坂も少なく難なく行ける。正直湖畔美術館にあれだけ「乗られていないレンタサイクル」があるのなら――高滝駅に置けばいいじゃん!って思った。更に利便性を高めるのであれば、高滝駅から借りた後、湖畔美術館やIAAES、月崎駅にも返せるようになれば、途中からバスに乗りたくなった人には親切なんだけど――まあ管理が大変になりそうなのでそこまでやらなくても良いとは思いますが。

(6) 駐車場の料金ってあれって止めるごとにお金かかるの?

僕はチャリで回ったからよくわかんないんですが、各会場の駐車場に「平日500円/土日祝1,000円」という案内があった。あれって「1日停め放題で1,000円です」ってこと?それとも各会場に停める毎に1,000円?もし停める毎だったらバカな商売すぎない?車停めるのにお金が掛かるからアート作品見なくていいやって思われたらこのイベントの意味ないですよね。まあ、作品パスポートに公共交通機関(小湊鉄道と周遊バス)乗り放題も含まれているんだから、そっちを使った方が圧倒的にお得というか、そっち使ってくださいという意図なのかもしれないけど…だったらそのことをもっとアピールしてほしい。(公式サイトで)

(7) 地元・千葉にニーズが無い?

「平日に人が少ない。」これは結局「地元の人たちが来てない」ってことで。そもそも千葉や市原という場所だと――十日町みたく「普段(地元の祭り的な催し以外に)イベントごとがないし、都市(新潟市)は割と遠い」というような環境ではないから、「せっかくのイベントだから盛り上げよう/足を運ぼう/参加しよう」というマインドにならないのでは。だってそんなことしなくても、電車乗って千葉や東京に出掛けた方が楽しい。そもそもジェフが存在していた頃にJリーグで最も集客が少なかったのは有名な話。地元意識やイベントごとに対する意識が希薄な町なのかもしれない。

「電車の本数が少ない」とかもさ、瀬戸内海とか新潟の山間の町とか行ったら「不便を楽しむ」という気持ちになるんだけど結局千葉だと首都圏だから、「気持ち的にそういう気持ちにならない」というのはあるのかも。マインドセットの問題だからそれは町のせいではなく来る側の問題でもあるんだけど――でもそういうのを含めて「市原にこういうイベントが必要か?」ということなんだろうなあ。市の広報誌でもアート×ミックス特集がされていたので(駅でもらった)、市・街としてはこのイベントを盛り上げたいんでしょうが――まあ、時には「PR不足」なこともあるけど、でも今回は「ニーズが無い」感じがする。

というわけで色々書きましたが、別に「失敗イベwww」みたく言いたいわけではないですし、僕は僕なりに動いてすごく楽しめたので――これから行く人の目に止まって、少しでも不便なく楽しむための情報になれば…と思っております。以下は巡った記録です。作品ネタバレあり。

高滝駅~市原湖畔美術館





五井駅から小湊鉄道に乗り換えて高滝駅へ。五井駅での乗換時間が短くて(JRが遅れたおかげで)、駅でパスポートを買うことができなかった。その電車を逃すと次に高滝駅まで行く電車が1時間後だったから乗ること優先したんですが…車内でも販売してくれたらいいのになーってすごい思った。前述の通り、高滝駅から無人レンタサイクルを利用し、地元のかたに親切に案内してもらって市原湖畔美術館へ。湖の上を渡る橋は割と長いんだけど、自転車で走っているときーんもちいい。美術館も昨年リニューアルしたばかりということで、かっこよく良い美術館でした。

湖上飛行機~里見駅~飯給駅

そして地図で言うと南へ自転車を走らせます。駅ごとに作品があるので、里見駅、飯給駅…と寄っていく。飯給駅にある藤本壮介さんの「世界一大きなトイレ」は一昨年ぐらいに作られた作品(?)のようで、検索するとけっこう冷笑の対象とされていて、ディープ案内にも紹介されていた(笑)藤本壮介さん作品好きなんですけどね。



旧里見小学校(IEAAS)










面白い作品が多かったです。マイナス30度に冷やされている栗林隆さん“プリンシパル オフィス”は体験型作品としても面白かった。意外と耐えられた…。あと物体が浮いている作品は、あいちトリエンナーレで見た街が浮いている作品人と同じ人なのかな。

月崎駅~上総大久保







旧白鳥小学校(いちはら人生劇場)





いちはらアート×ミックスを自転車で走っていると、冒頭にも書いた通り菜の花の風景をとても多く目にしたので、この会場での吉田夏奈さんの菜の花をモチーフにした階段の作品はそれとのリンクという意味ですごい良かった(アートフロントギャラリーで見た時もこういう作品だったっけ)。今回の中で一番好きな作品かもしれない。そして校庭にあったジェフィとユニティの画がなんだか哀愁を誘う。(すでにホームタウンの名前を冠していない市の廃校という…)

養老渓谷駅~アートハウスあそうばらの谷




アートハウスあそうばらの谷の大巻伸嗣さんの作品(家の中の撮影不可)はむっちゃくちゃよかった!最初の方で「市原湖畔美術館がメイン会場だよね?」的なことを書いておいて、そう考えるとそこからの距離はあって行くか迷った部分もあったんだけど、期待以上。ここまで来た甲斐があった(養老渓谷まで来てからの坂は多少きつかったけど…まあでも越後妻有のことを思えばね)。

IAAESでお昼を食べたのち(モグラのUstでJリーグの話をしていたな)、高滝駅まで戻って、小湊鉄道五井駅に戻る。以上で僕の「いちはらアート×ミックス」は終了。月出工舎はルートから多少外れていたのと時間の都合で行かなかったけど(あと上総牛久付近の作品も)、写真で見るとなかなか良さそうではある。もう一回行くつもりじゃないけど、うーん、ちょっと迷うな。

房総半島を一周。内房線外房線の旅

五井駅へ戻ってきてからは内房線外房線を乗り継いでの房総半島を電車でぐるっと回る旅。元々はどこかで一泊したかったんだけど、良い宿が無かったのと割と時間が掛からず回れたので…五井駅を15時半に出てから、ぐるっと回って千葉に着いたのが20時だから4時間半。紀伊半島を10時間かけて回ったのを思えば早い!(笑)そんな旅。でもいつかちゃんと途中下車してみたいし、今度は銚子の方にも行きたい。





この日から旅行に出るつもりで朝荷物持って出たのに、結局良い宿が無くて家に帰ってきたのが残念でしたが、そんないちはらアート×ミックスでした。