ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

20年WEBサイトを作り続けたアラフォー男性が、WEB業界から庭師を目指す

こんなタイトルですが退職エントリです。
約1年間務めた広告代理店の子会社を退職しました。
この一年間このブログはほとんど更新できていないのでお仕事関係の方に届くかはわかりませんが、在職中お世話になった方ありがとうございました。
またとにかく結果が出ず――ご迷惑お掛けしました。「広げて、広げる」ということが自分にとっては新しかったけど、結果何も実現しなかったのは悔しさというより苦しさしかなかったな。

この浜離宮が少し見える都心一等地のオフィスともお別れ――
さて今後ですが。4月から造園を学ぶために学校へ通います。

初めて「庭師」の仕事を意識した時の話

romitou.hateblo.jpこの2016年の瀬戸内国際芸術祭。
初めて小豆島に足を運び、芸術祭も見ながら重森三玲作庭の「栄光寺庭園・龍門庵」を拝観した。
oniwa.gardenその際にこの庭園の手入れをされている庭師さんにご案内いただいて――この時のエントリに書いていなかったけど、その60歳はくだらないであろう庭師さんが
「後継が居なくてねえ、島に若者が少ないし居てもやりたがらない。本当はあのマツも手入れしたいけど…この庭園もいつまで見ていられるか」
という話をしていて。

もしかしたら地方で庭師さんと会話をしたのも初めてだったのかもな。
外の仕事をやりたがらない若者の気持ちもわかるけど、後継者が居ないことで名園が失われるのは勿体ない――そんなことを思って、造園の仕事について初めて調べたのはこの頃。考えが甘いけど、地方で庭師をやりながら、リモートワークがより広まった頃にWEBの仕事が並行してできれば東京を出ても好きなものに関わりながら生活していけるんじゃないかなあ――と思った。

ただ実際庭師って職人さんの世界だからこの年齢からいけるかというのも微妙だったし、その上年収が半分近くになるということに対してすぐに踏み出せるわけでもなかった。

「おにわさん」は制作には取り掛かっていたけどリリース前のこと。

WEBの仕事には疲れていた

WEBの仕事に携わるまでの流れは以前の
romitou.hateblo.jpでも書いたけれど。
上記の瀬戸芸の約1年前。初めて飛び込んだ広告業界のハードワークに疲れ果てた。毎月時間外100時間超、そして夏場の約200時間でついに心が折れてしまった。

この頃までは
『自分の武器はWEB。WEB業界で一流を目指したい』
という気持ちが1ミリぐらいはあったけど、そこで心が折れてもうそれは無理だと思った(←そういう意味でいうと問題は時間ではないのです。その時間内でも濃い仕事をしてクオリティ高いものへ向けて頭をフル回転させられる人が、やはり居る)。

またそこで心が折れたことによって、「苦しい思いをしてでも一流のものを」という発想がだいぶ弱くなった。全部無理とは言わないけど、自分のHP(ヒットポイント)を知ってしまったというか――ヒットポイントがある時は頑張れるけど、それを燃やし過ぎるとバーンアウトする。
ヒットポイントがある時はハードワーク出来なくもないけど、ヒットポイント減ってる時は簡単なことでも「やりたくないな」と思う…そんな状態で3年間、引き続きWEBの仕事をし続けた。結果を出せた案件もあれば「大期待はずれ」だった案件もあったと思う。

このメンタル面の話はWEBだろうが別の仕事だろうが、多分一生付きまとうかもしれない話なので――うまく付き合う術を模索していかなければいけないのだけど。

結果が出せない、期待に応えられない苦しさ

この一年間務めた今回の代理店系のプロダクションでも、評価いただいたタイミングでは評価してもらっていたなあと思うし、期待も掛けてもらったと思うけど――正直そこに応えられたとは思わない――散々だった。「一流の仕事をしてくれるようになってくれるだろう」と思っていたのに「三流、四流以下かもしれない」と最後は思われたのではないか。

…正直この半年間ぐらいは、そのレール上にも立てていなかった。
一応もともと自分が扱っていた「音楽」というコンテンツを最初評価してくれていたので、そこの仕事なら応えられるかなあと思っていたけど――それ以外のモノを扱うことになった時、自分が思った以上に、自分自身が興味が無いテーマの仕事に手がつかなかったなあ――いやいや仕事はしていたけどほんっとーに興味持てないのがしんどくって。「自分の武器はWEB」という意識と「WEBの仕事疲れた」そんな気持ちの間でずっと揺れていたし、結局気持ちに引っ張られて自分の納得するクオリティの仕事ができていなかった――そのギャップが苦しかった。

向き不向きの部分で言うと、プロデューサーという「司る」役割に自分が向いていたとも思わないし――いやーこんなキャラの人でも付いてきてくれる人が居たらいいなと思ったけど、そうは問屋が卸さなかった(笑)結局絶対的に自信が無いんだよな、自分が。だからずっと怯えながらプロデューサーという役割をやっていたような気がする。

そんな中、頭の中にあり続けたのは
『自分の好きなコンテンツ(庭園)をどう生活の中心に持ってくるか』
ということばかり。

生活の中心に『庭園』を置くために。

最初は「少しでも興味があるコンテンツを持っているWEBの会社に」という形で転職活動をはじめて内定ももらっていたのだけど、話す中で――

  • 自分の実績でWEBの仕事をし続ける限り、「一流を目指す」ことから逃れられない
  • 自分の「庭園」への興味を本当にそれで満たせるのか、またWEB中心の生活になるのではないか

ということを考えるに至り、この年末年始に悩み続けた末に出た結論が、

『造園を学ぼう』
ということだった。
自分が今一番時間を費やしたいこと。そして学ぶ以上は造園業を志します。

元々「緑」が好きなんですよね。井の頭公園の近隣に住み始めてかれこれ15年、このエリアから離れる気はないし、サッカーをスタジアムで観に行くようになったのも(好きなクラブこそあれ)あの芝生のある空間がとても好きだし、競馬場も好きで通ってる時期あった。サイトで取り上げているような文化財庭園も大好きだけど、それ以前に公園というものが好きだ。
公園や緑に関わる仕事をすれば、必然的に好きなものが生活の中心になる――

造園を学ぶという選択肢。
一緒に仕事することはなかったけど、1月に入社された人と初日にご飯へ行った時、学生時代に造園を学んでいた――(その後現在はWEBの仕事へ)という話を聞いた時に「それだ!!」と思う部分はあった。「また転職か」という点でWEBに対して行き詰まってたタイミングだったので実はそれはすごく大きなヒントで――直接そのことについて話はできていないけど、ちゃんとモノになったら話をしたい。

人生がゲームなら、やりたいことをやりきって死のう

前述の通り給料は半分以下から再スタートでしょう。
まーでも多分この辺も、自分の中で『「給料が半分になってでも造園やりたい」と言い出す選択肢』がこの3年間燻り続けていたわけだから「遅かれ早かれ」だったと思う。この2年ぐらい恋愛はもういいやと思っているのは単純に面倒くさいのもあるけど、自分が進みたいと思っているこの道に対する抵抗勢力を作りたくなかったからというのもある。

たまたま36歳になったこのタイミングでの決断だったけど、「東京オリンピックが終わったから――」「40歳になったから――」今後も色んなタイミングで迷い続けていたと思う。(なお年齢的な部分は、その小豆島の後も地方の色んな場所で70代以上の方で手入れをされている方とお話を何度かしてきたので、それと比べればまだまだ若者だろうと思っている(笑))
だから結果的には、「一番若いタイミングでの決断」になったってことですね。

この3年間。身近な存在――WEB/IT業界で一緒に働いていた先輩や元同僚が自死するということもあった。
彼らのほうがよっぽど頭もよくて、仕事ができたと思うし、性格も良くて人懐っこかった。その分闇があったとも言えるけど――本当に勿体ないし悲しい。
自分も2015年以降は行き詰まることも多い。自死という暗い話でなくてもどうせいつか遅かれ早かれ運が良くても悪くても死ぬのだから、「あいつほんと仕事できなかったよな、人としてまともじゃない」と言われても、僕は自分の好きなことをやり切ってからにしたい。

30歳で憧れの人とフットサルが出来た。これまではそれで人生やり残すことないと思っていたけど、今回の決断で新しい目標が出来た、ような気がする。

WEB業界は卒業!

趣味で作り始めた15歳から20年間続いたWEBのビジネスに関しては、これで卒業――と言いたいところというかその覚悟はあるんだけど。現実的に学校通っている間の収入面のことや、IT業界の人手不足もよーく分かってるので――全く関わらないとは言えないし――「全く保険にならない」かと言うとそうではない…という若干の甘えはあるけど。
でも基本的にはITを保険にする気も未練もない。もう「このビジネスで1億円売上目指します!!!」みたいなことはムリだなあって思うし。

「おにわさん」を制作した時に以下のようなことを書いた。
romitou.hateblo.jp

音楽やサッカーやアートと比べて「庭園巡りが趣味」「庭園が好き」というのはなんとも魅力が説明しづらい(昨今は海外の方には非常に受けが良さそうだけど…)。とりあえずサイトという形にしたい

2年間で掲載件数も増えて、サイトやSNSを見てくださっている人も増えて。
面白いもので、このサイトがあったから誰も「なんで!?」と言わずみんな納得してくれて(おもしろがってくれて)背中を押してくれる。それが何よりだな。これまではどうしても片手間のような存在だったけど、今回でいよいよ本格的に「好きなもの」に飛び込んでいけるのは、やはりワクワクする。(貯金に余裕がある訳でもないので正直綱渡り感はあるけどね…)

造園業と一言で言ってもたぶん色々あって、

  • 1. ガチのアーティスト気質の庭師
  • 2. 公園の管理・メンテナンス
  • 3. ガーデニング、エクステリア

とか。正直1を目指すのは厳しいと思っている。沢山音楽を聴いているから名曲が作れるわけではない――ってことも知っているので。なので細かい方向性はこれからですが、仮に20代後半〜30代前半の年収が生涯最高年収になったとしても、どうせもうまともな大人・社会人ではないので、好きなことにお金も時間も費やしますですよ。

デスクでPCに向き合う以外の仕事ってほんとやったことないので、リアルな場で見える世界は全部新鮮なんだろうなー。もしかしたらそこでITで貢献できることもあるかもだし(AIの発達によって無くなる仕事の一つに、造園業はある。あるけど、多分療法を理解して積極的に開発したがる人も居ない気もする(笑))。
…でも、もう都心一等地の高層オフィスに通うことはもう無いかもしれないなあ。
アラフォー男性の挑戦、応援していただけますと幸いです。

近影。あんま顔出して前へ出たいと思っていないけど、生きてるうちに笑顔の写真は沢山世の中に出しておきたいですね。