ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

九州旅行その1。筑豊地方の名勝庭園巡り(旧亀石坊庭園と英彦山の庭園群/藤江氏魚楽園/旧伊藤伝右衛門邸庭園)/ モーモールルギャバン @ 熊本DRUM Be-9 V2

2月の九州旅行は元々この翌週に鹿児島から帰ってくる航空券を抑えていたのだけど、なかなか予定が組めずキャンセルし、その代わりにジェットスターの安さに惹かれて少し時期を早めて旅を計画。成田空港までの交通費は羽田と比べれば多少高いとはいえ、それ含めても往復で12,000円ちょい。片道6,000円なんて、新幹線で浜松帰るより安い!

前日のライヴの後、銀座のマックと漫画喫茶で時間を潰して、朝4時の成田空港行きバス(アクセス成田)で空港へ。時間潰しで結局1,500円ぐらいしているので、「2,000円高い、朝自宅で起きても間に合う便」とお得感は殆ど変わらないけど、せっかくだから朝早く九州に入りたかったとか、成田行く為に朝6時起きとか結局しんどいというのもあるので、まあ。

始発では間に合わないような朝の格安便ばかりの時間帯だけど、どれも埋まっていそうだなと感じる人の多さだった。初のジェットスターだったけど、LCCだから何か不便だとかそういうこともなく、座席指定してなかったら非常口の席になったので足元も広く快適だった。ただ、バスでも眠れず、飛行機でも眠れず。夕方の九大本線でようやくうとうとしたけど、全体的に睡眠状況はあまり良くない4日間でした。

伊藤伝右衛門邸庭園と飯塚の町並み






福岡空港から博多へ移動、11月以来の博多でしたが結局今回ほぼ滞在せず、そこから篠栗線福北ゆたか線で40分ほど、新飯塚へ。博多での乗換時間が短かったので、飛行機が遅れたりしたらこの庭園巡りではなくもう熊本方面へ南下しようと思っていたけど、無事乗れた。この路線を進んでいくと、意外とすぐに単線で田舎の風景になる。博多からほんの少し離れただけなのに、こういう景色が残っているんだなあ(と、英彦山方面へこの路線を進めば進む程思いました)。

この日のルートは電車、バスの時刻表とキョリ測での地図(と距離)をかなり駆使してタイムテーブルを組み行動。新飯塚に着いて割とすぐのバスで、この庭園の最寄のバス停まで。そして20分程観賞して同じルートで戻る――も、帰りのバスは(駅手前の)病院でなぜか10分程停車する時刻表だったので、降りて歩いて駅まで…というような細かい行動をしたりしながら。

伊藤伝右衛門邸庭園の伊藤伝右衛門は、この地域の有力な炭鉱経営者だったそうで。いわゆる大名とかではない「地元の有力者」というのが、いわゆる武家屋敷みたいな街づくりとは違った街づくりをしてるんだなと感じて面白かった。庭園の手入れも地元の方々がやっているって印象を受けた。この日の庭園の中では一番優先度低かったけど、とても良かったし、庭園だけでなくその周辺に古い建物がすごい残っていてもっと歩いてみたかった(駅前の寂れた商店街も――近代的な商店街が寂れた感じというより、もっと前の雰囲気で良かった)。あと建物の内部はかなりの雛人形推しで、たくさんの雛人形が飾られていた(目黒の雅叙園でつい先日まで展示をやっていたそう)。
oniwa.garden

雪舟庭園。藤江氏魚楽園



新飯塚から豊前川崎駅へ移動(その道中も現役?退役?の鉱山の風景があり、なかなか見ない景色なので面白かった!)。雪舟作庭と言われる藤江氏魚楽園。写真で見てとても素敵だったので昨年の大分遠征から来たいと思っていた(けどバス本数が少ないことで頭を悩ませた)庭園。一応この「川崎町」の運営しているバスで魚楽園の近くまで行くやつがあるんですが、1日3往復、別のバス路線の最寄までも2kmぐらい、しかも休日だと本数減という悪条件。着いてみると駅は本当に田舎の無人駅で、そりゃレンタサイクルもあるはず無いなと。駅から5kmぐらいなので身軽なら走るというのも無くないんだけどな――とか考えたけど、結局往復タクシーを利用(で3,000円強かかっているので、こまごまと節約している分も軽く吹っ飛ぶんだけど)。駅から向かうと本当に村の奥の方にある感じ。これ「最悪歩く」とか無理だ。

お庭は、本当に水墨画のような庭園。普段16対9の横で写真を撮る僕ですが、縦に撮りたくなる。だから僕の写真では、この庭の(借景の山を含めた)雰囲気が収められていない。タクシー待たせてるのに、しばらくぼんやり眺めていた。雪舟は禅の人だからなんちゃらかんちゃら――とどこかでこの庭園の説明を見た/聞いた気がするけど、そういうことかはわからないけど、もっと静かにゆっくり眺めていたいな――と思わせられた。おそらく紅葉の時期が一番の見ごろのようで、その上でタクシーの運転手さん曰く「雪が降った後の魚楽園が一番」と言っていて、それもすごくそうだろうなと…。また来たいけど、でもこのアクセスではなかなか来られないだろうなあ…。タクシーの運転手さんが色々話してくれて面白かった。「田舎はほんとね、変わらないよ」みたいな話や、廃墟になったホテルのことや。
oniwa.garden

こちらも雪舟庭園。旧亀石坊庭園と英彦山の庭園群(旧政所坊庭園、顕揚坊庭園)

魚楽園からの戻りは豊前川崎ではなく、同じくらいの距離にある西添田駅に送ってもらった。こちらも無人駅、そしてこちらはタクシー不在。でも教会みたいな面白い駅舎。時間もあったので、隣の添田駅までそんなに離れていなかったので歩く。添田駅は駅舎からホームまでがもんのすごい遠いという変わった駅だった。そして再び日田彦山線で彦山駅に移動。彦山駅から13時のバスに乗って英彦山神宮へ向かえば、1時間ぐらい探索も出来て、帰りのバスや電車への乗換がスムーズということで、それがこの日の行動の軸になっていた。その予定通り町営のバスで英彦山へ。


「神宮下」で降りて坂を登れば、名勝・旧亀石坊庭園――なんだけど、藤江氏魚楽園と違って、かなり「発掘されたまま」な感じ。手を入れるよりこれはこれで良いという考え方もあると思うし、あとはやっぱり季節によって見え方が違うと思うんだけれど。割とあっさりしているな…という感じ。

でもこの英彦山には旧亀石坊庭園以外にも庭園がある(参考⇒http://www5e.biglobe.ne.jp/~truffe/kyushu.htm)。キョリ測にも旧政所坊庭園と旧座主院庭園は記されている。後者は予約をしていないので見れないけど、旧政所坊庭園は見れるだろうと参道を登ってゆく。途中にあるのが「顕揚坊庭園」。そこから更に登ってやがて英彦山神宮へ。




英彦山神宮の裏手側の坂を下って、「旧政所坊庭園」。ここは期待していた旧亀石坊庭園と違って期待していなかった分、とっても良かった!規模も旧亀石坊庭園より広い。



ただ決してこれらの庭園だけでなく、参道の両手側には無数の「○○坊跡」というのがあり――殆ど手入れされていない空き地なんだけど、忘れられて、寂れてきていると見るべきか、再開発されず自然にそうなってきていることに感慨を覚えるべきか、もしくは廃仏毀釈というのはひどいもんだったんだなあ、と思うべきか――などと思いながらキッツイ参道を登り降り(ハイキング風の人が多かった!)。何気ない池のようなくぼみも、きっとここもかつては庭園だったのかもな――なんて思わせられる。帰りは銅の鳥居まで下って帰りのバスに。銅の鳥居から、更におそらく山の下=駅の方へ向けて古い参道が延びていた。ちょっと歩いてみたいと思った。
oniwa.gardenoniwa.gardenoniwa.garden
これで、周りたいと思っていた3つの名勝庭園を踏破。特に後ろ二つは電車以上にバスの本数が本当に少なくて、けど距離は6km以上あって、「最悪片道だけでも歩く(走る)」という選択肢も考えたり、色々シミュレーションしたんだけど。結果今回の行動はこの後の電車で同じルートを辿らずに進むことが出来たし、夜のモーモーのライヴに行けたのもこの時間割だったから。彦山駅からのバスは本数は少ないけどJRへの接続はし易いようになっている(それを元に時刻表が組まれている)のは良かった。んで今回は色々庭園を回っているけど、やっぱ色づいた季節にまたいつか足を運べたらいいな、と思います。

日田彦山線の風景と夜明駅


小倉から日田までを結ぶローカル線、日田彦山線。先述までの景色も面白かったけど、英彦山以南の風景は一段と棚田が増えて非常に良かった。そして、夜明けがやってきた――もとい、夜明へやってきた(夜明駅で乗換)。その後、九大本線で久留米へ、久留米で乗換えて熊本へ。そして熊本への車中で少しだけ寝落ちして、20数時間ぶりの睡眠。18時頃熊本着。熊本へ来たのは4年ぶり

モーモールルギャバン“乱れうち。” @ 熊本DRUM Be-9 V2

今回の旅行中に良いライヴ無いかな、と思って検索した中で、比較的ちゃんと好きで、売り切れてなく、見たいと思ったライヴがこれだった。モーモーのライヴを見るのは――昨年大分のアウェー遠征以来という。まだツアー序盤なので曲名とかは割愛しますが、人気曲・代表曲は当然やる、楽しいライヴだった!あの3人のトライアングルが生み出す熱量、マジックは最高だ。ゲイリー・ビッチェが下に履いていたパンツは、この日ファンからプレゼントされたという、くまモン入りパンツだった(笑)5月をもってライヴ活動休止に入るモーモーだけど、なんかそういう雰囲気を感じさせない――「熊本また絶対来る」というような言葉も、「まあそりゃそうだ」というような気持ちにさせられる感じだった。

もう一つのブログの方に「ライヴに思ったより入り込めなかった」――ということを前日に書いたんだけど、このライヴはそんなこと無かった。すごく楽しかった。音楽のジャンルの違い?うーん、いや、結構熊本のオーディエンスの熱さに僕ももっていかれた気がする。大分の時は大人しいファンが多いのかな、と思ったけど、熊本はお客さんがすごくモーモーをホームとして迎え入れる感じがすごいした。東京ではなく地方で見ているから?うーん…でも地方で見るライヴはいつも楽しい。それはやっぱ僕も地方民だからだろう。うーん、渋谷でNO AGEを見ていたのが24時間前というのが不思議(もっと前のことのように感じる。そして殆ど眠ってすら居ないというのに)。

という感じで1日目終了。旅行記は翌日へ続く