ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

サガン鳥栖-ジュビロ磐田 @ ベストアメニティスタジアム / 福岡旅行。水郷柳河の町並み〜立花氏庭園(御花)、隈研吾・九州芸文館〜清水寺本坊庭園 など

サガン鳥栖-ジュビロ磐田ベストアメニティスタジアム




降格したあの試合の記憶を塗り替える完封勝利

サガン鳥栖-ジュビロ磐田@ベアスタへ行ってきました。このカードといえばジュビロサポにとって思い出されるのは降格が決定した試合。日曜の16時KOというのは2年半前のあの試合と同じ――別にそんなに悲壮感を持ってきたわけでもないしサッカーを真面目に見ているわけではないんだけど(旅行目線なので福岡戦が平日だから今年唯一九州来れそうなチャンスだなという方が強い(笑))。素晴らしかった試合結果を除いても――(あと試合後に呑んでくれる鳥栖サポの友人がいらっしゃることを差し引いても…)まずやっぱ鳥栖って駅もスタジアムも雰囲気が本当に素晴らしいのです。またこの舞台で戦えたことが嬉しかった。そして試合も。「完敗して落ちるべくして落ちたあの試合」からあの時から何が変わったのか――そんな気持ちで観ていたから、対等に戦えているだけでも十分、だったのに、勝つことができた。感無量。

試合の話。ジュビロを見るのは20日のベルマーレ戦以来サガンを見るのは一昨年の旅行中に見たヴァンフォーレ戦以来。ベアスタもその時以来。ジュビロは前節の大敗を受けてスタメンを大幅変更。カミンスキー、小川、大井、藤田、中村の4バックに、宮崎、康裕、太田、松井、アダイウトンの中盤に1トップが森島。祐希の出場停止の代役は新潟戦でも好パフォーマンスを見せていた松井、そしてナビスコカップで好パフォーマンスだった小川、中村の両翼がリーグ戦でもスタメン抜擢。しかしワントップに抜擢されたデカモリシは前半早々に負傷退場。ここでゲームプランは狂ったはず――だけど、それ以上に途中投入された齊藤がすごく良かった…湘南戦は割と苦しんでた感じがするのに。「昨年までロアッソ熊本でプレーしてた齊藤。九州での試合で気持ちが入ってた――」と言うことも出来るけど、それだけじゃなく松井やアダのトップへの距離感もすごくよかったのかなあ?とも思う。

サガンは相変わらずスピード感のあるチームで。DFの裏をどのチームにも狙われるのはジュビロの弱点として周知されてるからなんだろうなあ。だから藤田だときついかも…と思ってたけど、今日は皆守備の意識が高かった。勝てる手応え…みたいなものはなかったけど、今日はスタメン入替は気にならないぐらい、良い選手が多かった。湘南戦でも良かった両SB大貴と中村は攻撃でも守備でも運動量多く奮闘。中村はこの間までは中途半端だなー…って感じだったのに、今日はクロスにいく姿勢がまずよかった。大貴は…友人が来季の契約を心配する位だったのに(笑)スタメン定着あるでこれ。渚には無いドリブルの仕掛けがある(中への切れ込みが駒野っぽい)。J2で抜擢された頃は見せられなかった積極性が今芽生えた感じ。

で、SBからボランチに戻った宮崎の運動量が凄まじくって。SBで見てもやはり宮崎>中村と思うけど、でもボランチで一番良いのも宮崎。二人欲しい(笑)他のスタメン組…松井はやっぱ今季良いなあ。FWが収めた後に良い所に居る。それってやっぱ祐希がまだやり切れて無いこと。祐希が復帰してくる次はどうなるか…。アダイウトンも今季の中では良かった方では。替えられたのは直前の球離れが悪かったシーンが引き金か。吉彰は…頭蹴られたシーン以外にも2回ぐらい傷んだシーンあって。それでも走り続ける。個人的には元々吉彰なら9番は相応しいと思ってたけど改めてそう思いました。最高。あとは松浦。試合の入りが悪くてあまり良くなかった…けど結果アシストするのだから面白い。

そして大井。キャプテンマーク巻いて完封してくれただけでも賞賛ものなんだけど、まさかのゴール。笑顔で胸のエンブレム叩いて(多分)こっち来てねえ。周りの選手の笑顔も、健太郎は相変わらず好かれてる選手なんだなーと思った!引き分けでも御の字だったのに、試合終了間際にまさかの先制ゴール。ロスタイムは意外と短く感じた。最後のPK疑惑は向こう側での事だからわからん。ともあれ勝ち点3。出来過ぎ。

前半はバクスタ側で見てたので、HTにたまたま友人にあって、場所を移動したらゴールが目の前で。運が良い。試合後の「勝利はつづくよ〜」は選手と。これまでのアウェー2勝でやったっけ?忘れてるだけ?前に出ておちゃらけたヒーロー大井、他の選手に置いてかれそうになるオチまで(笑)ジュビロってこんな息のあった笑いが出来るチームだったか(笑)…という感じで降格の記憶が払拭されたといっても良い程、良い試合になりました。今回も呑みに付き合ってくれた鳥栖のアニキに感謝(またフジロックで!)。サガンも頑張ってほしいです…。九州大好きです。また来ます。


佐賀…もとい福岡旅行と、熊本大地震について。

ここからは観光の話ですが、まず地震について。熊本は一昨年まででも2度?行ったことがあったけど、昨年は熊本アウェーで熊本市内を楽しんだだけでなく、八代にも行ったし、その翌月の大分での最終節の翌日、まだ乗ったことなかった豊肥本線に乗った。その足で阿蘇神社も行ったのであの“日本三大楼門”といわれる楼門が全壊したというのも衝撃的だったし――、それ以上に駅のギャラリーにある豪雨で流出した豊肥線の線路の写真が印象的だった――あれだけ苦労を重ねて復旧した豊肥本線がまた自然の力によって途切れてしまった。自分の目で見に行った場所だから、なんというか上手い言葉がなくって、言葉を失う…というのが正直な気持ち。熊本市内に時折あった古い建物のこともそう。熊本だけじゃなく大分でも大きな地震が起きていて、大分でも豊後竹田も――豊後森も湯布院も――きっと別府のあのレトロな町並みも大きな影響を受けているでしょう。そうしたものが失われるのは――素直に苦しい。

――でもなんか「心配」を言葉にするのも好きじゃないし、かといってポジティブな言葉に置き換えるのも他人事のように思えて好きじゃない。だからうまく言えない――自分が思えること・出来ることは、だからでもこのタイミングで九州アウェーに行って、そして観光をしたかったということ。仙台アウェーもそうだった。失われない景色ばかりではない。だから行ける時に行く。いや、それで気仙沼線の景色が変わってしまっても、行く。でも、行ける時に行っておかないと。今回行った中では柳川市みやま市が最南。複数回の震度5強で文化財は少なからず傷んでいて、「ヒビが入っている」と説明を受けた施設もあった。柳川には今にも崩壊しそうな古い楼門も。――それでも町は日常だ。であるならば、自分も平常に観光をしなければ。九州に1日も早く日常が戻りますように。他サポの方々も、今こそアウェー九州へ。

今回は佐賀空港から。昨年佐賀空港から帰りの春秋航空は使ったけど行きで使うのは初でした。そこから地図を見ていたら佐賀空港って柳川からかなり近いんだな――ってことに気づいて、1000円のリムジンタクシーで柳川へ。そこから今回は福岡県内のみ…です。佐賀県の観光は昨年したのもあるけど(武雄とか肥前浜とか)、また次回。駅で見掛けた↓のポスターの絵にすごく惹かれた。かわいいけどパワーがある。佐賀空港からは色んな場所にリムジンタクシーが割と安めで出ていて便利そうだな〜と思ったので、次回ベアスタ来る時は、唐津〜有田〜武雄や嬉野温泉と嬉野塩田の町並みとか行きたい!

水郷柳河の町並み








水郷柳河の町並み。柳川へ来たのは2年半前、降格した日以来。その後「水郷柳河」は国指定名勝になりました。水郷って良いよね。運河のある小樽は勿論、佐原や大垣、桑名の諸戸氏庭園辺りもそうだけど、水路がある町ってなんか風情がある!あの頃は今程町並みには興味なかったので(後述の庭園目的)今回は色々歩きまわって堪能。雨だったら自転車で走ってもう少し駅から遠いところも行ってみたかったな〜。かつては城下町なので水路の無いところでも古い町並みを残していて楽しい。北原白秋の生家もあります。
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御花 立花氏庭園



「御花」立花氏庭園。国指定名勝。柳川藩主の屋敷だった場所にある洋館に屋敷に、日本庭園の松涛園。庭園も名園だけど、西洋館も相変わらず素敵だった。洋館の方は「震災でヒビが入った箇所が…」と説明を受けたけど、見学はできました。贅を尽くした内部も素敵。あと柳川と言ったら琴奨菊。駅ののぼりはなくなってたけど、御花に写真があった。(結婚披露宴の時のものとか?)



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戸島氏庭園


柳川・旧戸島氏庭園。国指定名勝。柳川藩士の武家屋敷跡。こじんまりとしながらも水路から引き込んだ川を活かした庭園。
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旧樺島氏庭園

柳川・旧椛島氏庭園(だったかな?)。現在はすずめのおやどという古民家を利用した絵本カフェ。お庭も整備されたらきっと素敵になりそう。
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三柱神社

柳川・三柱神社。駅からほど近くにある神社。「再興計画」というような看板があったから整備中の神社なのか…と思ったけど、10年前ぐらいに放火で焼失したとのこと。ひどい。心字池は割と整備されていて良い感じ。

西鉄柳川駅

西鉄柳川駅。前来た時はこんなおしゃれな駅舎じゃなかった!昨年リニューアルしたとか。昨年グッドデザイン賞受賞したというのも納得。

久留米・寺町の町並みや庭園


ここから日曜日に見たもの。まず久留米の町並み。久留米で下車するのは3度目ぐらいだけど今までちゃんと町歩きはしておらず、町中のレンタサイクルが最近できたらしいのでそれを使って巡った。主な目的は後述の庭園だけど「寺町」へ行ってみたかったのもある。

石橋美術館庭園


久留米・石橋美術館の庭園。久留米と言ったらブリヂストン。石橋文化センターにはホールや美術館に広い庭園も。絵を描いている親子が沢山居たのが印象的な公園だった。
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遍照院庭園

久留米・遍照院庭園。久留米の寺町の中にある庭園。作庭はそんなに昔ではなさそうだけど、昭和30年代にMoonStarでお馴染み月星から寄贈されたとのこと。開花したきれいな牡丹を見ていると、今回御船山楽園行っていればきっときれいだっただろうな…とも思う。
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九州芸文館



移動して、筑後市・九州芸文館。隈研吾建築。昨年以来の来訪。アウェー行ったら隈研吾。はあ素敵建築。開催中の特別展「田島照久の全仕事展」を見ました。尾崎豊浜田省吾、最近ではKREVAのアートディレクター、フォトグラファーを務めている方の展示だった。

清水寺本坊庭園


みやま市清水寺本坊庭園。ここも昨年ぶり3度目の来訪。かの雪舟の作庭と伝わる庭園は国指定名勝。個人的パワースポット。九州に何の縁も無いのに3年連続で行ってしまうぐらい、清水寺本坊庭園は大好きなのだけど(物好きなだけとも言う)、ここや正伝寺の良いところは、やはり街から離れていている分、煩くなく、その風景と音を堪能できるところ。平地でも静かで癒される庭園はあるけど、それでももっと隔世感ある。
清水寺本坊庭園は山の登り始めにあって、本堂はあの山のてっぺんにあるという。最近だけでも長浜・大通寺含山軒庭園や京都・正伝寺庭園と借景の山が神々しい庭園を見た。現代では「山の神」なんて言うけど、本当に「山は神」なんだろうなあと思う。
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タグチ・アートコレクション「しあわせの相関図」@ 三菱地所アルティアム

今回博多の写真が殆ど無いんだけど、タグチ・アートコレクション「しあわせの相関図」@三菱地所アルティアムを見ました。入口を入ると目に飛び込むのは奈良美智さんの《Cosmic》。この作品は熊本でも行われた大規模個展『君と僕にちょっと似ている』の、青森のキービジに使われていた作品(青森はこのエントリ)。そんな作品が、熊本での巡回展以来、今こうしてこのタイミングで九州にあるというのは、なにか運命めいていないか…なんてことを思った。この画の少女の目は何度見ても不思議な感じがする。その他には会田誠さんやライアン・マッギンレー、リチャード・タトルの作品など。個人利用に限り撮影可なのは嬉しい。先週までのmintdesigns展見たかったなあ…と思っていたけど、こちらも満足でした。

猫とマンホール


今回は久々に猫によく遭遇した旅だった。しかし残念なのが…最近自覚し始めたのが…軽い猫アレルギー!?触ると後から痒さが出る。実家に居た頃は猫飼ってて毎日猫と暮らしてたのに…!


マンホール。水郷柳川(カラー版見たい…!)、久留米市羽犬塚の謎な羽がついた犬。

そんな感じで。水郷柳川の城下町を歩き回って、個人的なパワースポットの庭園も巡って、前述の奈良美智さん作品を見て、一口餃子発祥の店、宝雲亭でキュッとやって博多ラーメンで締めて。もし試合で負けていたとしても、やっぱ九州は楽しい。今年唯一の九州になるとは思うけど、また来ます…サガンアビスパ残留目指して頑張れー(ってもちろんジュビロもだけど)。土曜はエスパルスも北九州で試合があったけど、日曜は博多駅にガンバユニの人、アビスパユニの人、ジュビロユニの人と居て。博多の森でも試合あったのね(だから昨日は博多の宿混んでたのか)。皆九州が好きなのだ。