ガーデン・シティ・ライフ・ログ

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秋の庭園巡り・愛媛編④。宇和島〜八幡浜編。宇和島城、天赦園、等覚寺龍華山庭園、西江寺庭園、明源寺庭園、「伊予の大阪」八幡浜の町並み

秋の庭園巡り、愛媛編その4。宇和島の前、松山市編は↓。
romitou.hateblo.jp四国のほぼ一番西側・宇和島へ来るのは2014年以来約3年半ぶり。初めての愛媛アウェーの前でした。
romitou.hateblo.jp一番の目的は大名庭園である「天赦園」の再訪ですが、宇和島の中心部にはそれ以外にも寺院の庭園が。行ったところない所も含め、引続き愛媛県造園緑化事業協同組合の「愛媛の古庭園」を参考にします。

愛媛の古庭園(南予)
http://www.ehime-zoen.com/062_3.htm

宇和島城




宇和島以降の移動の予定を考えた時、宇和島を出たい時間は10時17分。そして天赦園のオープン時間が朝8時半。この1時間半ちょっとに色々と見に行きたい忙しない今回の宇和島。駅から天赦園までが約2kmなので自転車に乗れるとちょうど良いのだけど、宇和島はそんなに早くからレンタサイクルをやっていないので早めにチェックアウトして歩き始めることに。
で、せっかく自転車が無かったので「現存12天守」の一つ、宇和島城へ登りました。朝早いので天守(資料館)の中には入れなかったけど。市街地を一望できる良い見晴らし。

天赦園








国指定名勝。宇和島城の入口は何箇所かありますが、駅や商店街から一番離れた口から下るともう天赦園はすぐ。天赦園は宇和島藩主・伊達家の過ごした浜御殿の一部に造られた池泉回遊式の大名庭園で、完成は江戸時代後期。宇和島藩の初代藩主・伊達秀宗伊達政宗の長男であり、その子孫・宗紀が政宗が詠った詩の一句より「天赦園」と名付けたそうです。
鬼ヶ城山の借景が美しく、場所によっては「現存12天守宇和島城をのぞむことも。以下は前回気付かなかった枯山水庭園部分。早い時間だったけどやっぱ素敵な庭園でした!



oniwa.garden天赦園のあとは街の東側の寺町地区へ移動。この地区に残る古庭園を巡る。ちなみに西江寺、等覚寺、明源寺のある一帯は「辰野川流域の寺町風景」として宇和島新24景に選ばれているそうです。


龍華山等覚寺庭園



立派な山門の寺院で、庭園は宇和島市指定名勝。江戸時代初期、初代藩主・伊達秀宗伊達政宗の長男)によって創建。それ以降は伊達家の菩提寺となっており、歴代藩主の墓所が県や市の史跡に指定されています。庭園は創建当時に造られたものとされ、現在では池の水は抜かれていますが書院から眺める池泉鑑賞式庭園。ソテツが植わっている雰囲気が温暖な宇和島らしい雰囲気を醸し出している。
常時公開ではないので拝観は事前連絡が無難です。
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西江寺庭園


ここは前回も来ました。愛媛県指定名勝の庭園。鎌倉時代に創建された宇和島最古の寺院で、伊達秀宗の城下町整備により現在地に移転。江戸時代初期作とされる枯山水庭園で、二方向にのぞめる借景の山々が美しい。広い芝生に築山と植栽という手法はあまり似た庭園を見ない気がします(あとは石橋も特徴的!)。
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明源寺庭園



西江寺の近くにある明源寺さんの枯山水の庭園も桃山時代〜江戸時代初期に築庭されたと推測されている、宇和島市指定名勝の庭園。西江寺のように広い芝生に特徴のある石組、そして築山と美しい山の借景。1枚目は手前に木が写っちゃってるけど、この辺りの位置から借景と築山を一緒に楽しむのが一番だったのでは…と感じました。常時公開ではないので拝観は事前連絡が無難。

あと以下はお隣の「山本内科」さんの庭園。ガラス越しに見えた庭園、素敵だし歴史ある庭園なのではという気がして。気になる!

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金剛山大隆寺



等覚寺よりも南側(山っぺり)にある寺院「金剛山大隆寺」。こちらも伊達家の菩提寺で、本堂裏?には市指定名勝の庭園があるのですが、拝観は断られてしまいました…。でも上の写真だけでも結構造園に力入れてる感は伝わってくる。

宇和島の町並み



ということで、今回はレンタサイクルができなかったので行動エリアも限られて。本当は普段行かない街はもっともっと街をめぐりたいけど今回はそれはかなわなかった――けど前回来た時多分歩いていない上記エリア(駅のちょい北側から続く飲み屋街)は夜も朝も歩いていて楽しかった。

中心商店街「きさいやロード」も10万人を切った規模の街のアーケード街としては日本屈指の大きさじゃないでしょうか。西条や新居浜の数倍も立派だし、というか宇和島の人口が10万人に満たないことが驚き。お城の規模、中心街の規模からするともっともっと大きな街の印象を受けるんだけど――さすがに四国の最西南という大都市からのアクセスの悪さを考えれば、地方の過疎の波に飲まれているということかねえ…。新居浜が20年で13万人→12万人という人口減に対して、宇和島は15年で9.5万人→7.7万人、、、。





予讃線の風景

そして予定通りの列車で宇和島を出ます。宇和島卯之町の間で見られるこの《みかん畑と宇和海の風景》、日本三大車窓に負けず劣らない位めちゃくちゃ絶景だと思うのです。

にしても乗客少ない…松山行ですらない八幡浜行。松山から宇和島までは特急で1時間半、鈍行で3時間。意外と遠い。鈍行でなく高速バスを使うと2時間ぐらいで、JRよりも安い。今回の中国〜四国の移動は福山→今治、(新居浜→)西条→松山、松山→宇和島と結構都市間バスを利用した。正直本数も列車よりも多いし時間も多少速いので助かるし便利。…そりゃJR四国も経営が難しいよね(京都でホテルを運営するって報道があったけど、そうやって関連ビジネスで収益源探すよな…という)。失われてほしくはないけれど。

伊予の大阪。八幡浜の町並み





宇和島から約1時間。八幡浜へ初めて来ました。お隣の大洲市が「伊予の小京都」ならばこちら八幡浜は良港を持ち「伊予の大阪」と呼ばれ栄えた商業都市。駅から少し歩いた場所(港方面)にかつての(現在も)中心街が残り、古い町並みや長いアーケード街が見られる。人口動向でいうと宇和島の傾向と同じでなかなかの減りっぷり、この15年で4.4万人→3.4万人…。

ただなんだろう…歩いていた印象としては、「昼間に街を歩いている人が意外と多い」。栄えているとまでは言えないのだけど、モータリゼーションに食われた地方の人通りの無い商店街って本っ当に人通り無いので。それと比べると八幡浜はまだ商店街が生きている感じ。これは市内中心部を通る道路が片側一車線で、車だと渋滞して不便というのがあるのかも。ところで上に写真載せた「大正湯」。2月に放送された『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』にも出ていた。八幡浜の街にはレトロな銭湯が似合う。





八幡浜駅から徒歩20分程の位置に九州へ渡るフェリーが出ている八幡浜港があります。そこへ向かいつつ忙しなく街歩きを…したものの、街中に残る文化財建築や三階建旅館も場所を特定できないうちにタイムアップ。ああもっと歩きたかったー…!



ということで11:45発のフェリーで愛媛を後にします。…ていうか「宇和島フェリー」の時刻表ばかり見てたけど(宇和島フェリーのこの次の便は14時台)、よくよく調べると「九四オレンジフェリー」が同じ航路で1時間後の12:45発の便があった。…それを知っていれば八幡浜をもう1時間歩いても良かったし、宇和島をもう少しゆっくり出来たかも…。で、「卯之町にも寄れたかもしれない!」とか結局迷う(ザ・優柔不断)なので、西予地方もまたいずれゆっくり来ます!八幡浜には駅・港から5km程離れた「川之江」地区にも、明治・大正の香り漂う古い町並みがあるようでそちらも気になる。

昔は新幹線・18きっぷとレンタサイクル中心だった旅も、LCCを始めとした飛行機で行く範囲が広がり、今回は都市間バス、そして前月の五島列島あたりからフェリーにも幅が広がってきた…。愛媛の西部・八幡浜と大分の南部・臼杵市を結ぶ航路。決して今後利用者が伸びる路線ではないだろうけど、、、船がリニューアルしたばかりできれいだったし、なんというか旅行者的には「心くすぐる航路」なので、頑張ってほしいなあと思うのです。佐伯・宿毛のフェリーもいつか乗りたい!

というわけで大分・臼杵編へ続きます。
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