天皇杯・FC東京-水戸ホーリーホック @ 味の素スタジアム / 東京散歩。『トロールの森2015』@ 善福寺公園 / 大田黒公園の庭園 など
天皇杯・FC東京-水戸ホーリーホック @ 味の素スタジアム
FC東京がJ1の力の差を見せつけ完勝。前田も船谷も良いプレーをしていた
天皇杯4回戦・FC東京-水戸ホーリーホック@味の素スタジアムへ行きました。FC東京を見るのは5月のレイソル戦以来、水戸を見るのは昨年9月にジュビロとの試合を見て以来。一応J2所属チームのサポとして、水戸が面白い試合をしてくれることを期待していたんだけど、着いて早々にFC東京が前田のゴールで先制!J2相手だしFC東京はメンバー下げてくるかと思いきや全然そんなことなくほぼベストメンバー(あれ?ていうかなんで太田居るの?代表じゃなかったのか)。その後、途中出場の橋本がスーパーなミドルを突き刺し(あんなんJ2じゃ打つ選手居ないで…)、2-0でFC東京完勝。水戸もそこそこボール繋げていて悪くなかったけどさすがにほぼレギュラー組だった東京が強かった。
個人的にはやっぱ元ジュビロ組、前田と船谷に注目。まず前田について――去年までと比べて身体もキレている、プレーの質も良い。J2相手だし…と言っても、1年前は前田を擁して水戸に1-4で負けたんだもんね…。まだJ1で年間3位のチームで立派に前線の核の一人になる力がある選手だった――複雑だけどやっぱ嬉しい!よ。前田の、中央に入ってくるタイミングの良さ。これがジュビロの晩年では活きてなかった。この日のFC東京の前線のコンビネーションを見ていると、前田でなく東や中島が先に中に入って、空いたスペースに前田が入り込む。こういう「誰かが先に入る」動きが――ジュビロに出来る選手が居なかった(金園ぐらい。でも金園と同時に出ることも最後は少なかったから)。
ジュビロは「1トップ以外の誰かが先に入る」動きも足りていないけど、中に「前田以外」今では「ボスロイド以外」だけが中に入っていたらクロスも上がらない。「上げたクロスに対して後ろから入り込んでくる」――という動きすら期待されていないのがジュビロサッカー。いくら競り合いが強い選手でも中で待ってるだけでは相手に対応され易い。今季はまだアダイウトンが先に中で待ってたり、もしくは後から入ってきてゴール決めたりと、ボスロイドとスペースを使い合っているけど。FC東京は前田以外に東と中島と二人も「前線の核」になっていて、そうした選手が先に入る時は鋭く低いクロスが上げている。そうやってクロスや得点パターンを増やさないとJ1では苦しむんだろう…ということを感じました。
水戸はそこそこボールは繋いでいたけど、なかなか点をとれるサッカーではなかった。2010年頃のジュビロを見ているような「ポゼッション幻想」という感じ。サイド深くまでボールを運んでも、クロスじゃなく戻しちゃう(場合によっては最終ラインまで)。いざ中にくさびのボールを入れてもズレてしまう。途中投入の鈴木武蔵もなかなか活かし切れない。その「ポゼッション幻想」のサッカーの中で、船谷の守備への運動量の多さと無駄走りの多さに――なんかぐっと来たなあ。味方の前線の無駄走りに対してボールをこねていた船谷が、自ら率先して無駄走りをしている…成長したなあ…!
ただ、船谷を始め前線の選手がサイドや裏のスペースに上手く走りだしても、水戸の中盤からそこへボールが出る回数がかなり少なかった。無駄走りをほんと無駄に終わらせるシーンが多かった!もっと使ってやれよ!(と、2010年頃のジュビロを見ていてもそう思ってたっけ…前田が動き出していてもボールが出ないシーンが多かったっけ…)船谷のその走りへの意識は退団した鈴木隆行の意思を継いでいるところもあるんだろうなあ。やっぱあの代のジュビロに居た選手は応援したくなる。しかしまあ、J1とJ2の差がこれなんだと実感する試合だった。J1との試合、見たいなあ…。
もう一つJ1とJ2の差を感じたことを追記しておく。水戸が相手を押し込んだ時の距離感は、ピッチ全体の1/4(相手陣内1/2)ぐらいでパスを繋ぐ。相手もその範囲内で引いて守備するから、その1/4のスペースしか無い。スペースが無いから、選手のランのスピードも上げづらいし、ボールが多少でもずれたりトラップが流れるとボールを奪われる。それに対してFC東京は、相手を押し込んだ時ピッチ全体1/3ぐらいの距離感でパスを繋ぐ。水戸と比べると距離が離れている、そこで奪われないためにはそれだけのパススピードが必要だ。でも、そのスピードでサッカーが出来ている。距離感がある=スペースがあるから、スピードアップもし易いし、例えば中央でくさびになる前田にとってのスペースも十分ある。同じ「相手を押し込む」でも、ただボールを繋げばいいもんじゃない。距離感って大事だなって思った。
以下は最近東京で見たいろいろ。
『トロールの森2015』@ 善福寺公園
吉祥寺駅を挟んで井の頭公園とは逆側、善福寺公園で野外アートイベント『トロールの森2015』(公式サイト)が今年も始まっていたので鑑賞。毎年やってるけど見に行けているのは隔年ぐらい、前回行ったのは2年前。今回は西荻の街中にも展示があるみたい。春には桜も綺麗な公園ですが今の時期は紅葉も綺麗です。今回展示に参加している中で、水谷俊博研究室は越後妻有トリエンナーレにも参加していたっけ…と思ったら、9月にも行ったかっこいい美術館「アーツ前橋」の設計がこの方だった!
杉並区立大田黒公園
杉並区立大田黒公園。大正〜昭和に活躍した著名な音楽家の屋敷跡の日本庭園。来週ぐらいからモミジの紅葉が見頃らしい。近くに「角川庭園」というのもあるんですがちょうど休館日だったのでまたいずれ…。
oniwa.garden
西郊ロッヂング
荻窪駅近くの気になっていた建物・西郊ロッヂング。国の登録有形文化財の旅館。近年でもロケ地として使われたりするようです。中見てみたいなー…と思ったら、賃貸もやっているとのこと。調べてみた。荻窪の駅近と考えてもこれは意外と安い!まあ「国の登録有形文化財に住める」と言えば聞こえはいいけど築80年の木造と言われれば安くて当然なのか…。でもこんなエントランスの自宅、かっこいいなあ…!
横河武蔵野がJリーグ入りを表明。
www.sanspo.com
(これはその週の日曜日に出たニュースですが、)武蔵野市の大企業・横河電機が母体となっているサッカークラブ、横河武蔵野FCがJリーグ入りを表明。サッカーに偏った地元紙・静岡新聞にも(Honda FCと沼津の試合評のついでに)横河武蔵野Jリーグ目指す宣言が載ってた。今までも年に数回試合は見に行き続けていて、仲良くしていただいている武蔵野サポが居る――というのを除いても、吉祥寺に10年以上住んでる身として(今の住所は三鷹市だけど生活圏はほぼ武蔵野市)、地元クラブがJ入り目指すってのは――なんか大ニュースじゃないか――とじわじわ感じている。J目指すって言われると今までみたく気軽にゴル裏行っていいのかなって構えちゃうけど(笑)
この宣言された以上、武蔵野市とは握ってるんだろうし。ずっと住みたいと思える街だから、浜松で暮らした時間より東京で過ごした時間の方が長くなる頃には思い入れも変わるのかなー。ムサリクでJ開催出来る?って疑問も見たけど、いざとなれば三鷹駅からバスで味スタがある(笑)盛岡球みたいな小さなスタで問題無いならどうにかなる勝算もあるんだろうけど。そもそもJFL時代から成績も良くなく観客が少ないYSCCが加盟できてて(YSファンには申し訳ないけど…)、横浜市は3つのJクラブが三ツ沢使ってる状態というのがまず変なんだよ。それが出来るんだったら武蔵野市のクラブが味スタ使うことにおかしさは無いはず。(ヴェルディだって調布はホームじゃないわけだし)
ま、それでもムサリクのキャパが課題になるとしたら、武蔵野市で余っている土地は「武蔵野中央公園」ぐらいか。正直そこしか無いぐらい。でもあそこはただっ広いから小さな専スタなら建つ広さあるんじゃない?なるべくはムサリクでと考えているんだろうけど…。「横浜は300万人の大都市だから3つぐらいあっても…」という理屈だとしたらそれもわかるので、逆に東京都にもっとクラブがあっていい!J3が「東西分割したいからクラブ増やしたい、そうだセカンドチーム!」みたく良い様に使われている状態なのなら、もっと地域のクラブが増えてほしいし、都内自治体がスタの位置関係なく国取り合戦状態になってる現状があるから。一つぐらい身近な「おらが町のスタジアム」があっていいじゃない。
まあ実際のところの話を聞く機会はまたあると思うんですが…、消滅した佐川滋賀、JFLを脱会し規模を縮小する佐川印刷(SP京都)の例や、「J3はJ2ほど条件厳しくないのに。JFLなだけで損」みたく見えている現状考えると、今回の武蔵野の表明は他企業クラブへ与える影響もあるのかもなあ。最も好きなクラブがジュビロ磐田、現在住んでいる地域に最も近いクラブが横河武蔵野だとすれば、最も地元のクラブはHonda FC。Honda FCと横河武蔵野の「自分ダービー」が無くなるのは寂しい…どうなるんだろうHonda FCは。あとジュビロとの縁で言うと、宮崎がもともと横河下部組織の出身。Jを目指す頃に宮崎が移籍してきたら面白い。紅葉が始まっている井の頭公園。前とは逆側でかいぼりが始まっていて水位が下がっている。四季の移ろいを感じられるこの街に、Jリーグを目指すクラブができる……