ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

AIR JAM 2012 @ 国営みちのく杜の湖畔公園 / 東北・三陸海岸を巡る旅(八戸〜種差海岸〜久慈〜小本〜宮古〜北上〜気仙沼〜石巻〜松島海岸〜仙台)

今年もAIR JAMへ行ってきました。昨年AIR JAM 2011エントリはこちら。「東北の人に見てもらいたいから今年は行かない」といった人の判断もわかるし、そういう気持ちもあったけど、東北先行受付が最初にあったこと、途中の運営(ハイスタ)の「売り切れてません」宣言、そして最後の当日券エントリとある中だったので、「売り切れていないんだったら僕の入場料なんかで足しになるのであれば…」と最後の当日券エントリで行けることになりました。…と言っても最初のエントリで(多分写真不備で)落ちていたり二次を申し込み忘れていただけで、元々行きたかったのは3連休のその後の日で東北を旅行できる初日だったので良かった。

色々書いてたら思ったより長くなってしまいましたが、はじまりはじまり。

今回の東北旅行計画

てことで日曜に当日券が当選し東北行き決定(外れていたら神戸アウェーに行くつもりだった)。浮かれたのも束の間、宿を探し始めると友人に言われた通り仙台近隣の宿は全滅。この2年ですでに6回東北旅行していて、色んなところに行っている中で今回の旅は三陸の方に行きたいと思っていたので宿も仙台じゃなくて良いのだけど、基本的に少し離れるともう終電が厳しかったりするし、一ノ関方面も3連休で平泉に行く人も多分多くって×(ついでに言うと盛岡も×)。比較的終電の遅い山形方面も×。新庄はまだ少し空きがあったけど、終電の21時ちょい過ぎというのはハイスタ終演後(20時)だとギリギリ過ぎる…。

昨年の東北旅行でも利用した北海道東日本パス(10,000円で7日間乗り放題)を今回も使いたかったから普通列車縛りで考えていたけど、それだとなかなか厳しくって、そしてどうせ有給とらず3日間の行動になるのなら新幹線も使えるスリーデーパス(3連休中乗り放題で13,000円)のがいいのかな…と思い始める。「南には戻りたくない」とした上で、新幹線含めた終電で行けそうな範囲で宿の供給が安定していたのが八戸(それでも会場からスムーズに駅まで戻ってくること大前提だけど…)。今春に東北旅行した時にも本当は三陸の方に行きたい気持ちもあったけど、秋田青森回りで行けなかったこと、八戸線にも乗ってみたかった、ので、スリーデーパスで八戸へ行くことを決める。

八戸まで行って、翌日は八戸線で行きたかった種差海岸行って(リゾートうみねこは早めに予約)、三陸鉄道宮古へ。一年前行った宮古の風景はそれなりにショッキングだったけど、もう一回浄土ヶ浜へ行ってみたい。2日目の宿候補は宮古、北上、釜石の中から今のところ北上の予定。でもできれば三陸を走るバスを駆使しつつ、宮古から釜石、釜石から(碁石海岸寄りつつ)大船渡までバスで上手く乗り継げないかなあ、と思っていたりする。現段階でにらめっこしている感じでは難しそうだけど。1日休み合わせられればもう少し行動範囲広がるのになあ…(まあその場合スリーデーパスじゃダメだけど)。そんな、今回は久々にサッカー成分もアート成分も無い旅行になりそう。ローカル線成分はちょっとあるけど、せっかくのスリーデーパスだから新幹線もある程度使うし。東北にお金落としてるんじゃなくJR東にばっかお金落としてる感じがするけど…。青森県美や十和田現代美術館の奈良さん展がもうちょい早始まりならまた違ったかな。

AIR JAM 2012 @ 国営みちのく杜の湖畔公園

当日の朝。(最近数回は仙台へ鈍行で行っていたので)「新幹線だと早いなー、家から2時間ちょっとじゃん」と軽く考えていたのと、元々12時台のバスという弱気な券を買っていた――という気の緩みから、予定より起きるのも家を出るのも遅れ…。いやそれでもはやて早いわ。休日ダイヤや乗換が超スムーズにいったのもあったけど、吉祥寺出たところから仙台着まで2時間切ったもん。ただその後、3連休で埋まっている、わざわざコインロッカー探してしまって…見つからなくって…せっかく13時ちょいで着いたのに、14時台のバスで会場の国営みちのく杜の湖畔公園へ。この会場へ来るのはアラバキではなく昨年のミスチル以来です。

MIGHT CROWN

マキシマム ザ ホルモン、AA=の頃には着いていたけど、クロークに荷物預けたり場内をまわったりしていたので観始めたのはMIGHTY CROWNから。場内を回っている間に、大作戦エリアでONDA VAGAが流れていたり大作戦エリアでFBY田上さん&KEMURI南さんと写真撮ってもらったり。

MIGHTY CROWN、本人の言う通りアウェーだったけど、AIR JAMの他のアーティストでは出来ないパフォーマンス!最初はラモーンズやブルハと言ったパンクをかけていただけだったけど、「横浜の大先輩からメッセージを預かってる」と言ってCKB横山剣さんのメッセージ〜“タイガー&ドラゴン”のAIR JAM替え歌バージョンを流したのを皮切りに、キヨサクが登場したり、FIRE BALLの“Bad Japanese”AIR JAM 2012仕様とかむっちゃかっこよかった。途中DJ KENTAROも登場!「仙台出身の世界チャンピオン」というのでピンときたけど、「難ちゃんに言われて」って言ってた。難波さん、幅広いブッキングするなあー。最後に流したBRAHMANANSWER FOR...”の前のTOSHI-LOWの台詞も、昨年のMC?と思ったけど「東北AIR JAM、始めます。」って言ったから、ああこれも録ったんだなあと(歌詞も違った)。すごい。

Dragon Ash

Dragon Ashは“AMBITIOUS”から始まって、懐かしい“Bring It”、おもむろにKjが始めたハイスタ“ENDLESS TRIP”のカヴァー。そこからの“百合の咲く場所で”“Fantasista”“Viva la Revolution”の畳み掛け。特に“Viva la〜”はなんか感動したなあ。別にライヴで聴くの初めてじゃないのに。

なんて言うんだろう…この頃のDragon Ashってそれこそこの曲の歌詞にもあるような「僕達の世代」っていう、世代代表みたいな存在になりつつあった(ように思ってた)。けど、DAにとっては上の世代、ハイスタってやっぱり憧れの存在だった。けど、当時はもうDragon Ashがあまりにスターダムにのし上がっていたので、「AIR JAMでのDragon Ash」っていうシチュエーションはきっと、AIR JAMのこの10年の空白があったからこそ実現しえたものでもあるんだろうし――色んな意味での「念願のAIR JAM」とこの曲の歌詞の素晴らしさがシンクロしたんだと思います。でもやっぱ200万売ってる曲はすごい。

HUSKING BEE

AA=の頃からもうハイスタ側のブロックは入場規制が掛かっていて、ハスキンの頃にはかなそこの入場を制限するアナウンスが行われていたけど、でもハスキン側の最前ブロックは結構空いていた。。これまではブロックの比較的後ろで見ていたけど、ハスキンの時はモッシュゾーンに行きました。久々過ぎてすぐ身体が痛くなった。

復活してからは初めて見るハスキン(多分2004年に初めて行ったRIJF以来とか!)。やっぱ“#4”とか“BY CHANCE”に上がるわけですが、最近“THE STEADY-STATE THEORY”を聴いていたりしたのでやっぱそれが嬉しかったのと、終盤は“摩訶不思議テーゼ”“新利の風”“WALK”みたいな感じで締め。どんどんも歌う曲が多い印象を受けたのは、このメンバー構成で復活したからなんだろうけど――途中、イッソンの口からハスキンを継続的に活動することの宣言がなされる。それと同時に、テッキンの脱退やイッソンが父親になることが発表される。

Hi-STANDARD

そしてハイスタ。僕にとってのハイスタ、みたいなのは昨年書いたんで割愛しますが、正直今回は「終電に間に合わすために、バスが混む前に会場を出るにはどこで抜けるべきか」みたいなことを考え過ぎて昨年ほど完全燃焼とはいかなかった(まあ昨年もスタンドだったから完全燃焼とはいかなかったけど)。だから最初は完全に全部後ろで見ていようと思ったけど――どのタイミングで「ちょっと行ってきます!」って言って(JAM STAGE側の)モッシュピット行ったかはよく憶えてないけど、“TURNING BACK”“STANDING STILL”“SUMMER OF LOVE”“DEAR MY FRIEND”は行ってた。ああ、楽しかったなあ。

その後も“California Dreamin”“CLOSE TO ME”“Teenager Are All Assholes”と続く。この頃にクロークに荷物とりに行ったりして、後ろから眺めて、“FIGHTING FISTS, ANGRY SOUL”“ENDLESS TRIP”“SATURDAY NIGHT”“BRAND NEW SUNSET”。こうして並べてみるとこの時点で昨年よりも曲多い。本編が終わったところで会場を出る。11年ぶりの昨年からの1年ぶりのライヴなんだけど――なんだろう?今回はなんだかすごく当然のようにハイスタが現れてくれたというか。今思えば昨年は観客含め場内に緊張感があったような気もするし、今回のライヴを見た後だと固さもあったように感じる(影響力の大きさを測りながらやっていた)。今回は前回以上に「ハイスタだ」って思えたというか、上手くまとまらないけどそんな感じ。とにっかくあの3人の並びがかっこよいってこと。

アンコールで“STAY GOLD”、そして“MOSH UNDER THE RAINBOW”。それは会場外から、遠くなるバスの中で聞いていた。まあ終電気にする状況じゃなくても並ぶのが嫌な人間だからきっと仙台に宿とっていてもアンコールは見なかっただろうな。バスに向かいながら手を挙げながら“I won't forget!!”って歌ってる人が多い光景も、面白い光景だったけど。

この会場で初めてとは思えない成熟さを感じた東北AIR JAM


今回のAIR JAMの会場は、(アラバキとは全く違うとして、)昨年ミスチル見に来た時と似た構造だった。人は今回の方が確実に多くて、ハイスタの時は本当にうっしろの方まで盛り上がっててその光景には感動。あと意外とフードエリアのビジョンで見ている人が多かった(笑)ハイスタ、生で見なくていいの!?(遠いとしたって)

AIR JAM、都市型フェスって言われたこともあったけど、郊外でも全然出来るじゃん」的なことを健さん?が言ってたけど、本当にいい雰囲気で、(東北の出店中心の)ご飯も美味しくて、協賛ブースとかもAIR JAMっぽいものが集まってて、バスとかもスムーズに運行されたと思うし(翌日も色々オペレーションを改善したらしいし)、なんかとにかく良かった。初めての会場のフェスにありがちな不備みたいなのは殆ど感じなかった。ARABAKIは当然ながら多分先月の東北ap bank fesのノウハウも発揮されたんだろうし、お客さんもいきなり郊外になってもそれこそアラバキフジロックRIJFみたいな郊外型フェス慣れした大人ばかりだったんじゃないかと。(Tシャツを見ていても)

そんなとにかく良いフェスだったので…今回で「東北でエアジャム」っていう一つの目的は達成されたんだろうけど、これだけ整ったものが今年限りは勿体無いよ。来年どうするか、どうなるかは、ハイスタの3人もまだ決めてないんだろうけど、続けてほしいなあ。途中MCで健さんが「昨年、日本の為に集まったなんてデカいこと言っちゃったけど、そうじゃなかったかもしれない。やっぱり自分たちがやってて気持ちいいことをやってるんじゃないか」みたいなこと言って、難波さんが「いや、そんなことないよ。日本のために集まったんじゃない?」みたいなこと言うやりとりがあったけど。それでもハイスタが、AIR JAMがあることで、勇気付けられ、実際に東北のことを忘れない人も居ると思うから。ハスキンみたいな活動宣言を期待しているわけじゃないから…続けてほしいな。

さて、バスもほぼ並ばずに乗れたので割と余裕で新幹線最終間に合った。旅の続き、新幹線のはやて・こまちの最終で八戸へ。大宮から仙台まで1時間10分だけど、仙台八戸は1時間20分。遠くまで行くなあ。下り新幹線の車内にもエアジャム関連のTシャツの人、ちょいちょい居た。秋田や青森から日帰りで来たんだろうな。そう思うとほんと東北エアジャムの意味を感じるというか、健さん?の「ハイスタがまた東北に帰ってきたよ」的なMCを思い出してぐっときた。それこそMAKING THE ROAD TOUR以来だったんだろうか。前述の通り同じ東北でも仙台って南の方だし、最も被害の大きかった三陸沖からは多少距離もある。なんか…続けてほしいなあ。また場所を変えたりしても。

東北・三陸を巡る旅(八戸〜種差海岸〜久慈〜小本〜宮古〜盛岡〜北上 / 北上〜一ノ関〜気仙沼〜柳津〜石巻〜矢本〜松島海岸〜仙台〜東京)


ここからは写真が異様に多くなったので畳みます。というか一つのエントリに全部載せることに無理があるような気もしながら。(←とか書いて当初は折り畳んでいましたが、やっぱ全部見えるように開きます。東北の景色を忘れないために。)

2日目・八戸〜鮫〜種差海岸

日曜。10時16分八戸発の「リゾートうみねこ」の指定席は買ってあったんだけど、種差海岸を通過するだけじゃなくちゃんと歩いてみたかったので、一本早い9時06分発の普通列車で鮫へ。鮫ちゃん。ちなみに八戸市八戸駅じゃなく本八戸が中心街だそう。今回は全く寄れなかったけどまたいつか来てみたい。



鮫に着くと、駅の外に本当に鮫。ここからバスで種差海岸を眺めつつ向かうルートなのだけど、バスが来るまで15分ほどあり、また徒歩10分程でウミネコの繁殖地とされる蕪島。とりあえず歩いて向かってみる…も、ちょうど蕪島に着いたところでバスが来てしまった。蕪島は探索できず。そしてバスで種差海岸沿いを走る。


バスから見える景色も良かったのだけど、種差海岸の駅から近い「淀の松原」は、芝生とゴツゴツした岩と松がバランス良くあって、すごく気持ちのよい場所だった。キャンプ場になっていて、この日も小中学生ぐらいのグループが居た。ここで朝目覚めたら気持ちいいだろうな。




リゾートうみねこに乗って。種差海岸〜久慈〜田野畑

種差海岸の駅から「リゾートうみねこ」に乗って南下。こういうリゾート列車、5月に乗った越後妻有号以来。




久慈の駅で20分程の停車時間があったので、駅の外へ出てみる。うに弁当美味かった。駅前は思ったより栄えている雰囲気。また、この辺はまだ海からは遠く震災の爪痕は見受けられない。

けど、久慈から南――すなわち震災後不通になってて、最近(4月?7月?)に開通したエリアを走り始めると、はっきりと爪痕の残る風景に。三陸鉄道の車内アナウンスの通り、レールやその土台も新しいことがわかる。(一番前の車両だったので運転席越しに見に行った)三連休であるとか、そんなことは関係無く、工事車両が行き来している。やがて終点、田野畑に到着。ここからはまだ不通区間。ここからは代行バスで移動。





小本〜三陸鉄道「てをつな号」で宮古

代行バスで2、30分(三陸って本当に海からすぐ山なんだなあ)、小本駅に到着。岩泉町。バスで龍泉洞まで行けるそうです(本数は多くないけど)。電車まで1時間ほどがあったので、「小本港」と示された場所まで歩いてみた。




おそらく、あるはずだったであろう道路は無く、足元に根こそぎ持っていかれた街灯の残骸が1年半経った今なお残っていた。ここでも工事車両が走っている。あと知っていれば小本温泉に寄りたかった…。

小本駅に戻って、再び三陸鉄道宮古へ。車両が「てをつな号」!現在北リアス線の車両がすべて「てをつな号」で運行されているそうです。いいなあ。車内の広告もこれが中心で良い感じだった。



途中通過する田老駅は、ニュース映像で見ていた景色。一年半経って草も生い茂って、前を知らないと本当に最初から何もなかったみたい…。程無くして宮古へ到着。

宮古浄土ヶ浜を自転車で駆ける

1年ぶり宮古。ちょうど今日がお祭りの日だったようで、駅周辺は人が一杯だった。前回も十分に行動出来たわけではないけど、今回も約2時間半の滞在。でもレンタサイクルで動けたので動きやすかった。



浄土ヶ浜へ向かう中の景色。この辺は昨年も見た景色だけど、自転車で小回りするとまた全然違う。まだ玄関のブロックは新しいのに…とか。そのうちの1軒の家の外の標識にチェーンで結び付けられた錆び付いた自転車。もしかしたらこの自転車、一年半このままなのかな。


そして浄土ヶ浜から来た道じゃない道で帰ってみたら、思ったよりも上り坂が続いてかなりしんどかったんだけど、結果的に平野部を眺められる鉄橋に出た。

そして駅に戻る。



宮古〜盛岡〜北上


宮古からバスで釜石経由だともう北上まで行けないことがわかったので山田線盛岡行き終電。じゃじゃ麺食べて北上向かってこの日は終了。

3日目・北上〜一ノ関〜気仙沼

6時13分の東北本線の始発に乗るために6時前にチェックアウト。露天風呂が朝5時半に男性の時間が終了するという時間割だったので早起きの丁度良い口実にもなりつつ。

一ノ関で大船渡線に乗り換えて気仙沼まで。途中、猊鼻渓で降りてゆく人も。猊鼻渓もいつか行きたい。大船渡線は時折棚田も目に入ってくるローカル線。それこそ先週の小海線飯山線みたいな。内陸を走っている分、その先に不通区間があるとはとても思えない。目の前に座っていたのが外国人の方で、写真や映像を色んな角度で撮影していたのだけど(きっと何か作品にする系なのだろう)、寝て起きたら隣の日本人と会話していて(英語と日本語で)、日本人の人の方は「Tetsu is…あー、picture…」とか鉄ちゃんのことを説明していた。



リアス・アーク美術館

今回はアート成分の無い旅だと思っていたけど、前日調べていたら震災後休館していたリアス・アーク美術館が7月から再開館していた。せっかくなので行こうと決めたものの、観光案内所で聞くとバスはまず本数が少ない。少ないことは覚悟していたけど予想以上に無かった。レンタサイクルがあったので、「自転車だとどれぐらい掛かりますかね?」「遠いので…1時間ぐらいだと思うんですけど、坂とかもあるので」「ああ、それぐらいなら大丈夫です」とか言ってレンタサイクルで行くことに決定。

大体レンタサイクルをして目的地に行こうと決めている時は事前にMapFanとかで距離を測っておくのだけど、今回はそういうのしてなかったから一時間というのを鵜呑みにしたけど――そんなに遠くなかったです。割とだらだら走って40分だから、頑張れば(+同じくレンタルしてる電動付きだったら)30分で行けるんじゃないか。さすがに最後の坂はちょっとしんどかった、けど越後妻有のそれと比べればまあマシかも。

隣には市の総合体育館のようなものがあって、またそこまでの景色で他の場所でも見たのだけど、仮設住宅が立ち並んでいる。そこから遊歩道を登ると、リアス・アーク美術館。




気仙沼を自転車で駆ける

ここまではあまり震災の爪痕を感じる風景ではなかった。来た道を下って、美術館とは逆側、気仙沼港と記された方角へ向かう。途中、川と気仙沼線の線路を挟んで、景色は一変する。




宮古でも爪痕の残っている土地を走ったけど、気仙沼のそれは規模が全く違った。特に港の北側、唐桑地区とされるところ。船の位置、港から結構距離があった。国道に止められた車のナンバー見るとやはり割と色んな地区のものだったりして、あとは丁度WE ARE FUCKIN' ONE Tシャツを着ている人が写真を撮っていた。それ以外にも駅に戻った後に、新たにレンタサイクルした人もSTOMPIN' BIRD Tシャツを着ていたりして、やっぱりAIR JAM後に東北を周遊する人は結構居たんだなあと思う。

海鮮丼食べてたら朝の電車で一緒だった外国人の方とばったり会う。

気仙沼〜柳津〜前谷地石巻

13時50分のバスで気仙沼駅発。気仙沼は5時間滞在。本当はこんなに滞在する予定じゃなかったけど、この後の柳津駅からの電車の本数が思ったより少なくて、結果気仙沼に長く滞在することになった。でももうちょっとちゃんと計画を立てていれば、もっと早く出たか、もしくはもっと効率的な行動が出来たかな。

さて。ここから代行バスは「BRT」と表記されていた。途中、元々路線があったと思しき場所が道路として舗装されていて、そこを通ってゆく。当然途中に駅もある。BRTってこういうことなんだ。すごい。こういう道が続くのかな?と思ったけど、そんなことはなくて――途中から何度も元々は電車用の鉄橋だった部分が破壊されている景色を目の当たりにすることになる。



この道中もバスの車窓から何度か写真を撮っているのだけど、それでも今この景色の中で暮らしている人たちもバスに乗っているわけなので、失礼かもしれないなって少し思った。思いつつ…しかしこの道中の景色は、個人的には気仙沼の規模が違う光景よりも衝撃として感じる部分があった。代行バスの駅(バス停)こそあるけど、そのバス停の周辺が基本的に壊滅的な被害を受けている。でもそこで降りていく人が居る。おそらく駅によっては、その集落ごとなくなってしまっている。その中でも生かされている人、これからそういったことを背負って生きていく人が居る。

僕にはその背負っているものはわかれないだろう。皆が皆、前向きとか希望とかそんな気持ちになっているかもわからない。けど、自分に対して「不幸」とか「絶望」みたいな気持ちにはならなくなったし、それ思っちゃいけないなって思うし(静岡県人としては他人事ではない気持ちもあるし)、今の自分には大して何もないが、手助けができるような人間になれたらその時は手助けをしたい。旅行だけして所詮なーんもしてないですけど、正直なところ。

やがてバス(路線)は内陸を走り、終点の柳津の駅へ。柳津の駅はレンタサイクルこそあれ、周辺にあまりなにもない駅だったので、早めに来すぎても持て余したかなと思った。柳津のその先まではまだ路線が延びているけど、それまでの道中を見ている限り、とても鉄道の路線として近い未来に復旧出来るとは思えない…。柳津を出て気仙沼線を南へ。ここからは内陸を通る路線。前谷地石巻線へ乗り換えて石巻へ。

石巻を歩く

17時07分石巻着。ホームの階段がいきなり仮面ライダー!特別にこういうのに詳しいわけじゃないんだけど、1月に行った水木しげるロードもそうだったけど、なんか上がるよねこういうの。駅舎も素敵だし。



着いた時間が時間だったので、徒歩で1時間歩いただけ。もう少し早く来てレンタサイクルをして海沿いまで行ったらまた違う印象を受けたんだろうけど、駅周辺はまだ観光地として成り立っている。それでもさすがに川沿いまで行くと、確かに爪痕がある。(このあたりは、三陸以上に震度は大きかったから)




石ノ森萬画館。なんか島根県立美術館みたいなイメージ。でも震災の影響で休館中っぽかった(工事中だったので)。




石巻〜矢本〜松島海岸〜仙台〜東京

18時14分に仙石線で出る。矢本で代行バスに乗換え、松島海岸経由で仙台へ。その後の石巻線・小牛田行きでも仙台へ着く時間は殆ど変わらなかったのだけれど、今回何となく「なるべく同じルートを通らない」ことを意識したのでそっちルートになった。でもこの時間では暗くて海岸の景色を眺められなかったのが残念。石巻ともどもリベンジしたい。田代島も行きたいし。



そして昼間自転車で走り回って(しかも東北とはいえ気温は全然高い)、なかなか汗臭かったので松島海岸駅から徒歩10分ちょっとの日帰り温泉に寄って、仙台へ戻ってきて、最終一本前のはやて・こまちの指定席がもう取れなかったので、最終のやまびこで帰京。これでスリーデーパスの旅も終わり。乗車券に換算すると約27,000円分(計算した。それプラス特急料金や指定席料金も若干掛かっている)。キョリ測でざっくりルートを計算すると約1,000km。

旅振り返りまとめ

今回の東北旅行では初めて行った街も多かった。思い残すことがあるとしたら――というかそんな全てを全て一回で達成出来るわけないから次回以降にまた行きたい街が増えたってことなんだけど――宮古から釜石までもバスで巡ってみたかったし、釜石から大船渡もバスで巡ってみたい。碁石海岸も行ってみたい。次は石巻をレンタサイクルで走りたいし、仙石線代行バスも明るい時間に乗りたい。あとせっかく宮古石巻っていう東北ライヴハウス大作戦のライヴハウスがある街に行ったのに、場所を見に行ってもないんだよなあ。

9月以降に始まる青森での奈良さん展×2とかも行きたかったりするので、今年中か年明けか、また東北旅行できたらいいなって思う。三陸の今を自分の目で見られてよかった。長くなりましたが以上です。