ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

秋の庭園巡り・鹿児島編③。知覧〜枕崎編。知覧麓武家屋敷庭園群と重伝建地区の町並み、知覧特攻平和会館庭園、日本最南端の駅・枕崎駅…など

秋の庭園巡りファイナル!鹿児島編その3。志布志と同じく武家屋敷街の古い町並み群の残る知覧を約5年ぶりに再訪。前回の鹿児島県鹿児島市編は↓。
romitou.hateblo.jpromitou.hateblo.jp知覧へのアクセスは鹿児島中央駅からの路線バス(1〜2時間に1本)、そのバスが経由する指宿枕崎線平川駅(知覧からは一応は最寄り駅。歩ける距離ではないけど)でタイミング良く乗車できるとそれが一番スムーズなのだけど……タイミングが合わなさそうだったので、平川駅の先にある喜入駅からの路線バスにしました。この喜入駅からのバスは指宿⇒知覧という路線。


知覧麓武家屋敷の町並み(重要伝統的建造物群保存地区







重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている「薩摩の小京都」知覧。その武家屋敷群にはそれぞれ江戸時代に造られた庭園が残ります。
それにしてもお昼頃から鹿児島で降り出した雨がどんどん強くなっていく…そんな中での散策。どの写真も暗くなってしまって悔しいので次行く時はそこそこの好天がいいなあ…。

森重堅氏庭園



森重堅氏庭園は知覧麓庭園の中では唯一の池泉式庭園。その中でも鋭い石組みと刈り込みで中央の山を造っているところは他の知覧麓庭園と共通している。
oniwa.garden

佐多直忠氏庭園




佐多直忠氏庭園もその他の知覧麓庭園のように大刈込や鋭い石組を見所とした庭園で、借景の母ヶ岳が最も近く美しく映える庭園です。
oniwa.garden

佐多民子氏庭園



佐多民子氏庭園もその他の知覧麓庭園のように大刈込や鋭い石組を見所とした庭園ですが、その他の庭園と比べて石組みに迫力があります。
oniwa.garden

佐多美舟氏庭園



佐多美舟氏庭園は庭園群の中で最も豪華で広い庭園とのことで、中央の巨岩による鋭い石組が迫力あります。
oniwa.garden

平山亮一氏庭園



平山亮一氏庭園はこの庭園群の中で一番の大刈込を特徴とし、借景に母ケ岳をのぞむ庭園。大雨の日に訪れたので借景が見えづらいのが残念…。
oniwa.garden

平山克己氏庭園


平山克己氏庭園はやはり鋭い石組みを主峰とし、大刈込や借景に母ケ岳が見所の庭園。大雨の日に訪れたので借景が見えづらいのが残念…というかもうこの頃には池泉式庭園になるかのような土砂降りだった…。
oniwa.garden

西郷恵一郎氏庭園



西郷恵一郎氏庭園は白砂と鋭い石組みによる枯山水庭園。大雨の日に訪れたので白砂の美しさが伝わらないのが残念…。
oniwa.garden

旧高城家庭園



旧高城家住宅は「知覧型二ッ屋」と呼ばれる茅葺きの武家屋敷。国名勝「知覧麓庭園」には含まれていませんが、刈込み主体とした枯山水庭園があります。また併設されている「高城庵」では郷土料理をいただくこともできます。
oniwa.garden

知覧型二ツ家民家


大雨の中巡った武家屋敷街を後にして、今回のもう一つの目的。知覧特攻平和会館を目指します。知覧の現在のメインストリート、前回来た時は何も思わなかったけど、今回はこういった地方の商店街っていいなあ、と思った――昔はこのメインストリートも栄えていたんだろうなあ。



知覧特攻平和会館





「知覧武家屋敷」から約2kmの場所にある公園。第二次世界大戦中に陸軍の飛行場(知覧特攻基地)が置かれていた場所で、航空機で敵に体当たりする「特攻作戦」を主体として行う部隊が編成され多くの犠牲を生んだことから、それを語り継ぐための資料館「知覧特攻平和会館」を中心とした公園となっています。
この公園の入口にある枯山水庭園が実はかなりクオリティが高く気になっていたので、サイトでそちらを紹介したくて訪れました。情報が無いのでもう少し詳しく知りたい…ただ枯山水庭園群が見所の街らしい、こちらも素晴らしい枯山水
oniwa.gardenこの特攻平和会館の近くに「知覧温泉センター」という施設がある。なんと350円で温泉に浸かれます。地元の方々で超賑わってた。大雨の中急ぎ足で2kmの道のりを移動したので(上り坂含む)、雨だか汗だかわからない身体を一旦温める……けどバスの時間が迫っていたので20分ぐらいしか居られず。

知覧〜枕崎線

今回の旅行を計画していた段階で鹿児島の地図を見ていて、半島の中央・知覧と半島の最南部・枕崎が県道で一本で繋がっていることに気付いた。「路線バスとかあったりしないかなー」と思って調べたら、あった!本土最南端の市・枕崎もいつか行きたいなと思っていたけど、JRで来た道を往復というのも何か味気ないのでこれはいい。これは是非乗りたい!
てことで、特攻観音前バス停から乗車し、終点の枕崎まで約40分で移動。知覧は「知覧茶」が有名でもあるのですが、たしかに道中は茶畑だらけ。
ところでこのバス路線、見つけたのはいいものの道中乗っていたのは自分だけだった…。平日は4往復、土日は2往復のみ。その2往復のうち1本が乗客自分だけ……いつまで維持されるのやら(自分みたいな趣向の人からしたら #ええ路線 案件なんだけどなー)。この夕方の便も平日は学生とかが乗るのかなあ。

日本最南端・枕崎駅


というわけで、日本最南端のJR駅・枕崎駅へ到達しました!最西のたびら平戸口、最北の稚内駅はすでに到達済なので、これであとは最東・根室を残すのみ!
最北・稚内に行った時のエントリは↓。懐かしい。
romitou.hateblo.jp

枕崎の町並み



到着時間も夕方。何が見られるわけでもないけど電車の時間まで1時間半ぐらいあるのでとりあえず町を歩いてみる。駅前にはおしゃなレストランや銭湯もあり。時間をつぶす(そう考えるのもよくないけど)には十分だなーと。スーパーがあるから食料の調達にも便利。
しかし風が強い……あとは天気が良ければ(冬至直後だけど、日本の中ではかなり南西に位置してるので)17時台でも明るかったろうになあ。駅から徒歩20分ぐらいの場所にある「明治蔵」というところまで歩いたけど暗くて何がなにやら。

枕崎市文化資料センター「南溟館」



枕崎駅から徒歩5分ぐらいの場所にある芸術施設。もう閉館時間だったので外観のみ…ここに辿り着くまでも「最南の街」らしく風がめっちゃくちゃ強くて、ちょっと心折れそうになりながら。
枕崎市は「アートを通したまちづくり」を掲げているそうで、実際街の至る所に野外彫刻作品があって。「青空美術館」と名付けているそうです。いわゆる現代アートで盛り上がる――みたいな感じではないけど、なんかこういう街の特色はいいなあと思いながら歩いた。

青空美術館マップ - 枕崎市ホームページ
https://www.city.makurazaki.lg.jp/site/history/436.html
風の芸術展~トリエンナーレまくらざき - 枕崎市ホームページ
https://www.city.makurazaki.lg.jp/site/history/440.html


そして指宿枕崎線で鹿児島方面へ戻る。枕崎から鹿児島中央駅まで2時間強なので、最南を達成するのもなかなかラクではない…。難読駅名と今回の西日本の旅で唯一食べた駅弁。

帰路!

…ということでエントリアップし終わるまで大変時間の掛かった秋の庭園巡りもようやく終了。
ところで。志布志から空港行きのバスに乗る時、3人ぐらいで並んでたんだけど、そのうちの1人がキャリーバッグ引いた若い女性。バスが来るまでお母さんらしい人が一緒に居て「気をつけて」「何かあったら連絡してね」と話していて。フツーに親子なのかなー冬休みを利用して東京にでも遊びに行くんかなーと思っていた。
約2時間掛かって鹿児島空港に到着。チェックイン機を操作していたら、隣の機械を操作していたその女の子が話し掛けてきた。
「コレ、読メナイ。ドウシタライイ」
なんと。現地の高校生じゃなく(おそらく中国系の)外国人の方だった。
「英語は?読める?」
ヨメナイ」
結局一緒に操作してあげたんだけど。
志布志に…ホームステイ…?いやいや…留学制度で現地で働いているのか…それとももっと夜方面の仕事なのか…となるとさっきの「優しい田舎のお母さん」みたいな人も実はやり手のママだったりとか…そんな想像を働かせつつ。
きっと里帰りだったんだろうけど――とにかく今回の九州の旅は「意外な場所」も含め訪日外国人を多く見掛けた。佐伯のスーパーでご飯買って1日3本の日豊本線鈍行で延岡方面へ抜ける人とか。
すごいな。グローバルだ。グローバルだけど、日本人の若者が本当に減っているんだな。――あんまり政治的なこと、宗教・人種的なことは書きたくないというか(宗教でいったらめっちゃお寺や神社は行ってるけど(笑))、右も左もないんですけど――今は本当に多くの訪日外国人の人達に支えてもらっていると思う。時々悪いことも起こるけど、それでもこのまま良い感じに共存できたらいいのにね。どうせ日本人は更に減り続けるのだから。

大分から宮崎にかけての山間地帯を通っていて思ったこと。もし日本が人口減に転じていなかったら。こうした山間地が開かれ続けていったのか。いや、結局不便な場所の過疎は進んで、大都市が香港のようなマンション群になっていったのか。後者の方が強い気がする。
そういった地方の風景にセンチメンタリズムに惹かれているから色々足を運んでいるんだけどね。日南市油津の商店街も先日数年ぶりに歩いた。この街にとってはカープの存在がなんだかんだ幸運かもしれない。うまく、長く続いて欲しいなー。