ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

北海道&東日本パスの旅(2) 東北編【五能線の旅~三陸鉄道南リアス線と三陸・被災地の風景。大船渡、碁石海岸、気仙沼、南相馬など】

旅の前半、北海道編はこちら。旅行記後半。

4日目:青森~弘前五能線の旅








北海道新幹線の建設が進んでいる様子を眺めながらスーパー白鳥で青森へ移動してきたのが14時半頃。弘前に移動して、今回の旅で乗りたかった路線上位の五能線リゾートしらかみ」に乗車。土偶駅舎の木造駅でも降りたかったし(これ)、黄金崎不老ふ死温泉も入りたかったしと思い残すことは色々あるけど。右手に日本海の夕陽、左手に白神山地を眺めながら…っつっても車窓から白神山地っぽさを感じられるものは少なかったけど、首都圏で良くパンフレットを見る五能線、ようやく乗れて達成感!言っちゃ悪いけど、こんな人口も少なそうなエリアで環境も厳しいところに良くこれだけの鉄道を通したなあ、そして運行しているなあ…と感じる。終点の秋田まで行かずに東能代~大館と乗り換えてこの日は弘前泊。弘前来るのも1年半ぶり。何度来てもJRの駅から繁華街への道のりを迷う…。

5日目:弘前の町並み~夏の魔物2014







この日は9時ぐらいにはチェックアウトして自転車で瑞楽園(弘前から約10kmの名勝庭園)に行ければなあ…と思っていたんだけど起きれなかった(前日が車内泊+漫喫だったから…)。いずれ黒石の澤成園が一般公開される頃、黒石の古い町並みや盛美園、田んぼアートと合わせてまた来たい。一番上は奈良美智“AtoZメモリアルドッグ”、それ以外の町並みは繁華街の飲み屋街とか町外れの旅館街とか。

長万部で思ったこと(地方のコンテンツの無さ/そこからコンテンツが現れたことの奇跡)の対比として、街中に奈良美智作のモニュメントがあるなんてどれだけ魅力的だろうと思うんだけど、毎度ながら人が少ない。今回は歩いていて「案内板ができたんだ!」って少し思ったけど(前までは無かったと思う)、それでも活かしきれていないというか…まあ活かす気が無いんだろうな…とは思うけど。

弘前~青森~青い森鉄道の小湊駅に移動してこの日は「夏の魔物」。フェスのエントリはこちら。フェス終了後、この日は八戸泊。

6日目:三陸を巡る。八戸~盛岡~釜石~三陸鉄道南リアス線(釜石~盛・大船渡)~碁石海岸~気仙沼~仙台

この日は八戸を朝6時過ぎに出る。盛岡で快速はまゆりに乗換えて釜石→三陸鉄道南リアス線で盛、そこから隣の大船渡駅まで歩いて、大船渡から大船渡線BRT→碁石海岸への寄り道を挟んで気仙沼気仙沼線BRTで柳津→終着点は仙台という1日。2年前の東北AIR JAMの時以来三陸地方を巡った。

盛岡~釜石






快速はまゆりは盛岡から花巻を経て釜石線で直接釜石まで行ってくれる列車。釜石線は初めてでした。愛称は「銀河ドリームライン釜石線」。色々宮沢賢治にちなんでいて、途中駅で「SL銀河」も停車していた。終点の釜石はラグビーで有名な新日鉄釜石のホームタウン。復興支援でこの地で試合を行った対戦相手がヤマハ発動機ジュビロでした。釜石駅自体は気仙沼駅と同じく割と内陸の方に立地している。

三陸鉄道南リアス線。釜石~盛









4月に全線復旧した三陸鉄道南リアス線。傷跡の残る風景だけではなく、見るからに新しい線路やコンクリートを見ていると、それはそれで色々思わせられる。北リアス線は東北AIR JAMの時に乗ったけど南は初。釜石で三陸鉄道乗換える時の猫達の木彫り見た時点でグッと来てたんだけど(北リアスの他の駅でもこの木彫りの猫が居た)、車内では地元の方が名産品の販売を行っていたり、色々と案内の話を聞かせてくれたり…(あまちゃんの、トンネル内で震災が起こったシーンのモデルはここなんです、とか)。

その話でも何度かうるうる来たんだけど、降りた後に気付いた(車両に貼ってあった)クウェートに対するメッセージとかも、見て感動してちょっとやばかった…。北リアス線乗った時はそこまでじゃなかったのになー。平日の昼間だけど結構賑わってたんですが(話によるとこの日は北リアス線も乗客が多かったんだって)、別に鉄道ファンとかじゃなくても、三鉄には今乗りに行くべき!って思います。

盛~大船渡の景色




南リアス線の終点・盛。ここで大船渡線のBRTに乗換えなんだけど、40分程待ち時間があったのと隣の大船渡駅まで2kmぐらいだったので、歩いて待っていれば丁度良いかな…と思って歩く。言わずと知れた小笠原満男の故郷。盛駅はそれなりに内陸に位置していたのだけれど、大船渡駅付近は海が近く海抜が無い分――道のりの途中にプラットフォーム跡っぽい石段があったり…という風景。でもBRTの駅を挟んで内陸側は建物がちゃんと残っている。ほんと、少しでも海抜が高いだけで景色が全く違う。

碁石海岸~大船渡線BRT





大船渡駅から3駅ぐらいの「碁石海岸口」で途中下車。大船渡市の景勝地(国指定名勝でもある)、碁石海岸へ向かう。浄土ヶ浜へ行った頃からこちらにも来たいと思っていた。けど碁石海岸口の駅から肝心の碁石海岸まで4km近く。バスも1日4本しか無いので――(まあ、上手く乗り継げば乗り継げたんだけど。土地勘無いから迷ってムリだった)行きは歩き。1時間近くかかった(暑かった…)。

駅の坂を下ると、「かさ上げ」が進んでいる風景。テレビでかさ上げかさ上げって良く言っているけど、実際目の当たりにすると「これかあ」って思う。湾に沿って元々存在していたであろう3m程の堤防も更に高く増強されている。そんな景色を眺めながら一時間。碁石海岸は――良く写真を見る「穴通磯」は更にそこから北へ結構離れているみたいで。もう見に行く気力が無かった!レストハウスでタクシーを呼んでもらって帰りは駅までタクシー。信号が無いからあっという間…。
oniwa.garden

気仙沼の町並み~気仙沼線BRT






再び大船渡線のBRTに乗って気仙沼へ向かう。途中、陸前高田を通る。BRTっておそらく元々駅があった場所のそれなりに近くを通っていると思うんだけど、陸前高田駅に関してはそうではなく、高台の上にある市役所の仮庁舎のそばに設けられていた。以前見た宮古気仙沼、南三陸の風景も言葉を失うものがあったけど、今回初めて見た陸前高田も想像以上に広い範囲が――言葉通り「壊滅」していて、衝撃的な風景だった。それを過ぎた後の車窓からは「奇跡の一本松」も見えた。

気仙沼に近づくと、報道で知っていた通り第18共徳丸がなくなっていた。気仙沼に着いた後、1時間程乗換えまでに時間があったので駅周辺を歩いてみる(前回みたくレンタサイクルする時間は無かった)。前回は――海沿いの風景を見に行くことが主眼だったから気付かなかったけど、こうしてみると駅周辺には古い旅館が多くて町並みとして面白い。駅に戻って、気仙沼線BRTに乗る(車体にホヤぼーや!)。最初乗っているのは僕だけで「そんな少ないの?大船渡線BRTは混んでいたのに」と思っていたけど、その次の駅(南気仙沼?)位からは車内が一杯になった。現在の中心街はそちらの方。

大船渡線気仙沼線両方ともそうなんだけど――バスで後ろに地元の学生とかが座っていると、(あんま観光ノリで)車窓とか撮るのはなあと思ってしまうので、そういう時は撮らずにいるんだけど。でも彼ら、彼女らも意外と窓の外のその風景を眺めている。あれから3年間。小学生だった子は中学生へ、中学生だった子は高校生へ、高校生だった子は成人している。人格形成期にほぼ毎日にこの風景を眺め続けた彼ら、彼女らは今何を想ってその景色を眺めていて、そして今後どんな大人に育つのだろう?とか思った。

僕だったら…と言っても想像しようがないけど、僕はちっちゃい人間だから、「この景色で一時的な感傷にしたってんじゃねーよ。3年間、少しずつ歩んできたけどまだこれだよ。がんばれがんばれがんばろうって、ふざけんじゃねーよ。がんばってみろよ」と思ってしまいそうだ。今そしてこれから、僕にできることはなんだろうなあ…旅行で足を運んで少しでもお金を落とすこと位しか出来ないけど…前みたくやっぱコンテンツに関わる仕事して何かを蓄えつつ発信して、ということなのかなあ…などと考えさせられた。だから、直接当地にアクションを起こしてる人はやっぱえらいなあと思う(気仙沼でイベントをやっている先輩が居て、「いつかフェスをやりたい」なんて話を最近飲んで話したばかりだったから)。

気仙沼からのBRT。南三陸町志津川の駅舎は新しいものが建っていて、なんかかっこいいデザインだった。やがて終点の柳津へ。そこからは気仙沼線石巻線東北本線で仙台へ。2年ぶりの三陸沖の風景(その土地の人を含めて)――足を運んだら確実に何かを思わせられる場所。この時間があるうちにまた行っておきたかった場所だったので、行けてよかった。

7日目:南相馬市原ノ町相馬市の町並み~帰京!






北海道&東日本パス旅行、最終日。元々は6月の山形遠征の際に乗るのを諦めた米坂線に乗って山形・新潟周りで帰ろうと思っていたんだけど――なんと7月頭の豪雨の影響で現在は米坂線に不通区間があると。代行バスはあるにせよ、どうせなら復旧したタイミングで乗りたいし、この辺は週末パスの範囲だからまたチャンスはあると思ったので、予定変更。仙台から常磐線代行バスで行くことのできる南相馬市原ノ町駅へ。他の「津波で線路が流された影響の不通区間」とは異なり、福島原発の事故によって、帰宅困難区域の関係で不通になっている区間の北側の終点。

…とは言っても、ここまでは電車が通っている区間。町は普通に生きている。時間ももう3年経っている。別にフツーなんである。でもきっと、「目に見えないもの」によって色んな(観光や風評的な)影響を受け、そしてそれを背負って暮らしているのかもしれない。元の調べでは駅に貸し自転車があるってことだったので、それで駅のもっと南のほう…警戒区域近くまで行けないかな、と思ってたんだけど、「今全部パンクしてて貸せないだよー」と断られてしまった。直してよー(笑)

ちょうど相馬野馬追の直前だったみたいで(その後の週末でした)、比較的かきいれ時ではあったんだろうな。駅から南へ徒歩10分ほどのところに「南相馬バックビート」というライヴハウスKen YokoyamaBRAHMANや細美さんがここでライヴをやっている。いつかここでライヴを見てみたい。津波の影響を受けた、亘理~相馬間は現在線路を内陸に移設中でその工事の景色はバスからも見えたけど(2017年再開予定)、原ノ町より南側――常磐線が再び全通する時代は来るのだろうか?

原ノ町を15時過ぎに出て、一度仙台方面へ戻った後は今までも何度か乗っている「17時仙台発福島行き」の18きっぷ的最終で、黒磯、宇都宮、赤羽…などと乗換えて24時過ぎに帰宅。丸々一週間北海道と東北で動き回って、基本的にはバニラエアの6,500円とこれの1万円しか掛かってない(あと多少急行や三鉄に乗ったりはしたけど)。合計6泊したけどうち1泊が車中泊、3泊がカプセル。最終日の仙台のビジホも安いところを選んだので、どーにか抑えられた…けどやっぱちょっとしんどいと思ったな(笑)30代にもなってこんな旅行プランになるとは…というか、2、3年前の方が(仕事が忙しい時の方が)寝床はちゃんとしたいって意識があったよね。ま、今のこれはこれで良い季節だと思う。

そして案の定旅行欲が高まって、「福岡アウェー行って、18きっぷであちこち寄りながら関西あたりまで行って、17日のサマソニ大阪と20日の天皇杯奈良戦@ヤマハ見て10日間ぐらい掛けて帰京…」みたいな旅行を考え出してる。どうなることやら。あー疲れた…。

期間中に見たライヴとかフェスのエントリはこちらに続く