ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

最終節。コンサドーレ札幌-ジュビロ磐田 @ 札幌ドーム / 北海道旅行。モエレ沼公園、アルテピアッツァ美唄、小樽や札幌の町並みなど

J2最終節。コンサドーレ札幌-ジュビロ磐田 @ 札幌ドーム



今季最終節。内容悪化しっぱなし。6戦勝ち無しで4位に転落。

早いもので2014年のJ2は一足先に最終節。コンサドーレ札幌-ジュビロ磐田@札幌ドームを見ました。札幌ドームは2年前の開幕戦も来ました。それ以来だったけど札幌ドームは建築萌え目線的には相変わらずかっこいい建物だった!ジュビロを見るのは前節の山形戦以来、札幌を見るのは開幕戦以来。数試合前までは4位以下のチームに対してセーフティリードがあったジュビロだけど、最後の失速でこの試合前の時点でジェフと勝ち点差1、山形とは2。自力で3位抜けするには勝利しかない。対するコンサドーレは前節でプレーオフ進出の可能性は絶たれた。けど約2万人の観客はやはりJ2の中ではトップクラス。

この日のジュビロのスタメンは八田、駒野、伊野波、森下、岡田、藤田、宮崎、松井、松浦、祐希、前田。前節から小川が外れ(ベンチからも)、そしてフェルジがベンチに戻り藤田がスタメン復帰。前節良いところが少なかったジュビロだったけど、この日も入りから良くなかった。試合の頭から気の無い横パスを何回かカットされるシーンがあって。「安全パイ」を狙った横パスをカットされるっていう、いっちばん見てて嫌なヤツ。ドリブルという選択をジュビロの選手がしない中、コンサドーレは――この試合初めて長いドリブルを左サイドの選手が仕掛けて、それで勝負して倒されて得たFKで先制点が決まった。ほら見っせー、勝負すればFKだって得られるかもしれないんじゃん。横パスしてたって何にも始まらんよ。

それでもジュビロはエンジンが掛からない。ボールを奪っても、みんな歩いてる。前半終了間際に少し席を離れてモニタで見たんだけど、ほんっと攻撃にスピード感無いしテレビで見てもやっぱみんな歩いてる。人数をかけてみんなでジリジリとラインを上げているだけで裏に広大なスペースが出来て、前半終了間際にはそこの裏を通されて1点もののピンチ。そこでの八田の前へ出てのビッグセーブは痺れた…(まあ、先制点は八田の判断ミスという声もあるので、これでチャラかもしれないけど)。0-1で前半終了。崩す術が無いから最終的に駒野の仕掛けに頼るしかないなんて昨年の長澤さん監督時と同じじゃないか(今日は駒野の負担大きかった…し、駒野の重要さを感じさせられた)。

後半頭からフェルジナンドが出てきたのは俊が前半で怪我したからでもあると思うけど、結果的にはこのフェルジが同点ゴールを決めてどうにか1-1の引き分けに持ち込んだ。フェルジはゴール決めただけじゃなく確実に今日のジュビロで一番良かった。し、大体今季一番ジュビロで良い選手もフェルジなんじゃねえかって思うし、そんな選手を使わず急造ボランチに拘る采配はどうかしてるよマジで。ファブリシオ干した内山時代と同じじゃないか。ふざけんな…って口では言えないけど正直そう思うよ。でも同点に追いついたとは言え、パワープレーに切り替えて、フェルジの力業って感じ。普通の攻撃時は――フェルジや宮崎、ボランチが持った時、あまりにも周りの選手が動き出してない。時折前田や山崎が裏とるのを試みるものの、2列目の選手がそういう動きをすることが無い。

この日は松浦が特にひどかった。先週も良くなかったけど今日はもっと悪かった。SBみたいな位置まで下がってきて、そこで捌いたら上がるとか抑揚つけるでもなく、捌くだけ捌いてSBのポジションで止まってる。うー迷走してるよう。オフザボールの動きがどんどん悪くなってるし、勝負しろよー。2年前鹿島をチンチンにしてた松浦はどこ行ったんだよー(入替戦を語られがちな選手だけど、2年前のヤマハでの鹿島戦もスゴかった)。名波は期待かけて指導してそうだけど…逆効果?というかまあ強かった頃のジュビロって中山と俊哉のオフザボールの動きの質でもってたようなものでもあった。中山が長期離脱して俊哉が海外行った03年から弱体化が始まったわけだし。今季のジュビロの運動量の課題は元々だし、名波にとっちゃ時間が無さすぎたとはいえ、前節と今日のサッカーは確実に9月より劣化してる。

…とかなんか色々ぐだぐだ書いたけど、試合は1-1の引き分けで終了。ジェフの試合が遅れていた分この時点では順位確定していなかったけど、ジェフが勝利し、勝ち点で逆転され4位でレギュラーシーズン終了。監督が代わってから結局幾つの勝ち点差追い付かれたんだろう。とても残念な気持ちと――山形が負けたおかげで準決をホームで戦えて嬉しい気持ちと。複雑だけど、まあもう切り替えるしか無いよなと。だからブーイングはしたくなかったし、歓声で迎えようって言ってたプログは正しいと思う。…だから選手もさ、もう少しサポーターの声援受け止めてくれないかなあ…あっさり去りすぎじゃね?こんなに札幌までサポーター来てるんだよ?残念ながら、こういうところがクラブの一体感の無さなんだろう。

また顔を出し始めた「勇気のないサッカー」。ジュビロらしさってなに?

静岡新聞:<最終節>プレーオフ最上位進出逃す
http://www.at-s.com/sports/detail/1174144378.html
“後半戦の敵地11試合は、未勝利に終わった。”“ただ、内容は悪くなかった。”“伊野波は「自分たちの形はできつつある」と語る。”

これは試合翌日の記事。このサッカーで内容は悪くないとか、自分達の形とかって、正気で言ってるの?というのが正直な感想。シュートの精度の問題は確かにある。けど、それも結局「崩せないしスペースも無いから苦し紛れに打つしかない」から起こることではないか。選手が「冷静にシュートまでいけるパターン」が要は無いのだ。上の方でも書いたけど、コンサドーレ戦でのジュビロは別に「パスを繋いで相手を押し込んでいた」わけではない。相手に人数誘きだされて、裏に広大なスペースを作らされているだけだし、攻撃の押し上げが遅いから必ず相手が全員守備に戻ってから攻め始める。スペースが無いから横パスするしかない。ほんと去年の一番悪い時のサッカーそのもの。

なぜ再びそういうサッカーに戻ってしまったのか?やはり「ジュビロらしさはパスを繋ぐサッカー」みたいなことになってるんだろうか?去年降格した時も思ってたけどさ(多分昨年降格決まった後に書いたエントリとか昨年5月の大分戦の頃とかで同じようなこと書いてるんじゃないかなあ)、別にジュビロを「強いから/面白いサッカーだから好きになった」のではない。望んでるのはそれじゃないんだ。今結果が出てないから残念なんじゃないんだ。「自分でボールを運ばない、勝負しない、横パスだらけ」の“勇気無き逃げのプレー”に冒されてるから悲しいんだ。「華麗に崩すサッカー」とかが見たいんじゃない。勇気を持って勝負するサッカーが見たい。その病はJ2へ行っても治らなかった。それで結果が出なくて(そりゃそうだ)、結局「内容悪くない」と言い出すとか去年と一緒だよ。

ジュビロが再びチャレンジ精神を取り戻すまで。

…でもジュビロを見放せないなあと思うんですよ。この体たらくでスタジアムへ足を運ばなくなっている人って居るじゃん。ホームでもアウェーでも。それはすごく当然で自然なことだと思う。んだけど、僕は今のところそういう気持ちが全く無い。それは何かっていうとやっぱ「強いから/面白いサッカーだから好きになった」んじゃなくて、上に書いたような――勇気のない、勝負できないジュビロだから自分を重ねてるのかもしれないなあと。「勝負しろ!横パスすんな!勇気持て」つって(笑)横パス捌いてるだけじゃダメなんだ、縦に入れなきゃダメだし、走らなきゃダメなんだ。ライフ・イズ・フットボール

たとえば(馬ですが)ディープインパクトを応援しようと僕は思わないしディープインパクトに「夢をありがとう」とか思えない。だって彼は完璧過ぎる。鞍上も天才・武豊だ。自分を重ねられる要素が無い(まあ好きな人は、完璧なものが負ける時の人間らしさのようなものだったり、自分がかなえられないことをかなえてくれる夢を持てるから、好きなのだろうけど)。僕はそういう人間なんですよね。ピロウズ好きな時点でそうだけど。元々、うまくいかないジュビロだからこそ、今年は追いかけなければいけないと思った。変わっていくのならすべて見ておきたい。

そんな風にあちこち行ったシーズンなので(旅行をしたかっただけと言えばそうだけどね!)、たとえ上に通用する内容じゃなくても、ここまで来たらやっぱ上がりたいよ。プレーオフが終わった時――どんな精神状態になるか想像もつかないけど(笑)ま、でももしダメでも「また来年」だよ。そうやってサッカーは続いて、歳を取って、来年上がれたら喜びがより深いものになるんだから。翌日地域決勝を見て、昇格っていいもんだなあって思ったのと同時に、昇格ってそんな甘いものではないと思った。何度かチャレンジしてようやく辿り着くもの。うまくいかない苦労があるからこそ、かなった時に嬉しいものだ。


試合後はコンサドーレのセレモニーも見た。すごく良く出来たセレモニーだったと思う(前週のジュビロのセレモニーのあっさりぶりと比較すれば…)。育成型クラブだ、って完全に打ち出す為のセレモニー。野々村社長はゴール裏の手厳しい弾幕にも向き合って、でもリアリズムを持ちながら、自分の言葉でビジョンを語った。それに対しスタンドからはブーイングは起きずに拍手。なんか良いセレモニーだったなあ。一番沸いたのは「せっかくだから言っちゃうけど、稲本選手にオファー出してます」発言。どよめいた。

稲本獲ったら…田中美保も来るってことだよねえ…よしジュビロもオファー出せ!!「浜松からなら東京の仕事も通えるよ」って誰か吹き込んで!…まあまたベテラン取るのって感じになるけど(笑)…今季のジュビロは昇格を最優先に、経験ある選手を多く獲得した。それで結果が出ないと「その場しのぎの補強だった」となる。もしここから上に行けても、昨年から上積みがあるかと言えば全く無い。結局「その場しのぎじゃダメだ」ってなる為には、もう一度上で打ちのめされないとダメなんじゃないか。このまま来年J2じゃまた同じこと繰り返しそう。だから、やっぱ上がりたい。上がることに意味がある。

最後にプレーオフに向けて。普段ジュビロに興味無い友人が急にプレーオフに興味を示していて連れていくことになりそう。そういう人多いのかな。去年一昨年ともプレーオフ決勝に足を運んだし準決勝もテレビで見てたけど。当事者になるとは想像しなかったし、いざ当事者になってみると――ジュビロはどうしても「受けて立つ」立場だから、苦しいというかしんどいというかやりづらいよね。サポとしてもそう。世論は山形でしょう。さて、果たして名波は先週成す術なく敗れた山形に「勝利最優先」で対策を講じるのか、それとも「自分達のサッカー」と言うのか。見もの。

…さて、以下は今回の北海道旅行の話。土曜の朝5時過ぎに吉祥寺を出て、成田に7時半頃着。8時過ぎのLCCで10時前に新千歳へ到着(バニラエア、新しい機体に感じたけど7月もあれだったかなあ?)。LCC様様な感じで今年3度目の北海道(5月7月)。前回までと違って1泊2日と少しタイトだったのであんま遠出は出来ないな~と思っていた中で回ったところを。

小樽の古い町並み










まずは小樽へ。(7月にも下車だけしたけど、)町をちゃんと歩くのは5年ぶり。当時はまだあんま古い建物が好きというわけでもなかったし、撮った写真もガラケーだったので改めて。古い町並みに興味を持ってから歩いた今回はより面白さを覚えたし、今回は南小樽から花園町の花街跡も歩いたりと行動範囲も変わり。今回の北海道の初日、雪は降らなかったんだけどけっこう雨が降ってて大変だった…。次の場所に移動する都合で1時間しか歩けなかったからまたいつかもっと歩きたい。

アルテピアッツァ美唄










小樽から一度札幌を経由して美唄駅へ。美唄岩見沢よりもうちょっと向こうにある市(岩見沢までは在来線の本数があるんだけど、そこから東は一気にローカル線の本数が減る!)。その駅からバスで2、30分のところにある「アルテピアッツァ美唄」へ。廃校跡を舞台にした彫刻公園/アート施設。こういう彫刻、どっかで見たことありますよね?札幌駅や東京のミッドタウン、国際フォーラムにもあります。作者の彫刻家・安田侃さんはこの美唄市出身。安田侃さんの作品が40作品近く点在しているんだからすごい――と公園内で話し掛けてきた札幌のアート好きおじさんに熱弁されたりもしつつ。

アクセスは良くないけど(在来線の本数にしても、バスの時刻表ともかなりにらめっこした!)、すーっごく良かったし、モエレ沼公園のミニ版とでもいいますか、そういう公園自体の雰囲気の良さもいいんだけど――基本的に廃校作品に弱いのでかなりぐっときた。しんとした体育館の中の作品とかたまらん。山の方の作品を見に行こうとしたら熊出没注意の貼り紙があって現実に戻されたけど(笑)やはり背景とか歴史がまたセンチメンタリズムを誘うというか。かつて美唄市は鉱山の町として栄えた。はっきり言ってこの公園の周りなんか何も無い(駅からも遠い)。けど、徒歩10分ぐらいのところ?に一応団地があって、団地と言っても古くて変わった一軒屋が多い感じ。おそらくこの辺はかつて鉱山団地として栄えた?のかなと感じたり――そう、上の廃校も「栄小学校」だったんだって。

ちなみにここまでの初日は「お散歩きっぷ」という2,270円で指定範囲のローカル線を乗り放題のきっぷ。この範囲が意外と広い(西は長万部まで、東は富良野とかも行けるし、日高線も全部乗れる。実際は乗車時間や本数があるので使いこなすハードルは高いけど…)。新千歳から札幌まで行くだけでも1,000円ちょい掛かるから、この日の行程ではなかなかお得感があった。

モエレ沼公園













日曜日の午前はモエレ沼公園へ。モエレ沼公園2012年の札幌アウェーの時も来ました。それ以前にエゾで来た時も来たし、今回はいいかなあ?と当初は思っていたんだけど、なんかアルテピアッツァ行ってやっぱ行きたくなった。一昨年の時は雪が積もっていたし、小樽の例じゃないけどそれ以前の時はガラケーだったので。こういう緑のモエレ沼公園もやっぱいいね。3度目でもまだまだ新鮮な気分で歩き回れて楽しかった!ただ雪は降らなかったけど北風が無茶苦茶強くて、山の頂上に立った時は自然と涙がこぼれるぐらい寒かった(笑)手袋買っとけばよかった…。(翌日の札幌は氷点下)

その他。札幌の町並みなど




クリスマスモードの大通公園とか(畜生)、すすきのの南あたりの変な建築とか、チカホでは国際芸術祭の後もアートイベントやってるみたいで、そこにあった横山裕一さんや祭太郎の作品とか(美術家なの?(笑))。雪も降ってなかったし、もう少し暖かい季節ならもう一度レンタサイクルして札幌ドームまで行ってみたいんだけどね。またいずれ!

日曜の試合後は友人とすすきので寿司を食べて、快速エアポートで帰路へ。帰りもLCC。定時運航どころか10分以上早く着くという珍しい事象。さすがに1泊2日はあっという間でした。これで今季のアウェー遠征も全日程終了。まあ…アウェー遠征的には来年もJ2でもやぶさかではない…また行きたい町も沢山あるし、今年行けなかった熊本や岡山も行きたいし、そして北陸新幹線で金沢行きたいし――とか思っている自分も居るけれど、それなりの緊張感を持って週末は再び浜松へ帰省します。