ガーデン・シティ・ライフ・ログ

ジュビロ(Jリーグ)とか、野外フェスとかアートとか、庭園巡りや町歩き記録。

秋の庭園巡り・愛媛編②。伊予西条編。保国寺庭園、安藤忠雄建築・南岳山光明寺、伊予西条の町並みなど

秋の庭園巡り、愛媛編その2。隣町・新居浜編は以下↓。
romitou.hateblo.jp新居浜から伊予西条に戻ってきてこちらもレンタサイクルして街を巡ります。西条へ来るのは↓の時以来2年半ぶり。前回はレンタサイクルできずピンポイントに保国寺庭園と光明寺へ行ったので、街を巡るという意味では今回が実質初めてのような感じだった。
romitou.hateblo.jp

保国寺庭園






国指定名勝。庭園の拝観には要事前連絡。本堂裏〜本堂横の池泉鑑賞式庭園は室町時代に作庭されたもので、現存する四国最古の庭園と言われています。その独特の石組を重森三玲の案内でイサム・ノグチが見に来たことも。茅葺きの本堂も見所だし、今回思ったのはお寺の向こうの石鎚山系の景色も良いなーと。

oniwa.garden前回はタクシーで行ったので気付かなかったけど、保国寺へ向かって上がっていく道は旧街道らしく、その途中には中世の城館とされる「土居構」という遺構も(愛媛県指定史跡)。


安藤忠雄建築。南岳山光明寺



こちらも再訪。伊予西条駅から徒歩10分強。安藤忠雄建築の寺院で、水面に浮かぶ格子の本堂が特徴的。内部の拝観時間は14〜16時と限られているので今回もこれ以後の予定も踏まえて諦めたのでまたいつか…。夏季は土曜日に本堂のライトアップも。写真で見る限りとても美しいのでいつか観たい!
oniwa.garden

伊予西条の町並み


というわけで伊予西条の町並みは実質はじめて巡ります。西条市新居浜に次いで愛媛県4番目の人口の市。この2つが隣接しているのでこの2つの自治体によって東予地方は一定の都市圏が形成されている、と言えるのかも。西条はかつては城下町でもあり、讃岐街道沿いの街でもあり、そして四国(かつ西日本)で最も高い山・石鎚山の麓にある街。それ故なのか駅周辺にもビジネスホテルなど宿泊施設がそこそこの数ある――けど驚いたのがこの日(前日)は総じてビジネスホテルが埋まっていたこと。どうにか探し出した安旅館に泊まったけど、一体どんな理由で埋まってたんだろう…。

さて伊予西条は駅前ではなく駅北西側にあるお城付近の方がどちらかというと中心街である…とのこと(いわゆる繁華街、飲み屋街は比較的駅近にあるけど)。なので駅から少し西側へ歩くとアーケード商店街があります――なんと屋根がシースルー…!これぞ地方のレトロ感漂う町並み。前日の夜歩いた時は人気がなくて不気味だったけど――こうした知らない風景が楽しくて旅してるんだなあ。
北の方へ歩いていくと辿り着く「銀座街」はもうちょい明るい。




ナイトパブ・トトロは真っ昼間からカラオケの歌声が聴こえた。
この通り、逆方向(要は南側)へ向かうと保国寺や石槌山へ至る通りになる。商店街はそっちの方まで続いていたので、昔から石槌山への参道として栄えたのかな――という感じがします。


ところで上の写真に写っている「セニアカー」。普段あまり見ることはない――地元に居た頃もあまり見なかったし(ド車社会だから)、東京に居てもあまり見ることは無いのだけど、こうやって地方へ旅行していると「意外と見掛ける」ような気がする――


上は西条城跡の濠、意外とおしゃれな西条市役所、更に北上したところにある湊町の雰囲気。

ちなみに伊予西条市には重森三玲が手掛けた庭園が2件ほど?あるようです(氏の庭園一覧より。場所は市街地ではなく郊外のようだけど)。但しいずれも非公開。いつか見られる時があれば訪れたいなー。
新居浜・西条と松山市を結ぶ路線バスを利用して松山へ移動。続きます。
romitou.hateblo.jpromitou.hateblo.jp

秋の庭園巡り・愛媛編①。新居浜・旧広瀬氏庭園、初めて訪れた新居浜の町並みなど。

秋の庭園巡り、愛媛編その1。前日の福山編は以下。
romitou.hateblo.jp前夜は今治を経由して伊予西条で一泊。そして西条の隣町・新居浜からこの日はスタート(駅前のレンタサイクルの開始時間が朝7時〜と早かったので。実際行ったのは8時過ぎだけど、早いのはありがたい!)。
新居浜は初めて来ました。ジュビロサポ的にはなんと言っても「福西の出身地」というイメージ(笑)あとは…なんとなーく工業地帯というイメージがあったけどその知識は間違っておらず、かつて「別子銅山」で栄えた住友の企業城下町とのこと。平成の大合併までは愛媛県で2番目の人口を誇った、愛媛県東部(東予地方)の中心都市。現在も県3位の人口――なんだけど、この20年で人口が1万人減ってるのか――人口減少時代は地方ではすでに如実に数字に現れてるんだなあ。

旧広瀬氏庭園(旧広瀬家住宅)






まずはお目当ての庭園について。2017年11月に新たに国指定名勝となったばかりの「旧広瀬氏庭園」。新居浜駅からは約4km。距離は自転車なら大したことないんだけど、上り坂が長く続いたのがしんどかった……。(あと最寄り駅は新居浜地区の中心駅である新居浜駅なのに、路線バスは新居浜駅は経由せずに別の駅からになる。アクセスは良いとはいえないー)
別子銅山及び住友グループの中心的人物だった広瀬宰平の旧宅に造られた庭園で、邸宅・庭園ともに明治〜大正期に造られたもの。邸宅も旧広瀬家住宅として国の重要文化財になっています。

庭園からの別子山の眺めも良いけど、家屋2階からの新居浜の街並みと瀬戸内海までを一望できる風景が素晴らしい!


旧広瀬邸の隣に「広瀬歴史記念館」があります。


oniwa.garden

新居浜の町並みを自転車で走る。


ということで新居浜の街をレンタサイクルで巡りました。今まで日本全国色んな場所へ行ってきたけど、「駅から中心街までがここまで遠い街」は初めて!東京はもちろんだけど、自分の地元・浜松市なんかも駅前から比較的近い場所に繁華街(ドーナツ化によりゴースト化してるけど…)がある。その感覚で育ってるので、たとえば名古屋の「名駅ではなく栄」とか、博多の天神とか、新潟の古町とか、京都の河原町とか、広島とか…中心駅から遠い繁華街って個人的にすごく新鮮なものだったりする。

で、新居浜のアーケード街。これがまた駅から遠い!広瀬氏庭園とはまた別方面(海方面)へ4kmぐらいの距離がある。ここまで離れている街も珍しい(思いつくところでは鳥取倉吉ぐらいかなあ?)。新居浜で多分一番格式が高そうなリーガロイヤルホテルも駅からは遠く車でないと行きづらい場所にあるし(ただしイオンモール併設なので車利用には便利)、大阪方面からのフェリー乗り場も新居浜駅からは6kmぐらいある(多喜浜駅からなら3km)ので、港へ降ろされたところで駅がめちゃ遠いから旅行ユースには向かない――ただビジネスホテルとかも決して駅前に集中しているわけではなく、駅から遠い港の方にも点在しているのかな…という。どちらにしても使いづらいけど。
そんななのでレンタサイクル無しでは観光できない。以下が中心街かな?という辺り。






海が近い辺りには面影を残した通りがある。…もっとも、駅から繁華街が離れていたり、元々が発掘された銅を運搬するために海と山を結ぶ広範囲の街であったことからもとっくにモータリゼーションの波に飲まれている街で、アーケード街があるから中心街ってこともなさそうではある。

星越選鉱場・山田社宅


駅や中心街から西側にあるのが「星越選鉱場」の跡。一言で別子銅山と言っても、駅から比較的平坦に行けるこの星越地区もあれば、山の方へ向かう(広瀬氏庭園の方にある)東平地区など色んな遺構がある。「星越選鉱場」の目の前に広がるのが住友の社宅「山田社宅」。現在も人が住まわれています。

下部鉄道廃線跡

新居浜駅から星越選鉱場までを結んでいたのが「下部鉄道」。昭和後期まで営業していたそう。いかにもな廃線跡、現在はサイクリングロードで写真には写ってないけど地元の人がかなり走っていた。
自転車を返却して西条に戻る。伊予西条編へ続きます。
romitou.hateblo.jpromitou.hateblo.jpromitou.hateblo.jp

秋の庭園巡り・広島県福山編②。福寿会館庭園、鞆の浦の風景と町並み、重森三玲「安国寺庭園」

秋の庭園巡り・福山編その2。神勝寺へ行く前後に行った庭園など。その1は↓。
romitou.hateblo.jp

福寿会館庭園






福山は今まで何度も電車で通り掛かっていたけど、駅からも見える駅前の福山城に足を伸ばしたことがなかった。そんな福山城公園の中にある庭園が「福寿会館庭園」。福寿会館というのは福山で財をなした安部和助氏が昭和初期までに建てたお屋敷で、大きな和館・洋館ともに国登録有形文化財。池泉回遊式庭園からは借景に福山城をのぞめます。福山駅からこんなに近い場所にこんな庭園があったとは!
oniwa.gardenこの後は神勝寺へ行った後に3年ぶりの鞆の浦へ。

鞆の浦の風景と町並み

対潮楼からの鞆の浦の眺め


神勝寺の後に尾道の庭園へ行くか鞆の浦を再訪するか迷った末、今回は鞆の浦へ。国指定名勝である景勝地でもあり2017年秋ようやく重要伝統的建造物群保存地区にもなった鞆の浦。まずは「福禅寺 対潮楼」からの眺め。こちらの客殿は国の史跡に指定。対潮楼あたりは路地の雰囲気も素敵。


医王寺からの鞆の浦の眺め

そうして一番の?鞆の浦のビュースポット、医王寺へ。鞆の浦の中心部からはちょっと歩く。本堂も急坂を登った高台にあるのでそこからの眺めもなかなか素敵だけど、ここから更に580段の階段を登った「太子殿」からの眺めこそ鞆の浦を一望できるビュースポット!
…580段の登山は1人で登るには少し心細い。冬でも汗かくぐらいだったので夏は絶対イヤだ(笑)医王寺は鞆の浦の中では2番目に古いお寺で奈良時代の創建とのこと。


医王寺付近には平賀源内の生祠も――そこへの道にゴミ捨てられすぎでしょ…。
oniwa.garden

鞆の浦重要伝統的建造物群保存地区の町並み










相変わらず素敵な町並みです。今回は寄らなかったけど宮崎駿デザインの町家レストランや鞆の津ミュージアムなどアート好きにもグッと来るスポットも色々。
今回は「みろくの里」方面からのバスで来たのもあり、前回は歩いていない鞆の浦の奥の方も歩いた。いわゆる街歩きをしに来た人の姿はないけど、中心部と同じように古い湊町風情が残ります。





重森三玲・安国寺庭園



鞆の浦の最後に「安国寺」の庭園を拝観。参道から見える「釈迦堂」は室町時代の建築で国の重要文化財、その奥にある枯山水庭園は江戸時代作庭、現代に重森三玲により復元されたもの。
oniwa.garden路線バスで福山駅へ戻って福山駅前をちょっと歩いてみる。広島県東部最大の都市。都会。


福山編は以上です。福山からしまなみ海道経由で四国・今治を結ぶ高速バス「しまなみライナー」で四国へ向かいます。関東で暮らしている身としてはマイナーな路線のように思えるけど、1時間に1〜2本はある上に乗客も結構居たので、地域の人にとっては欠かせない滅茶苦茶便利な路線なのかなーと思った。旅行的にも便利!尾道も行きたかったんだけどまた次回〜。以下は関係無いけど行きのフライトの風景。


新居浜伊予西条編に続きます。